使用事例の詳細
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Sales Cloud とアナリティクス 360 のインテグレーションのいくつかの使用事例を説明する。
- 先進的なマーケティング担当者が Sales Cloud と Google Cloud の Google マーケティングプラットフォームのデータをどのように使用できるかを理解する。
Sales Cloud とアナリティクス 360 のインテグレーションの基礎を学習したところで、これらのプラットフォームの連携によって営業チームとマーケティングチームの連携が強化される使用事例を詳しく見ていきましょう。
オンラインからオフラインまでのセールスファネル全体の視覚化
アナリティクス 360 からのオンラインイベントと Sales Cloud からインポートされたオフラインイベントの使用
このインテグレーションから価値を得るための最もシンプルで効果的な方法の 1 つが、Sales Cloud のオフラインデータをアナリティクス 360 で直接探索してみることです。
- まず、オンラインファネルの関連ステップをイベントによって追跡していることを確認します。たとえば、商品ページにアクセスしてリードフォームを登録し、最終的に取引を開始したユーザーのファネルを調べる場合は、ユーザーが商品ページにアクセスした場合のイベントをアナリティクス 360 で設定する必要があります。
- そこから、それらの各イベント、アナリティクス 360 によって測定されたオンラインイベント (商品ページへのアクセスやリードフォームの登録など)、Sales Cloud からインポートされたオフラインイベント (リードや商談のマイルストーンなど) に注目するカスタムレポートを作成します。そして、オンラインからオフラインへのファネル全体を分析して、さまざまなマーケティングチャネルのパフォーマンスを理解します。
カスタムファネルの使用と対象オーディエンスの作成
アナリティクス 360 のカスタムファネル機能を使用すると、ユーザーが Web サイトで購入を完了するために実行するステップを視覚化し、離脱があった場合にアクションを実行できます。Sales Cloud データをアナリティクス 360 に統合することによって、カスタムファネルを使用して、ビジネスがアナリティクス 360 で測定されるオンラインリードを Sales Cloud で測定されるオフラインでの営業につなげることにどれだけ成功しているかを調べることができるようになりました。
あなたはソーラーパネルの会社に勤めていて、自社の Web サイトには見込み客が営業チームのメンバーに連絡するために使用するリードフォームがあると想像してください。カスタムファネルを使用すれば、オンラインで登録したリードの何パーセントが対面の相談を行い、さらにそのうちのどのリードがソーラーパネルを購入したかを視覚化できます。これらの視覚的なレポートは、離脱ポイントを特定するために役立つため、カスタマーエクスペリエンスを微調整してマーケティングのパフォーマンスを改善できます。
- カスタムファネルからすぐにアクションを実行するには、[Create new segment (新しいセグメントを作成)] をクリックして、特定のステージから離脱した人のオーディエンスを作成します。オーディエンスセグメントを作成できたら、それを使用してメディアターゲティング、サイトのパーソナライズ、または定性調査を行うことができます。たとえば、オンラインリードフォームに入力したけれども営業エージェントへの電話をスケジュールしなかった顧客のセグメントを作成することが考えられます。その場合、デジタル広告やカスタムサイトメッセージングを使用して、このグループにフォローアップすることを呼びかけることができます。これについては下のセクションでさらに詳しく説明します。
- 次に、アナリティクス 360 の高度なアトリビューションツール (データドリブンアトリビューションなど) を使用して、さらに精度の高いクロスチャネルアトリビューションモデルを作成し、どのチャネルがオフライン営業を促進しているかをより深く理解できます。たとえば、データドリブン統計モデルを適用すると、有料検索とメールがソーシャルよりもオフラインでのソーラーパネルの設置を促進していることを発見できるかもしれません。この情報を利用して、有料検索とメールに対する投資を調整し、その過程で広告費用対効果 (ROAS) を向上させることができます。
オフライン目標に対するマーケティング投資の最適化
さらに一歩進んで、アナリティクス 360 で Sales Cloud の行動に基づく目標を設定し、デジタルマーケティングキャンペーンをサイトのフォーム登録に合わせて最適化するのではなく、オフラインで行われる営業に合わせて最適化できます。
それには、これらの目標 (Sales Cloud からインポートされたオフラインイベントによってトリガーされるもの) を Google 広告や検索広告 360 と共有し、検索入札計画をこれらの目標に合わせて調整します。
Sales Cloud データを使用したインテリジェントなオーディエンス作成
オフラインデータを使用することでレポートに含まれるインサイトが強化され、メディアをよりスマートに最適化できることに加えて、アナリティクス 360 と Sales Cloud の連携によって、さらに多くのオーディエンス属性を使用できるため、オーディエンスの具体性が向上します。
たとえば、保険会社がオンラインでリードを生成して、保険契約の販売はエージェントによって対面で行う場合は、自動車保険契約をオフラインで購入したすべての顧客のオーディエンスをアナリティクス 360 で作成できます。そのオーディエンスを使用して、ディスプレイ & ビデオ 360 によって関連する表示広告を配信する (新しい保険商品をそのページをオンラインで閲覧したユーザーに表示するなど) か、オプティマイズ 360 によって Web サイト (カスタマーサービスショーケースなど) をカスタマイズすることができます。
上記の使用事例で Einstein リードスコアリングを使用してこれらのオーディエンスを作成することもできます。たとえば、ソーラー会社はオンラインでリードフォームに入力し、その後 80 以上の Einstein リードスコアが割り当てられたユーザーのアナリティクス 360 オーディエンスを作成することが考えられます。そして、そのオーディエンスをオプティマイズ 360 と共有して評価済みユーザーに個別のサイトエクスペリエンスを提供したり、ディスプレイ & ビデオ 360 と共有してエンゲージメントを維持するために関連性の高い広告を配信したりできます。
さらに顧客を喜ばせる方法
Sales Cloud とアナリティクス 360 を使用して価値のあるオーディエンスを作成すれば、それらの顧客についてより詳しく知ることができ、同じような顧客を新しく発見することにもつながります。
- 類似オーディエンス。類似オーディエンスは強力かつシンプルな方法で、既存のオーディエンスのリーチをアルゴリズムによって広げることで、より大きなオーディエンスにリーチし、売上を促進します。たとえば、アナリティクス 360 に Sales Cloud から評価の高いリードのオーディエンスをインポートし、そのリストをディスプレイ & ビデオ 360 に送信して見込み客と似ている類似オーディエンスを作成できます。このリストに対してカスタマイズした広告を表示することで、新しいビジネスの成長を目指すことができます。
- アンケート。Google サーベイ 360 を使用すると、オーディエンスに直接質問することができるため、ユーザーとエンゲージした後に定性情報をユーザーから得ることができます。たとえば、顧客にブランドやカテゴリについてどう感じているかを尋ねることで、実体験に基づく貴重なインサイトを得ることができます。
- Google Cloud によるさらに詳細な分析。Sales Cloud とアナリティクス 360 のインテグレーションによって、ユーザーは Google Cloud を活用することもできます。すべてのアナリティクス 360 データは、インポートした Sales Cloud データも含め、Google Cloud の BigQuery に直接送信できます。BigQuery は、分析のための拡張性やコスト効果が高く高速で完全に管理されたクラウドデータウェアハウスで、機械学習機能も備えています。詳細はこちら。
このように、Salesforce Sales Cloud、アナリティクス 360、Google マーケティングプラットフォームの機能をフル活用することによって、顧客に卓越したエクスペリエンスを提供し、ビジネスを成長させることができます。