提供者検索の設定
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 提供者検索で提供者同期を使用して情報を見つけ、関連する結果を返すしくみを説明する。
- 提供者検索を設定する。
- 検索と結果にカスタム項目を追加する。
請求者検索への 3 ステップ
提供者検索の概要と、提供者検索により Milly Lee のような患者の適切な提供者探しがどのように簡単になるかを学習しました。次は、Health Cloud にこの機能を設定する方法を学習します。
提供者検索の設定プロセスは次の 3 ステップで構成されます。
- 提供者検索用のデータを設定する。
- 提供者検索を Lightning ページに追加する。
- Experience Cloud を使用して提供者検索をコミュニティページに追加する。
各ステップを詳しく見ていきましょう。
提供者検索のデータを設定する
従来、提供者検索を有効化する場合、データを CRM システムからデータウェアハウスに抽出する必要がありました。多くの追加作業が必要になりそうですが、Health Cloud を使用すればかなり楽になります。Health Cloud は CRM データに基づく提供者検索を内部ユーザーとサイトメンバーの両方に提供します。これによって実装にかかる時間とコストが大幅に削減されます。
提供者データモデルのデータ自体は検索可能ではありません。最初に検索可能な形式に変換する必要があります。次の図は検索プロセスのしくみを示しています。
提供者検索ではデータ処理エンジンという便利な機能を使用して、提供者データモデルからのソースデータを、ケア提供者検索可能項目という検索可能なオブジェクトに対応付けて変換します。データは 1 日に 1 回ケア提供者検索可能項目と同期されますが、手動ならいつでも同期できます。
検索の実行時、提供者検索 Lightning コンポーネントでは、提供者データモデル全体ではなく、ケア提供者検索可能項目オブジェクトのみからデータを検索し、検索結果をユーザーに表示します。
ここまで見る限り、ケア提供者検索可能項目オブジェクトとのデータの同期作業はすべて Health Cloud によって行われるようです。このステップでユーザーは何をする必要があるのでしょうか? ユーザーの当面の作業は、Health Cloud 組織で検索できるようにしたいデータが揃っているか確認することです。その作業がすでに終わっていれば、先に進みます。まだの場合は、データローダーまたは複合 API を使用してデータを Health Cloud 組織にインポートすることをお勧めします。
ケア提供者検索可能項目オブジェクトには、検索に対応した複数の標準項目があります。こうした標準項目として、提供者名、施設名、使用言語などがあります。提供者検索でカスタム項目を使用することもできます。ケア提供者検索可能項目オブジェクトのカスタム項目に対応付けるだけです。
データがデータモデルとケア提供者検索可能項目オブジェクト間で同期されているかどうかをチェックするには、提供者検索同期ログを使用します。ログにはアプリケーションランチャーからアクセスできます。
提供者検索同期ログでは、検索対象として設定した提供者の同期状況をチェックできます。[同期状況] 項目には同期が成功か失敗かが表示されます (1)。失敗の場合、[メッセージ] 項目でメッセージを確認できます (2)。[最終同期] 項目には最後に項目が同期された日時が表示されます (3)。
提供者検索を Lightning ページに追加する
提供者検索のデータを設定できたら、次はユーザー向けに提供者検索を設定しましょう。ユーザーが Health Cloud 組織で提供者検索を使用できるようにするには、提供者検索コンポーネントを Lightning ページに追加します。取引先レコードページやホームページに追加することも、提供者検索コンポーネントが含まれているだけのアプリケーションを作成することもできます。
次の画像では、提供者検索コンポーネントは取引先レコードページにあります。
提供者検索コンポーネントを適切なページに配置し、そのページを保存して公開したら、ユーザーはすぐに使い始めることができます。
提供者検索をコミュニティページに追加する
Milly のような患者が自分で提供者を検索できるようにするには、提供者検索コンポーネントを Experience Cloud のコミュニティページに追加します。これにより、患者とメンバーはエージェントに電話してサポートを受けずに済むため、プロセスをスピードアップしてエクスペリエンスを向上させることができます。提供者検索コンポーネントをサイトのページに追加するには、エクスペリエンスビルダーを使用します。
提供者検索を実際に使ってみる
それでは、提供者検索を実際に試してみましょう。前の単元でサインアップした Health Cloud 組織にログインして、次の手順を実行してください。この手順を実行しなくても Challenge に合格できます。
組織でデータパイプラインと提供者検索を有効化する
- 提供者検索を使用し始める前に、自分に「データベースライン」権限セットライセンスを割り当てます。そのためには、[設定] で
