Einstein プラットフォームの使用
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Einstein プラットフォームでシステム管理者や開発者が独自のスマートアシスタントをどのように構築できるかを説明する。
- 各 Einstein プラットフォーム商品を挙げる。
独自のスマートアシスタントの構築
前の単元で学習したように、Einstein の標準機能は、すべての Salesforce クラウドで利用できます。ただし、企業が固有の方法で顧客とやり取りできるように、Salesforce システム管理者や開発者が Salesforce インスタンスをカスタマイズしていることは誰でも知っています。Salesforce のカスタマイズには多くの方法が用意されていますが、Salesforce Einstein のカスタマイズについてはどうでしょうか?
Einstein プラットフォームでは、すべてのシステム管理者や開発者が独自の AI 搭載アシスタントを広範なユースケースに合わせて構築できます。ポイント & クリック操作とプログラム機能を使用して、Salesforce にあるオブジェクトに関する予測を行うアプリケーションを作成できます。
すべての Einstein プラットフォーム商品には、最初の単元で説明したスマートアシスタントコンポーネントが 1 つ以上含まれています。以降では、独自のスマートアシスタントを構築できるプラットフォーム商品について説明します。
Einstein ボット
Einstein ボットでは、チャット、メッセージング、音声など、顧客のお気に入りのチャネルにスマートアシスタントを構築できます。Einstein ボットは自然言語処理 (NLP) を使用して一般的な質問に回答したり、適切な情報を収集したりして顧客に即座にヘルプを提供し、質問やケースが複雑な場合はエージェントに会話をシームレスに引き継ぎます。
ある E コマース企業では、サービスチームが複数の異なるチャネルから大量の問い合わせを受けています。Einstein ボットを使用すると、ビジネス用のチャットボットを作成して、顧客からの特定のよくある質問 (パスワードの更新や注文状況の更新など) にすぐに答えることができます。これにより、サービスエージェントは複雑で微妙なケースに取り組む時間を増やすことができ、顧客はすばやく答えを得て時間を節約できます。その時点で Einstein ボットに答えがなければ、顧客のチャットウィンドウには直ちにブランド設定された歓迎の挨拶が表示されて、適切なエージェントにすぐ転送されます。顧客は瞬間的でモバイルな Web 主導の世界で生活しているため、1 対 1 のサービスが即座に提供されることを期待しています。速やかに応答を得られなければ、ブランドのことをあまり考えなくなります。Einstein ボットはこのストレスをなくします。
Einstein 予測ビルダー
Einstein 予測ビルダーは、シンプルなポイント & クリック操作のウィザードで、暗号化されていない Salesforce データに関するカスタム予測をすばやく作成できます。営業、サービス、マーケティング、コマース、IT、財務、さらに人事まで企業のどの部門に対しても、コードではなくクリック操作で予測を作成できます。
予測ビルダーをビジネスにどう適用するかを理解するには、どのオブジェクトと項目について予測したいか自問してください。
- 「はい/いいえ」で答える質問への回答を予測する必要があるか? (バイナリ分類)
- この郵便番号は自分のビジネスにとってよい商談か?
- この顧客は離反するか?
- 新しい従業員に特定の種類のトレーニングが必要か?
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フライトは時間どおりに到着するか?
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顧客の支払は遅れるか?
- 金額を予測する必要があるか? (リグレッション — ベータ)
- この家をどれくらいの価格で販売できるか?
小売店に商品を卸している消費財企業で、最近、一部の店舗が商品の仕入れを打ち切るという大きな問題が起きています。そのため、小売店が離反するかどうかの予測をサービス担当に提供する必要があります。予測ビルダーを使用すると、どのオブジェクト (この場合は「小売店」) に対してどの項目 (この場合は「離反」) の予測を行うかを選択できます。次に、「小売店」向けの品目すべてと、小売店が離反しているかどうかどうか、さらに小売店に関する他の特性のすべてを含むデータセットを用意すると、AutoML がバックエンドで処理を行います。
最後に、予測ビルダーが、顧客が離反するかどうかの確率 ([離反] 項目が空白の顧客すべてが対象) と、予測に関する最も肯定的および否定的な特性を提供します。
サービス担当は、この貴重な情報を入手でき、どの顧客とエンゲージすればよいかを把握し、さらに離反を防止するにはどうエンゲージすればよいかをより深く理解できるようになりました。最終的に、これが商談の不成立の減少や、ビジネスの収益増加につながります。
Einstein Next Best Action
Einstein Next Best Action (NBA) では、ルールベースの予測モデルを使用して、企業のユーザーにインテリジェントでコンテキストに沿ったおすすめとオファーを提供できます。アクションは、最大の影響がある瞬間に提供され、Salesforce 内に直接インサイトが表示されます。
再び同じシナリオを使用しましょう。企業は顧客離反に苦労しており、サービス担当向けに、どの顧客が他の顧客と比べて離反しそうかを示す予測モデルをすでに作成しています。では、顧客が離反しないように提案する適切なおすすめをサービス担当に提供できるとしたらどうでしょうか?
