グループ保険の契約と加入について知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- グループ保険について説明する。
- 契約と加入がグループ保険とどのように関係しているかを理解する。
- 契約・加入によって業界の課題が解決されるしくみを説明する。
- 契約・加入の主な利点を挙げる。
契約と加入の概要
契約と加入。これらはグループ保険においてエキサイティングな重要要素です。嬉しいことに、デジタル保険プラットフォームには、雇用主との契約作成を合理化し、関係者をプランに加入させるためのソリューションが備わっています。それではまず、グループ保険について確認しましょう。
グループ保険
保険会社は個人やグループに保険を提供します。個人保険の場合、保険会社は保険契約者に直接保険を提供します。グループ保険の場合、保険契約者はグループのメンバー (従業員など) です。グループメンバーは、雇用主が提供するプラン (たとえば、医療保険や生命保険) に加入できます。グループ (雇用主またはプランスポンサー) は、保険会社と交渉してメンバーに提供する最適なプランを決定します。
主要な関係者
まず、Cloud Kicks で働く Anna Murphy を紹介します。Anna は Cloud Kicks のグループメンバーで、医療保険契約の保険契約者です。
次は Cumulus Insurance。Cumulus は、雇用主が従業員に提供する保険プラン (医療、歯科、生命保険など) を扱っています。
Anna は、雇用主の Cloud Kicks を通じて Cumulus の医療保険プランに加入しています。
ここで、保険会社、ブローカー、グループ、グループメンバーがどうつながっているかを見てみましょう。
上記の図では、Cumulus が保険会社です。この場合、ブローカーである MaxProtect は保険会社の業務を代行し、雇用主に契約を販売します。ここでは、雇用主は Cloud Kicks です。MaxProtect と Cloud Kicks は連携して、従業員のプランと価格設定の交渉を行います。最終的に、Cloud Kicks はグループメンバーである従業員にプランを提供します。Anna のような、補償を受け取る人が保険契約者となります。これで、グループ保険がどういうものかを理解できました。
契約と加入
では、契約と加入はグループ保険とどのように関係しているのでしょうか? Anna の話に戻ります。Anna が雇用主を通じてプランに申し込めるようになるには、保険会社と雇用主の間で契約が結ばれている必要があります。契約が締結されると、Anna はプランに加入できるようになります。
グループ保険には、見積、契約、加入というエンドツーエンドプロセスが含まれます。このモジュールでは、契約と加入を中心に説明していきます。契約と加入は、最終見積と請求の間に発生するプロセスです。
雇用主やその他プランスポンサーが合意する見積には、グループメンバーに提供する商品の詳細事項が含まれています。見積の後、保険会社は雇用主との契約を作成します。契約が完了したら、加入フェーズが始まり、従業員はプランに申し込んで保険契約に加入できます。
ビジネス上の課題
次に、Justus Pardo を紹介しましょう。Cumulus の保険ソリューションのデジタルトランスフォーメーションを担当しているデジタル保険コンサルタントです。
Justus には、解決すべき課題がいくつかあります。Cumulus のグループ管理者から、契約作成にどれほど長い時間がかかるかということを幾度となく聞かされています。最終見積の作成に向けて何度もグループとやり取りをした後、同意をもらう段階はスムーズに進みます。ただし、そう簡単にはいきません。ここから本当に大変な作業が始まります。契約を作成するには、見積の詳細事項すべてを再度、別のシステムに手入力する必要があるのです。最終センサスデータを手入力し、請求の詳細も手入力します。このようにすべてを手作業で行うことは時間がかかり、入力ミスを誘います。
やっとのことで契約が完了したら、次は加入に移ります。グループメンバーが保険契約者になるフェーズです。ですが、安心するには早すぎます。加入のプロセスも大きな問題を抱えています。加入は、時間がかかる手動のプロセスであるだけではありません。COVID-19 によって従業員らが自宅からデジタル勤務させられていることにより、かつてないほど困難をきたしています。
「なぜ加入がそれほど難しいのか?」と疑問に思うかもしれません。簡単に言うと、Cumulus は過去にとらわれています。
- 紙の冊子や記入用紙では、かつてのようにうまくプロセスを進めることができない。
- お客様はデジタルアクセスを求めている。
- 素晴らしい新たな任意加入ベネフィットを利用できても、メンバーにマーケティングするのが困難である。
- 従来のマーケティングシステムと加入システムはつながっていない。
もちろん、もっと良い方法があります。
スピードと効率性へのニーズ
Justus は、現在のデジタル世界で Cumulus が成功するのを支援するデジタル保険プラットフォームの素晴らしい機能を知り、興奮しています。デジタル保険プラットフォームは、保険に関するすべての中核業務をデジタル化し、既存システムとの統合によってビジネスを推進することができるモジュール形式のソリューションです。
契約・加入は、契約を自動化することでプロセスを速め、エラーを最小限に抑えることができるデジタル保険プラットフォームモジュールです。この加入プロモーション機能を活用して加入プロセスを合理化することも可能です。さらに、オムニチャネルサービスの利用により、Anna のようなお客様は自分が選んだデバイスで契約の操作を行えるようになります。Justus は、早くこのプロジェクトに取りかかり、ストレスのたまった Cumulus のグループ管理者とその先にいる Anna のような保険契約者を助けたくてうずうずしています。
自動化された契約
グループが最終見積に合意したら、次は契約です。デジタル保険プラットフォームでは、契約プロセスを簡単に進めることができます。自動契約機能を使用して、合意した条件に基づく契約を生成できます。さらに、次のことが可能になります。
- 条項のカスタマイズと再利用
- 自動化されたオムニチャネルワークフローによる必要データの取得
- センサスのアップロードに問題がある場合にフラグ付けを行うことによる迅速な問題解決
- 契約の電子署名と支払のデジタル処理
上記に挙げた機能により、契約作成が迅速化し、契約のエラーが減少します。
加入プロモーション
加入プロモーション機能を使用すると、加入可能なプランについてメンバーに知らせ、加入を促進することができます。加入では、次のことが可能になります。
- 契約に直接基づく自動加入設定
- Salesforce Marketing Cloud Engagement を使用する任意加入ベネフィットのマーケティング
- メンバーが購入と加入を行える最新デジタルユーザーエクスペリエンスの提供
さらに、収益の増加とビジネスコストの低減にも役立ちます。
オムニチャネルサービス
利点は、契約と加入にとどまりません。オムニチャネルサービスを使用すると、メンバーはラップトップからでも携帯電話からでも、デジタルポータルを通じてセルフサービスで疑問を解決できます。補償範囲の確認、扶養家族の変更などを行おうとしている従業員は、インターネットの接続さえあれば、時間と場所を問わず行うことができます。
契約と加入についてデジタル保険プラットフォームで提供される主な利点を紹介しました。では、このソリューションの各要素がどのように連携するかを見ていきましょう。