User
(ユーザー) を検索し、[ユーザー] を選択します。リストで自分を見つけ、自分の名前をクリックします。[権限セットの割り当て] までスクロールし、[割り当ての編集] をクリックします。[利用可能な権限セット] リストで [データパイプラインベースユーザー] を見つけ、右矢印をクリックして [有効化された権限セット] リストに追加します。[保存] をクリックします。 - データパイプラインを有効にします。[設定] で
Data Pipelines
(データパイプライン) を検索し、[使用開始] をクリックします。[使用開始] ページで、[データパイプラインを有効化] 切り替えを [有効] に設定します。 - [提供者検索] を有効にします。[設定] で
Provider Search
(提供者検索) を検索し、[提供者検索設定] をクリックします。[提供者検索設定] ページで、[提供者検索を有効化] 切り替えを [有効] に設定します。
検索と結果にカスタム項目を作成する
- [設定] から、[オブジェクトマネージャー] を開き、クイック検索を使用してヘルスケア提供者オブジェクトを見つけて開きます。
- [項目とリレーション] を開き、[新規] をクリックしてカスタム項目表示ラベルを作成します。
- データ型に [選択リスト] を選択し、[次へ] をクリックします。
- 新しいカスタム項目の詳細を入力し、[次へ] をクリックします。
- 項目の表示ラベル:
Certification
(認可) - 値: [各値を改行で区切って入力します。] を選択します。
-
CAHIMS/CPHIMS (HIMSS), CHTS (AHIMA), HCISSP (ISC), RHIT (AHIMA)
の各値を改行で区切って入力します。
- 項目の表示ラベル:
- [次へ]、[次へ]、[保存] の順にクリックします。
次に、同じ手順に従って、新しい項目をケア提供者検索可能項目オブジェクトに追加します。
- オブジェクトマネージャーに戻り、[ケア提供者検索可能項目] をクリックします。
- [項目とリレーション] を開き、[新規] をクリックして新しいカスタム項目表示ラベルを作成します。
- データ型に [テキスト] を選択し、[次へ] をクリックします。
- 新しいカスタム項目の詳細を入力し、[次へ] をクリックします。
- 項目の表示ラベル:
Certification Search
(認可検索) - 長さ:
99
- ヘルスケア提供者オブジェクトで指定した名前とは異なる名前を入力してください。
- [次へ]、[保存] の順にクリックします。
次に 2 つの項目を対応付けます。
- [設定] から [クイック検索] ボックスで
Care Provider Search Config
(ケア提供者検索設定) を検索します。 - [新規ケア提供者検索設定] をクリックします。
- [表示ラベル] 項目に
Certification
(認可) と入力します。[名前] には同じエントリが自動的に入力されます。 - [対応付けられたオブジェクト] ドロップダウンリストから適切なものを選択します。この例では、新しい項目をヘルスケア提供者オブジェクトに追加したため、[HealthcareProvider] を選択します。
- [ソース項目] で、ヘルスケア提供者オブジェクトに追加した項目名 (
Certification__c
) を追加します。 - [対象項目] で、ケア提供者検索可能項目オブジェクトに追加した項目の表示ラベルの名前 (
Certification_Search__c
) を追加します。 - [IsActive] チェックボックスをオンにします。
- [保存] をクリックします。
ページレイアウトに提供者検索を追加する
- 提供者検索を Lightning ページに追加します。[設定] で「Lightning アプリケーション」を検索し、[Lightning アプリケーションビルダー] をクリックします。Lightning アプリケーションビルダーで、[Patient Console with Pinned Leftbar (左バーが固定されている患者コンソール)] ページの横にある [編集] をクリックします。
- 左のツールバーで提供者検索コンポーネントを検索し、コンポーネント (1) をページのページ上部のヘッダー (2) の下にドラッグアンドドロップします。
- 作成した [Certification (認可)] カスタム項目など、希望する項目を [提供者検索] パネルに追加するには、[検索パネル項目] (3) で [項目を追加] (4) をクリックします。同様に [高度な検索項目] (5) と [検索結果項目] (6) にも項目を追加します。
- 項目名をカスタマイズすることもできます。項目をクリックし、表示ラベルを編集し、[完了] をクリックします。
- [有効化] をクリックし、組織のデフォルトとして割り当て、[保存] をクリックしてコンポーネントを保存し、有効化します。
この単元では、提供者検索について学習しました。次の単元では、提供者カードを設定する方法について学習します。