ケアプランとケアプランテンプレートについて
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ケアプランのコンポーネントについて説明する。
- ケアプランテンプレートの使用方法を挙げる。
- ケアプランテンプレートの使用方法を説明する。
前提条件
このモジュールを始める前に、推奨される前提条件を検討し、学習に向けて万全の準備をしてください。
推奨
次のモジュールの修了:
ケアプランについて学ぶ
一束の小枝を折ろうとすると、怪我をしてしまう可能性があります。この場合の小枝を折る最も効果的な方法は、1 本ずつ折っていくことです。ヘルスケアの問題も同様です。股関節を痛めた高齢の患者の場合、ケアを提供するのは難しいことです。これに糖尿病などの既往症が加わると、問題は複雑になります。ですが、このケアの問題には、実行可能な単位に分割することで対応できます。
そこで役立つのがケアプランです。
ケアプランとは患者の健康をサポートするための実用的で実行可能なステップです。ケアプランは健康問題を実行可能で追跡可能なアクションに分割できる方法であるため、広く使用されています。ケアプランは、メンバーのケアに関わるすべての個人にとって一元化された情報源として機能します。
ケアプランは問題、目標、ToDo、ケアチームで構成されています。これまで、ToDo は目標の下にネストされ、目標は問題の下にネストされていました。ただし、現在は問題と目標が省略できるようになり、ToDo はケアプランや問題の下に直接配置することも、従来の構造に従って目標の下に配置することもできます。また、各ケアプランにはケアチームを割り当てることもできます。ケアチームは、患者の健康状態を改善するために協力し合う、患者のネットワークに参加している個人で構成されています。
それでは、ケアプランを構成する要素をいくつか見てみましょう。
- 問題: 問題とは、患者にとっての優先事項として特定されている臨床的または非臨床的な健康問題です。ケア従事者や臨床試験によって特定された具体的な診断である場合も、または、患者から報告された一般的な問題である場合もあります。たとえば、糖尿病の Charles Green の場合、問題は高血糖になります。
- 目標: 健康目標とは、問題を克服するために患者が達成すべき対象の転帰を表します。患者は、1 つの問題に関連して複数の目標を立てることができます。Charles の場合、ケアプランの目標は空腹時の血糖値を 100mg/dL (ミリグラム/デシリットル) 未満にすることです。
- ToDo: ToDo とはケアプランの主要な促進要因です。ToDo は目標に向けた測定可能なアクションを表し、問題に関連付けられている活動の進捗状況を追跡するのに役立ちます。Charles Green の例では、ケアプランの ToDo は食生活の改善です。
- ケアチーム: ケアチームとは患者のコミュニティのサポートハブであり、患者の健康状態を改善するために協力する個人と専門家で構成されます。ケアチームのメンバーは、患者が健康管理を適切に行えるように特定の ToDo を任されることがあります。Charles Green のケアチームは、かかりつけ医、ケアコーディネーター、ケア担当者である Shawna Green、内分泌科医などで構成されています。
ケアプランでは、次のことができます。
- ケアギャップを容易に特定できるように、類似する問題と患者に対して標準化されたケアを提供する。
- 患者を健康ジャーニーに参加させることで、健康転帰を改善する。
- 患者のネットワークを巻き込み、患者にアクションを割り当てることで、ToDo が適切に管理されるようにする。
- 再入院のリスクとケアのコストを削減する。
ケアプランテンプレートを使ってみる
ケアプランテンプレートは、患者の特定の健康上のニーズに合わせたアクションのリストが用意されている標準化されたケアプランです。ケアコーディネーターは、数回クリックするだけで、特定の診断用に問題、目標、ToDo があらかじめ記入されたケアプランテンプレートを割り当てることができます。これにより、時間と労力を節約して、患者グループ間で標準化されたケアを確立できます。
ケアプランテンプレートは、実績のある方法と具体的な健康上のニーズが組み合わせて設計されています。ケアプランテンプレートはケアプランの構造だと考えてください。ケアプランテンプレートには、ToDo と目標が自動化された定義済みのケアプロトコルが装備されているため、ケアコーディネーターは患者ごとに標準プロトコルを入力するのではなく、患者グループ全体に標準的なケアを適用できます。
