保険契約の更改とキャンセルについて知識を深める

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

保険契約の更改とキャンセルの基本的な手順を説明する。
提供されたサービスやコンポーネントによって保険契約の更改とキャンセルのプロセスがどのようにサポートされるかを説明する。

保険契約の更改

保険契約期間の終了が近づくと、すべての関係者は更改について考えるようになります。

保険契約管理ライフサイクルの重要な最終フェーズである更改。

保険会社が何よりも望んでいるのは、保険契約者を毎年維持することです。そのため、更改プロセスが可能な限りスムーズで自動化されていることが最も重要になります。同時に、保険会社は、保険料設定や保険契約に対する補償範囲の変更について透明性を確保し、お客様が希望すれば保険契約を見直し、変更できるようにする必要があります。そうでなければ、お客様の信頼を失うことになります。

保険契約管理では、更改が自動化され、各フェーズで常にお客様に最新情報が提供されます。

更改プロセスの基本的なステップを詳しく見てみましょう。

各ステップの要素および関連するコンポーネントが表示されている、保険契約更改ステップを示すフロー図。強調表示されている新規保険契約バージョンの作成。

保険契約更改の主要なステップには、保険契約データの取得、日付の設定、保険契約価格の設定、新規保険契約の作成、ルールの呼び出し、確認の表示があります。

各フェーズの概要を次に示します。

フェーズ	概要
保険契約データを取得する	サービスによって、満期になる保険契約に関する情報が取得されます。
日付を設定する	更改された保険契約の責任開始日を入力します。または、自動化されたサービスでこのステップを処理することも可能です。
保険契約価格を設定する	サービスによってレーティングプロシージャーが呼び出され、ユーザーの特性やプロシージャー自体の変更に基づいて、自動的に保険契約価格が再設定されます。
新規保険契約を作成する	サービスによって、新しい保険契約が作成されます。付随するサービスでは、新しい保険契約トランザクションと計上スケジュールが生成されます。
ルールを呼び出す	サービスによって、商品に対する加入資格と引受査定ルールが評価されます。
確認を表示する	更改された保険契約は、関連レコードへのリンクとともに通知されます。

では、Anna Murph と Anna が加入している Cumulus Insurance の自動車保険に話を戻し、更改プロセスを詳しく見ていきましょう。この自動車保険は数週間後に更改時期を迎えます。

満足度の高いお客様

11 か月先まで時間を進めましょう。Anna は Cumulus の保険契約管理システムを使用して、その操作性を高く評価しています。

満足度の高いお客様の 1 人である Anna。

見積作成と保険契約の発行のフェーズはとても簡単で、Anna はプロセス全体を通してブローカーとカスタマーサポート担当者からすばらしいサポートを受けました。

保険契約期間中の調整を行う際も、数回クリックするだけで、希望するすべての作業を数分で完了させることができます。Anna はまさに満足度の高いお客様を表している具体例と言えます。

Anna が更改のお知らせを受け取る

保険契約が満期になる 1 か月前、Anna は Cumulus から元の保険契約の更改が必要であることを通知するメールを受け取ります。そのメールには、新しい補償範囲のレーティングが記載されており、キャンセルしない限り、保険契約が更改されることが通知されています。

Anna はこのところ非常に忙しいため、保険契約が自動的に更改されることを嬉しく思っています。それだけでなく、Cumulus から常時提供される透明性と容易さも高く評価しています。

更改一括処理で残りの作業を実行する

Cumulus の保険契約管理システムのバックグラウンドでは、更改一括処理が実行され、30 日以内に更改予定のすべての保険契約が特定されます。更改バッチでは、レーティングエンジンの起動と Anna の事故と保険金請求履歴に関する最新情報の受信が実行されます。また、この情報と保険契約にすでに記載されている情報を使用して、保険契約価格の再設定が行われ、最新のドキュメントが Anna に送信されます。

価格に差額が発生した場合、Anna は支払を行うことができ、保険契約管理システムは再び支払ゲートウェイと連携します。認証が得られると、新しい保険契約が生成され、対応する取引が作成されて会計の総勘定元帳システムに送信されます。

この例では、Individual Insurance Policy Administration (個人保険契約管理) システムの特別な機能が示されています。この機能は、複数の複雑なプロセスを自動化し、全員の負担を軽減するためのものです。

保険契約のキャンセル

場合によっては、保険契約管理システムがどんなに適切に設計され、効率的かつ効果的なものであっても、お客様は保険契約をキャンセルしなければならないことがあります。転勤や失業など、生活の変化でキャンセルせざるを得ない場合もあります。

そのため、保険契約管理システムにはキャンセルのためのスムーズなプロセスが用意されている必要があります。そうでなければ、状況が再び変化し、お客様がソリューションを求めて市場に戻ってきたときに、お客様を取り戻すことは諦めてください。

保険契約管理使用すると、お客様は必要なときに簡単に保険契約をキャンセルできるようになります。

保険契約管理ライフサイクルの最終フェーズであるキャンセル。

保険契約キャンセルの一般的なプロセスを詳しく見てみましょう。

各ステップの要素および関連するコンポーネントが表示されている、保険契約キャンセルのステップを示すフロー図。

保険契約をキャンセルするための主なステップには、保険契約データの取得、キャンセル日の設定、保険契約価格の設定、キャンセルの確認、保険契約のキャンセル、確認の表示があります。

次の表には、上記の主要な各ステップがまとめられています。

ステップ	概要
保険契約データを取得する	サービスによって、元の保険契約に関する情報が取得されます。
キャンセル日を設定する	ユーザーがキャンセル日を設定します。
保険契約価格を設定する	サービスによって、ユーザーへの返金金額がキャンセル日に基づいて算出されます。
キャンセルを確認する	ユーザーが、キャンセルの詳細を確認し、キャンセルを進めるかどうかを選択します。
保険契約をキャンセルする	サービスによって保険契約がキャンセルされ、キャンセル日をもって効力が発生します。
確認を表示する	Lightning Web コンポーネントにキャンセルの確認が表示されます。

旅立つお客様

2 年が経ちました。Anna は今もなお Cumulus の保険契約管理システムを非常に高く評価しています。

ですが、Anna は海外での新しい仕事のオファーを受け入れ、少なくとも 1 年間は国を離れ、保険対象になっている 2 台の自動車を置いていく予定です。そのため、現在の保険契約をキャンセルする必要がありますが、あまり面倒でないことを願っています。すべてがスムーズに進めば、帰国後、ぜひ Cumulus と再度契約したいと思っています。

Anna は使い慣れた保険契約者ポータルにアクセスし、保険契約ページから [Cancel Policy (保険契約のキャンセル)] ガイド付きフローを開始します。キャンセル日を保険契約の終了予定日の 2 か月前に設定すると、ガイド付きフローにキャンセル時に発行される 256.00 ドルという返金金額の計算結果が即座に表示されます。Anna は詳細を確認し、キャンセルを確定します。

荷物を持ってヨーロッパに到着した Anna。

保険契約ライフサイクル全体を通したエクスペリエンスが実にスムーズであったため、Anna は海外勤務を終えて帰国したときには、保険のニーズを満たすためにまた Cumulus に頼むことになると確信しています。

その間にも、Anna は Web サイトをチェックして Cumulus の旅行保険にどのようなオプションがあるか確認します。ちょうど、優れた保険契約に加入したいと思っているからです。