イベント用の同窓生レポートのカスタマイズ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- EDA で卒業生のデータをまとめる。
- EDA のリレーションの目的を説明する。
- 特定のパラメーターに基づいて卒業生のリストを作成する。
この単元では、教育機関のレガシーファミリー (親族に複数の在学生・卒業生がいる) を特定する方法を見ていきます。Cloudy College で同窓生エンゲージメントディレクターを務める Ann Marie Garcia は、数週間後のファミリーウィークエンドに行われるレガシーイベントを計画しています。
Ann Marie が Cloudy で担当している業務についてよく覚えていない方のために、もう一度ご紹介しておきます。
- Ann Marie Garcia は Cloudy College の同窓生エンゲージメントディレクターです。Ann Marie は Cloudy College の同窓生エンゲージメント年間戦略計画の策定と実施の責任者です。同窓生イベントを管理し、同窓生への印刷版とデジタル版を含むすべてのコミュニケーションを統括しています。Cloudy College 同窓生との関係構築の他に、状況に応じてイベントやコミュニケーションプロセスにさまざまな教職員や Cloudy の役員に参加してもらうよう取り計らうのも彼女の仕事です。
Ann Marie は現在企画中のレガシーイベントに在学生の親族である卒業生を招待するために、該当者を特定する必要があります。Ann Marie が Salesforce と Education Data Architecture (EDA) を使用してレガシー該当者を見つけ、招待する手順を見ていきましょう。
必要とされるリストの条件は次のとおりです。
- 卒業生である
- 在学生とのリレーションがある
このリストを手に入れるために、まずデータアーキテクチャにおけるリレーションの使い方について簡単に確認しておきます。その後で、Ann Marie が「リレーションが関連する取引先責任者」レポートでレポートタイプ条件を使用して卒業生を特定する手順を見ていきます。
レガシーファミリー: リレーション
リレーションオブジェクトは、教育機関におけるレポート作成の多くのシナリオで非常に重要なものです。Salesforce では、リレーションはある取引先責任者と別の取引先責任者のつながりを表します。この場合は卒業生と在学生のつながりを表します。片方の取引先責任者レコードでリレーションを作成すると、もう片方のレコードに相互関係が自動的に入力されます。取引先責任者のリレーションは [リレーション] 関連リストに表示されます。
リレーションはデータをまとめるうえで極めて有用な概念で、このユースケースの核となるものです。Ann Marie とともに、リレーションと Salesforce レポートを使用して Cloudy College レガシーファミリーのリストを作成する手順を実践する場合は、EDA 組織にサンプルデータを作成してください。
レコードを次の手順で作成します。
- このモジュールの単元 1 または単元 2 で在学生リストのサンプルデータを作成した場合は、このレポート作成シナリオで、その学生レコードを使用して在学生を表すことができます。まだ作成していない場合は、6 人の在学生の取引先責任者レコード (必要なのは姓と名だけです) を作成してからステップ 2 と 3 を実行してください。
- さらに卒業生を表す 6 人の取引先責任者レコードも作成します。この場合も必要なのは姓と名だけです。結果として表示されるレポートに (実際のイベントと同様) 取引先責任者の郵送先住所やメールアドレスも表示したい場合は、該当する項目に記入すれば、実際のレポートに近いものが表示されます。これらのデータ項目をスキップしても要点は理解できます。
- 卒業生と在学生のリレーションを作成します。これを行うには、取引先責任者レコードの [リレーション] 関連リストから新しいリレーションレコードを追加します。リレーションを定義する必要があるのは一方の取引先責任者でのみです。相互関係は、もう一方の取引先責任者レコードに自動的入力されます。
「リレーションが関連する取引先責任者」レポートを作成する
Ann Marie は、「取引先責任者と取引先」という Salesforce の標準レポートを使用してレポートを作成します。
- [レポート] タブをクリックします。([レポート] タブが表示されない場合、アプリケーションランチャー () で、[レポート] を検索して選択します。)
- [新規レポート] をクリックします。
- [取引先責任者が関連するリレーション] レポートタイプを検索して選択します。
- [続行] をクリックします。
- Ann Marie は [列] に移動して、列のリストが次のようになるまで項目を削除したり追加したりします。
- 取引先責任者: 名
- 取引先責任者: 姓
- 取引先責任者: メール (準備段階でサンプルメールを作成しなかった場合は、[メール] 項目を削除できます。)
- 種別
- リレーションの説明
- 取引先責任者: 取引先レコードタイプ
プレビューからわかるとおり、このレポートで Ann Marie はリレーションのある取引先責任者を特定できます。ただし、対象はレガシーファミリーであるため、卒業生に絞り込む必要があります。これは、検索条件を追加して行うことができます。
検索条件を追加する
標準レポートには検索条件が含まれていませんが、Ann Marie は卒業生の取引先責任者に焦点を絞る必要があります。条件を追加すれば、すべての取引先責任者からレガシーファミリーのみにリストを絞り込むことができます。
- レポートビルダーで、[検索条件] タブをクリックします。
- [検索条件を追加...] 検索ボックスで、[取引先責任者: 取引先レコードタイプ] を検索して選択します。
- [演算子] は [次の文字列と一致する] のままにして、[値] として [EDA_Alum] を選択します。
-
[Apply (適用)] をクリックします。
Ann Marie は絞り込まれた結果をプレビューペインで確認します。卒業生のみが表示されています。
- [検索条件] のレポートオプションによってデータが制限されていないことを確認します。たとえば、Ann Marie は [表示] メニューが [すべての取引先責任者] に設定され、[最終活動日] の範囲が [常時] に設定されていることを確認し、レコードを誰がいつ作成したかに関係なく、レポートにできるだけ多くの結果が含まれるようにします。
-
[Save & Run (保存 & 実行)] をクリックします。
レポートには在学生とのリレーションがあるすべての卒業生が表示されます。Ann Marie は [Reports (レポート)] フォルダーで見つけやすいように、「Legacy Families」 (レガシーファミリー) という名前と説明を付けてレポートを保存します。
-
[Save (保存)] をクリックします。
これで完了です。このレポートは繰り返し利用でき、データを追加または編集するたびに自動的に更新されます。
このレポートを手に入れたことで、Ann Marie とチームはレガシーファミリーイベントの招待状の送付に取り掛かることができます。このとおり、EDA は卒業生と在学生の関係構築の機会を見いだし、Cloudy の同窓生コミュニティの交流を深めていくうえで重要な役割を果たします。
まとめ
EDA を使用すれば、さまざまなレポートユースケースに必要な特定のデータを簡単に抽出できることがわかりました。もちろん、EDA から優れたデータを抽出するためには、優れたデータを入力する必要があります。データをまとめるためには継続的にベストプラクティスに従うことが極めて重要です。そうすれば、Salesforce レポートの知識を常に向上させ、それぞれのユースケースに最適なレポートを作成できるようになります。セクションの末尾に記載されているコミュニティやレポート作成のリソースを確認して、前進し続けてください!