会社へのインクルーシブマーケティングの導入
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 意図と影響の違いを理解する。
- インクルーシブマーケティングの 6 つの原則を挙げる。
6 つの原則を確立する Salesforce のジャーニー
Salesforce では、コンテンツ制作者やイベントチームが、文化的な偏りがなく、私たちが寄与する多様なコミュニティを反映し、多様な声を押し上げ、すべての顧客の心に響き、万人の平等という基本的価値をもって導くマーケティング制作をサポートするために、一連の基本原則の確立に取り組んできました。ここでは、数か月に及ぶフォーカスグループの検証を経て集約され修正された 6 つの原則と、人々に配慮した戦略的かつ体系的な対策を要する現実的な課題を紹介します。もちろん私たちがすべてを掌握しているわけではありませんが、私たちがこの過程で学んだことをこの単元に要約しました。こうした原則を社外のコミュニティに紹介する理由は、私たちの経験と知識を皆様やその会社にも役立ててもらいたいことと、私たちがお互いから学び合い、一緒に成長できるオープンな対話を促進したいからです。
意図と影響
私たちが平等について話し合うときは常に、まず「意図と影響」という言葉を明確にすることにしています。これは、皆ほとんどの場合前向きな意図をもって活動していますが、本当に重要なのは自らの行動による影響であるという考え方です。この単元を通して、過ちを犯した企業 (Salesforce を含む) や個人の実例を匿名で紹介します。どの事例でも、影響の重要性とビジネスへの実際的な波紋を示します。このポイントは、当事者に恥をかかせることではなく、こうした過ちから一緒に学んでいくことです。
人間の性向として、私たちは間違ったことをしたと非難されると防衛的になるものです。「性差別のつもりで言ったわけではないのに...」や「人種差別なんかしていないのに...」といった言い訳をしょっちゅう耳にします。けれども、自身の意図に意識を向けるのではなく、自らの行為の影響について考えた場合に、私たちは前進することができ、万人の心に響く、より良い、よりインクルーシブなコンテンツを制作できます。同時に、ここで心に留めておくべき大切な点は、私たち全員が一緒に学んでいること、そして私たち全員が間違いをし続けるであろうことです。それでも、オープンでいること、共感をもって耳を傾けること、教育を継続すること、前進し続けることに取り組むことは可能です。
果敢で真摯な会話を心がける
平等にまつわるトピックで重要な点は、こうした問題は明快なものではなく、最善と思われる決定に至るためには果敢で真摯な会話を要することです。こうした会話のポイントは、共感をもって耳を傾ける、透明性の高い文化を作る、健全な議論を奨励する、責任と寛容さを強調することです。
あなたが会社のリーダーである場合、インクルーシブマーケティングへのジャーニーを始めるうえで鍵を握るのが、こうした困難な会話が健全で建設的かつ生産的な方法で存在し得る環境を創り出すことです。
インクルーシブマーケティングの 6 つの原則の定義
インクルーシブマーケティングの 6 つの原則は次のとおりです。
- まずトーンを定める。
- 言葉遣いで意図を明確にする。
- 存在が示されるようにする。
- コンテキスト (歴史、順序) を考慮する。
- 盗用を避ける。
- ステレオタイプに挑む。
後続の 2 つの単元では、この各原則を具体的に説明し、企業による過ちの実例を挙げ、こうした原則を各自のマーケティングで実践する方法を示します。