メドテック向けの Life Sciences Cloud を使用する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 典型的なメドテック企業における Life Sciences Cloud ユーザーのペルソナを特定する。
- メドテックで遂行する職務について説明する。
Evan と Lauren の病院現場訪問
ここで、Cinnabar Medical というメドテック企業の Evan Nguyen に再び登場してもらいましょう。Evan と同僚の Lauren Green が、Santa Clarita 病院の最高医療責任者である Kathryn Choi を訪問しています。Santa Clarita は Evan の大切な得意先で、昨年はペースメーカーを 1,000 台以上販売しました。Evan と Lauren は病院の心臓胸部外科に最新モデルの心臓ペースメーカーを導入してもらえないか持ちかけてみることにしました。
Lauren は Cinnabar Medical の経験豊富なフィールド臨床スペシャリストです。Santa Clarita 病院のような医療機関に医療機器を販売し、密接に連携して機器が適切に使用されるようにします。医療機器や治療に関する幅広いトレーニングと専門知識を有する Lauren は、Kathryn のようなクライアントにとって信頼できるアドバイザーになっています。
ミーティングで Evan が「Lightning Pacemaker」という最新モデルの心臓ペースメーカーを紹介しました。Evan は Life Sciences Cloud の在庫表示を使用して、ペースメーカーに在庫があり、Kathryn が注文可能であることをリアルタイムで確認します。さらに、過去のデータを検証し、この新しい装置から最大の効果が得られると思われる患者を数人挙げます。
Lauren は Kathryn とスタッフに Lightning Pacemaker の実物を示しながらそのしくみを説明します。Kathryn から、病院で使用している旧モデルと比較して、このモデルの納入、在庫、テクノロジーの詳細がどのようなものか質問されました。Evan は Life Sciences Cloud モバイルアプリケーションで簡単なライブデモを見てもらいます。Life Sciences Cloud を使用し始めた Cinnabar Medical では、以前は考えられなかったほど簡単に医療機器の最新モデルを紹介できます。Kathryn は Life Sciences Cloud のカスタマーポータルで、Santa Clarita 病院への納入状況や供給の変動の詳細をすぐにチェックできます。
ミーティングを終える前に、Kathryn は病院に Lightning Pacemaker を導入することにしました。Kathryn とフォローアップミーティングの予定を取り付けた Evan と Lauren は、その時までに 12 か月間でペースメーカー 1,000 台を販売する契約を提示できるようにします。次回のミーティングまでに Evan がすべきことは、新しい販売契約を作成することです。Lauren がすべきことは、Santa Clarita 病院で Lightning Pacemaker を使用した最初の手術が行われる際に立ち会うことです。Kathryn がすべきことは、Cinnabar の新しい販売契約を承認し、最初の手術の日程を調整することです。
主なユーザーと担当業務
営業担当は、適切なリソース、商品、評価タスクを揃えて、現地訪問またはバーチャル訪問を行います。その訪問先で不足が生じている可能性を予測し、不足が生じていた場合に商品を移送してもらえるようにしておきます。在庫管理の責務を臨床スペシャリストと分担することも考えられます。
メドテックのフィールドセールス担当
Evan のような営業担当は、サンプル、貸与、レンタルの管理もできなければなりません。Life Sciences Cloud モバイルアプリケーションで次のタスクを実行します。
- デジタル契約管理を主導する。
- 見積、提案、提案依頼 (RFP) の回答を作成する。
- 外科症例の部品表 (BOM) とキッティングを作成する。
- 複数の拠点にある自身の在庫を管理する。客先、Evan の自宅、車載に保管されている在庫などがこの対象です。
- フィールド担当間で在庫を移送したり、複数の在庫場所における医療機器の出荷停止を管理したりする。
- パラメーターを使用した高度な在庫検索を実施する。
- 契約ライフサイクルを管理する。
- お客様の承認を取り付け、コンプライアンスを徹底する。
- バーコードスキャナーを使用して、商品のシリアル管理、IoT 機器のトレーサビリティ、商品の有効期限を追加する。
-
4 つの R (Recall (リコール)、Replenish (補充)、Return (返品)、Repair (修理)) を実践する。
- 現場の在庫とエンタープライズリソースプランニング (ERP) の在庫を一致させる。
メドテックのフィールド臨床スペシャリスト
Lauren のような臨床スペシャリストは、お客様を訪問して外科症例の注文を履行したり、訪問で取り決めたタスクを実行したりします。また、どこからでも在庫管理や注文管理に簡単にアクセスできる必要があります。Life Sciences Cloud モバイルアプリケーションで次のタスクを実行します。
- フィールドセールス担当のすべてのタスクを実行する。
- 手術に立ち会い、クライアントや医療従事者に助言する。
- 複数の拠点にある自身の在庫を管理する。
- フィールド担当間で在庫を移送し、手術や商品販売の機会を逸しないようにする。
- 将来の在庫のニーズや不足を見通せるようにする。
- 今後の訪問のために必要な在庫の補充を依頼する。
- 他のフィールド担当、流通センター、在庫場所からの在庫依頼に応じる。
- 販売取引や在庫移送受領のバーコードを使用して、シリアル管理された商品を手動でキャプチャする。
- 現場の在庫と ERP の在庫を一致させる。
- 商品の有効期限を可視化して、期限切れの在庫を減らす。
- ジャストインタイムの在庫管理で過剰在庫を減らす。
- お客様に委託している在庫の場所を追跡する。
- 現場の移送や返品など、お客様の一般的なトランザクションの自動化フローを使用してカスタマイズを追加する。
Cinnabar Medical のようなメドテック企業は Life Sciences Cloud を使用して、収益を増大させ、運用コストを削減し、プロセスを自動化してビジネスを刷新できます。
Evan と Lauren は Life Sciences Cloud を活用することで、注文、在庫、現場訪問を効率的に管理できます。その結果、ビジネス成果が上がり、お客様との関係が強化されます。また、Kathryn のようなクライアントは、病院でパーソナライズされた患者ケアを実践できます。
リソース