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使用量価格設定を行う

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Industries EPC での使用量価格設定のしくみを簡潔に説明する。
  • 見積と注文での推定利用状況の目的を説明する。
  • 使用量価格設定の方法を説明する。

顧客の利用状況に基づく価格

Industries EPC では、カタログの提供内容の価格を特定の商品またはサービスの顧客の利用状況または消費量に基づいて設定できます。エネルギーおよび公益事業会社は、多くの場合、この手法を使用して電気、水、ガスなどの商品の価格を設定します。サービスプロバイダーは顧客が商品を使用した量を追跡し、レート価格を使用して請求総額を計算します。事前定義されている定額制とは異なり、使用量ベースの価格設定のレートと料金は、経時的に変動することが多々あります。指定された期間 (請求サイクルなど) が経過すると、顧客は合計金額が計算された請求書を受け取ります。

次の商品やサービスのいずれかをサブスクリプションしたり購入したりしたことがある方は、この概念に馴染みがあると思います。

  • インターネットデータプラン
  • クラウドストレージおよびバックアップサービス
  • 公益事業サービス (電気、ガス、水など)
  • 長距離電話

では、利用レートが頻繁に変わる場合、潜在顧客の商品またはサービスの価格見積を正確に行うにはどうすればよいでしょうか?

Wei Leung の紹介

Infiwave の Eliza のように、Ursa Major Solar の開発者である Wei Leung は Industries EPC に高度な価格調整手法を導入する方法を模索しています。

Ursa Major Solar の開発者 Wei Leung。

現在、自社が提供する太陽電気などのエネルギー商品に関して価格を設定する方法を調べています。営業担当によると、使用量 1 キロワットアワー (kWh) あたりの支払料金を顧客がよくわかっていないことが多々あります。Wei は、この価格が時間帯、顧客の場所などの多くの要因に左右されることを知っています。顧客にとって本当に必要なことは、予想される支払金額の概算がわかる価格見積を注文処理時に確認できるようになることです。そうすれば、毎月請求書が届くたびに驚くことがなくなります。

推定利用状況

EPC で利用状況の推定値を作成することで、各請求期間の支払額を顧客に大まかに示すことができます。購入後、注文管理で商品またはサービスが履行され、バックオフィスシステムで実際の利用レートを用いて管理と請求が処理されます。

次の例で示されているように、推定される利用状況と実際の利用状況は異なる場合があります。

電気およびガスサービスの推定利用状況と実際の利用状況を比較した棒グラフ。

電気の推定使用量 (キロワットアワー) は、顧客の実際の消費量より少ないことがわかります。顧客のガスの利用状況は、推定よりわずかに低くなっています。

Wei は、固定レートの電気商品に使用する価格設定を作成する必要があります。その名のとおり、商品の固定レートはプランの期間中、電力市場の価格が変動しても変わりません。非常にシンプルに聞こえますが、他にいくつかの考慮事項があります。価格は顧客の場所における過去の消費量データに基づく必要があります。また、商品となる電気のコンポーネントを含み、顧客の世帯に対してサービスの固定料金を使用する必要があります。

このニーズを満たすため、Wei は 2 つの子商品「Unit Rate (単価)」と「Standing Charges (固定料金)」を含む「Fixed Energy (固定エネルギー)」という新しい商品バンドルを作成します。

  • Unit Rate (単価) 商品は、推定利用状況に基づいて顧客が支払うレートを表します。
  • Standing Charges (固定料金) 商品は、場所またはサービスポイントに電気サービスを供給するための標準手数料を表します。

こうすることにより、顧客は Industries CPQ カートでバンドルを注文した場合に支払いの見積価格を参照できるようになります。

この見積は、[Estimated Usage Quantity (推定利用状況数量)] に [Usage Price (利用状況価格)] を乗算し、[Usage Price Total (利用状況価格合計)] の金額を返す計算を設定することで可能になります。合計金額は、バンドルの他の子商品の価格で積み上げ集計されます。

Wei は、顧客の場所と支払方法を考慮するように属性ベースの価格設定を行います。

使用量価格設定

使用量価格設定を作成する場合、主に次のステップを実行します。

  1. 使用量価格設定を有効化する。
  2. 料金メジャメントを作成し、使用量価格設定を商品に割り当てる。
  3. [Estimated Usage Quantity (推定利用状況数量)] の属性と属性バインドを設定する。

このステップを進める前に、設定する各コンポーネントについてもう少し学習しましょう。

それでは、プラクティスガイド「Implement Usage Pricing (使用量価格設定を実装する)」を使用して、Wei が商品の使用量価格設定を実装、設定する手順を一緒に実行してみましょう。

カートの使用量価格設定をテストする

Wei は、作業を締めくくる前にすべてをテストすることにしています。使用量価格設定が適切に機能することを確認するために、新しい注文を作成し、[Fixed Energy (固定エネルギー)] バンドルをカートに追加します。次に、新しい品目のアクションメニューから [Configure (設定)] をクリックします。

商品設定ウィンドウには、[Customer Category (顧客カテゴリ)]、[Unit Rate (単価)] の [Estimated Usage Quantity (推定利用状況数量)]、[Standing Charges (固定料金)] の [Estimated Usage Quantity (推定利用状況数量)] の項目が表示されます。属性バインドは機能しています!

[Customer Category (顧客カテゴリ)] と [Estimated Usage Quantity (推定利用状況数量)] 項目が表示されている商品設定ウィンドウ。

サンプルデータを入力すると、価格設定エンジンによって品目の「Usage Price Total (利用状況価格合計)」が計算され、その結果に応じて価格が更新されます。Wei は嬉しくて、コーヒーで祝杯をあげています。

属性ベースの使用量価格設定

エネルギーおよび公益事業に関するデプロイでは、多くの場合、使用量価格設定だけでは不十分です。エネルギー商品のコストは変動し、顧客の地理的な場所によって異なります。そのため、使用量価格設定に加え、Wei は属性ベースの価格設定を使用して、Unit Rate (単価) 商品および Standing Charges (固定料金) 商品の利用状況価格を変えるための決定マトリックスを作成する必要があります。

プラクティスガイド「Configure Attribute-based Usage Pricing (属性ベースの使用量価格設定を行う)」を参照し、属性ベースの価格設定を拡張して使用量価格設定の新しい変数を操作してみましょう。

まとめ

このモジュールでは、共有カタログデータを最小限に抑えながら独自の方法で商品価格を設定できる Industries CPQ の高度な価格設定メソッドを学びました。Eliza と Wei のように、あらゆる販売シナリオに対応する準備が整いました。

リソース

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