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製品マネージャーがアイデアに優先度を付けやすくする

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • IdeaExchange の優先度設定を実施して、アイデアの投票を Salesforce 製品リリースプロセスに結び付ける方法を説明する。
  • IdeaExchange のアイデアがどのような方法で優先度設定リストに掲載されるのか説明する。
  • 製品ロードマップの構築時に、IdeaExchange のアイデアに優先度を付ける。
  • 直近の優先度設定サイクルの結果を確認する。

アイデアを開発に持ち込む方法

IdeaExchange は 10 年以上存在し、85,000 件を超えるアイデアが寄せられています。けれども、このすべてが製品機能になるわけではありません。では、製品マネージャーは開発するアイデアをどのような方法で決定しているのでしょうか?

IdeaExchange の創設以来、製品マネージャーはどのアイデアが人気を集め、どのアイデアが Salesforce 製品の戦略的方向性に即しているかを観察しています。この方法は今も変わりません。上位にランクインしていないアイデアが製品マネージャーの目に留まり、製品ロードマップに組み込まれることもあります。

現在は、アイデアをロードマップに組み込むもう 1 つの方法が存在します。年に 3 回、IdeaExchange の優先度設定が実施され、常時実施されているアイデアの投稿や投票が、製品リリースプロセスに結び付けられます。2018 年に導入された優先度設定は、製品マネージャーが担当するカテゴリの上位のアイデアをレビューし、優先度設定リストに掲載するアイデアを特定して、リストのアイデアのうち最も重要なものをコミュニティに選んでもらうプロセスです。

2 つのフェーズのアクティビティを示すアイデアライフサイクルの図。「進行中」フェーズは、アイデアの投稿とアイデアへのプラス投票で構成されます。「年 3 回の各リリース」フェーズは、リストの作成、アイデアの優先度設定、ロードマップの更新、開発で構成されます。

次の動画で、IdeaExchange でフィードバックやアイデアを共有する方法の詳細をご覧ください。

優先度設定リスト

Salesforce リリースが公開されるのと前後して、エンジニアは次回のリリースの機能の開発に取り掛かります。同じ頃、製品マネージャーはチームとのハドルミーティングで、次々回のリリースの計画を立て始めます。いくつもの作業を同時にこなしながら、担当するカテゴリの上記のアイデアをレビューします。製品マネージャーは投稿されたアイデアを 1 つずつ検討し、次回の開発サイクルでチームが作業に取り掛かれるかどうかを判断します。

次回の開発サイクルでチームが作業に取り掛かれると製品マネージャーが判断したアイデアは優先度設定リストに掲載されます。だからと言って、このアイデアの開発が次回の開発サイクルで終了するわけではありません。新たな開発に着手する余裕があるというだけです。優先度設定リストに掲載されたアイデアについては、製品マネージャーが次のとおり更新します。

  • 状況を「Up for Prioritization (優先度設定の対象)」に変更する。
  • 業務量 (高、中、低) を設定する。アイデアの開発に要する業務量はそれぞれ異なります。完了までに複数のチームが関与し、数回の開発サイクルを要するものもあります。
  • 機能の説明を追加する。どのようなものを構築する予定で、アイデアの本質にどのように対処するかを製品マネージャーが概説します。
  • 正式リリース予定日を設定する。優先度設定が行われるのはリリースプロセスのごく初期です。その後製品チームが、機能が優先的に開発された場合に製品にいつ頃正式リリース可能かについての見通しを立てます。

次回の開発サイクルでチームが作業に取り掛かれないと製品マネージャーが判断したアイデアは優先度設定リストに掲載されません。アイデアの開発が別のチームの何らかの事由に左右され、準備を進められないような場合です。たとえば、人気のあるアイデアながら、Salesforce の最大のバリューである信頼に関するポリシーに反する場合や、製品の戦略的方向性と一致しない場合などが挙げられます。

通常は優先度設定のハドルミーティング時に、製品マネージャーがレビューしたアイデアに、優先度設定リストに掲載するかどうかに関するコメントを付記します。 

上位のアイデアで、将来検討される予定のものはオープンのままになり、現時点で検討されない理由が示されます。再考される予定のない場合は、「オープン - 未計画」というタグが付けられることがあります。今後検討されることのないアイデアは、「クローズ - なし」に更新されます。冷酷と思われるかもしれませんが、コミュニティメンバーの多くからは、アイデアを開発する意向がないことを決定したときには知らせて欲しいという声が寄せられています。Salesforce が何を構築し、何を構築しないかに関する透明性が多数のお客様にとって重要であること、そしてこうした Salesforce の判断に応じてお客様が独自のロードマップを計画できるようになることを製品マネージャーは認識しています。

念入りに確認されたリストが公開されると、コミュニティが優先度を設定できるようになります!

実践: 100 枚のコインを気に入ったアイデアに付与する

リストの準備が整い、優先度設定サイクルが始まったら、各人がアイデアに優先度を付けていきます。Trailblazer Community の各メンバーは 100 枚の仮想コインを受け取り (申し訳ありませんが、このコインに金銭的価値はありません)、リストのアイデアのうち、開発してもらいたいと思うものにコインを付与します。100 枚のコインをすべて 1 つのアイデアに付与することも、複数のアイデアに分散することもできます。アイデアに付与するコインの枚数が多いほど、そのアイデアを製品に実装してもらいたいという意向が強いことになります。

優先度設定リストの例

優先度設定リストには、優先度が高い各アイデアの名前、説明、カテゴリ、業務量、コイン数、正式リリース予定日が表示されます。

優先度設定サイクルの期間は通常 2 週間です。この期間の終わりに、コミュニティメンバー全員から付与されたコインが集計され、結果が IdeaExchange サイトに公開されます。製品マネージャーは、このリストをコイン数の多い順に並べ替え、リリース計画で参考にします。

Jose のアイデアを確認する

コミュニティで Jose のアイデアは大きな注目を集めています。Sales Cloud のアイデアの中でプラス投票が上位にランクインしたため、優先度設定のハドルミーティングで Sales Cloud 製品マネージャーである Wanda がレビューしました。その結果、次回の開発サイクルでチームが作業に取り掛かれると判断しました。Sales Cloud のトップのアイデアは「カレンダーエントリを別の時間にドラッグする」というもので、このアイデアも Wanda のチームが取り組めそうなものです。

前回のリリースのベータ機能を次回のリリースで正式リリースするためにチームが行っている業務量から判断して、次回の開発サイクルでチームが取り組むアイデアをどちらか 1 つに絞らなければならないと Wanda は考えます。そのため、コミュニティの要望が強いのはどちらのアイデアかを見極める必要があります。Wanda はどちらのアイデアも優先度設定リストに掲載していますが、コミュニティに優先度を付けてもらう前に、Jose のアイデアに付けられたコメントに目を通します。

コミュニティメンバーが Jose のアイデアにコメントしており、その多くに、商談を「成立」状況に移行する場合以外にも、達成を即座に認識するユースケースが記されていました。Wanda は、他のマイルストーンでもお客様がレコグニションを設定できるようにすべきと判断します。そこで、こうした柔軟性を反映させる目的で、優先度設定リストのアイデアの説明を書き換えました。

Jose は称賛に関する自身のアイデアを称賛することになるのでしょうか? 次の単元で判明します。

リソース

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