また、ユーザーは特定の健康状態に事前作成済みのテンプレートを設定することもできます。テンプレートにはアクションとフォローアップ手順の実証済みのリストがすでに入力されています。たとえば、全員が手術後の回復期にある患者グループの場合、ケアコーディネーターは自宅での定期検診、疼痛管理、理学療法セッションなどのフォローアップアクションを含むケアプランテンプレートを割り当てることができます。
ケアプランテンプレートには柔軟性があるため、ケアコーディネーターは、患者の個々のニーズを考慮してカスタマイズすることができます。また、ケアコーディネーターは ToDo の追加や削除、オフセット日や開始日の変更を行うこともできます。このように、ケアコーディネーターは患者にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することができます。
この点については、次のセクションで後ほど説明します。
まとめると、ケアプランテンプレートが便利な理由は次のとおりです。
- ワークフローを標準化し、統合されたケアを確立できる。
- 時間を節約し、労力を最小限に抑えることができる。
- 患者のエクスペリエンスをパーソナライズできる。
- 患者エンゲージメントが向上し、ひいては患者との関係が強化される。
ケアプランテンプレートを使用する
Bloomington Caregivers は最近、Health Cloud に移行しました。Salesforce システム管理者の Harryette Randall は、ケアコーディネーターの April Guthman が患者を管理するためのケアプランを設定する予定です。Health Cloud Lightning コンソールが設定されると、April は自分の患者 (この患者の多くは共通の健康上の懸念を抱えています) をより適切にケアできるようになります。April が糖尿病などの類似した疾患を持つ患者向けに標準化されたケアプランを作成することができれば、作業負荷が軽減され、時間を節約でき、早急な対応が必要なケアギャップを特定するのに役立ちます。
April にとって幸いなことは、プランテンプレートは一度設定すれば何度でも再利用できるということです。しかも、それぞれの患者の個別のニーズに合わせてカスタマイズすることもできます。April 自身も、Health Cloud Lightning コンソールから数回クリックするだけで設定できます。設定の手順については、次の単元で詳しく説明します。
April は新しいケアプランを作成したいと考えています。April はすでに用意されているケアプランテンプレートのリストから選択することも、複数の健康問題を抱える患者のために複数のケアプランテンプレートを選択することもできます。たとえば、ケアプランテンプレート [Care Plan for Diabetes (糖尿病のケアプラン)] を選択すると、いくつかの関連する問題、目標、ToDo があらかじめ入力されています。
ただし、April はテンプレートに関連付けられている ToDo と目標をすべて必要としているわけではありません。
- ToDo [Daily Exercise: Morning Walk (毎日のエクササイズ: 朝の散歩)] を削除する場合は、その特定の ToDo をオフにするだけです。(1)
- ToDo [Dietary Changes (食生活の改善)] の [期日] を 10 日に設定するために、April はオフセット日を編集します。(2)
- [次へ] をクリックした後、ケアチームメンバーを追加し、ケアプランを確認してから保存します。ケアプランを保存した後も、新しい問題、目標、ToDo を追加したり、既存のコンポーネントを編集したりできます。
- また、[グループ別] ビューをカスタマイズして、ToDo を表示することもできます。
- ToDo が完了したら、April はその横にあるチェックボックスをオンにして ToDo を閉じます。
患者用にカスタマイズされたケアプランを設定する際には、ケアプランテンプレートの高い柔軟性が非常に役立ちます。作成プロセスは数回クリックするだけなので、April のようなケアコーディネーターは時間を節約して、作業をシンプルかつ簡単に進めることができます。次はこれを実現するために、ケアプランの設定とカスタマイズに必要なすべての手順を説明していきましょう。