次善アクションを使用すると、予測と結果に基づいてルールまたは提案を作成し、顧客に推奨できる最適なおすすめをサービス担当に提供できます。たとえば、離反の可能性が 80% 以上の顧客に対し、2 年間の契約延長で 10% 値引きを推奨する提案を作成したとします。サービス担当がそのカテゴリに当てはまる顧客の予測を見つけると、Lightning コンソールで直接、それらの顧客をフォローアップし、10% 値引きを送信することが推奨され、そのアクションを即座にすべて Salesforce 内から実行できます。
このように、すべてのビジネスについてさまざまなシナリオに対応する多種多様なフォローアップ戦略の組み合わせを作成することで、Salesforce で提案がユーザーに直接、自動的に表示され、日々の作業から当て推量をなくすことができます。
Einstein Discovery
Einstein 予測ビルダーと同様、Einstein Discovery でも、独自のデータサイエンティストを必要とせずに成果を予測できます。
予測ビルダーの顧客離反の問題に戻りましょう。ある消費財企業には何人かのアナリストがいて、さまざまなチームと協力して業務を最適化しています。この企業では、厳格なデータ要件で収集した多くのデータが Salesforce 内に保管されています。Salesforce インスタンスには、顧客離反を予測するのに役立つ重要な項目があります。サービス担当は、Lightning サービスコンソールで予測ビルダーから予測を受信していますが、いくつかの顧客が離反の危機にあることに気付き始めました。予測ビルダーには概要レベルの理由がいくつか表示されますが、サービス担当は問題の根底を知る必要があります。
Einstein Discovery を使用すると、暗号化の有無に関係なく、誰もが会社のすべてのデータに対して関連するパターンを詳細に把握して顧客離反に関する予測ができます。また、予測モデルに投入するデータを詳細にコントロールして、より深い予測とインサイトを得ることもできます。
たとえば、Einstein 予測ビルダーではサービス担当に、最後の購入が 3 か月前なので顧客が離反しそうだと示します。さらに、その店舗が商品に高い需要のある地域ではないことも理由となります。そのインサイトを使用して、サービス担当はどう対応すればよいのでしょうか? どのインサイトが他のインサイトより重要なのでしょうか? Einstein Discovery はそれに答えることができます。特定の小売地域にある消費者の需要がより重要であると告げられたらどうでしょうか? そのインサイトを使用して、サービスチームは営業、マーケティング、および商品チームと協力し、その地域の需要を満たす商品を設計したり、それらの地域でのマーケティングを強化して商品の認知度を高めたりできます。
Einstein と生成 AI
Salesforce Einstein の最新イノベーションは Einstein の生成 AI です。生成 AI の台頭により、インターネットが登場して以来、ビジネスにおける最も重要なテクノロジーの変化の 1 つに拍車がかかりました。ChatGPT などの生成 AI により、組織と顧客がやり取りする方法が一変し、よりパーソナライズされ、コラボレーションしやすく、対話形式でつながることができるようになります。
Einstein では、CRM データに大規模な言語モデル (LLM) を安全かつ安心できる方法で基盤として組み込むことで、企業はパーソナライズされた関連性の高いコンテンツを生成できます。
また、信頼できるインフラストラクチャプラットフォームである Hyperforce 上に構築されているため、クラス最高のセキュリティガードレールでデータプライバシーとコンプライアンスに関する懸念事項に対応できます。さらに、Einstein GPT では、Data Cloud への事前構築された接続を使用して高度に顧客が認識され、毎日発生する何十億もの顧客イベントに関するリアルタイムのインサイトも提供されます。つまり、メール、レポート、ナレッジ記事、コードの一部に関わらず、生成されるコンテンツの 1 つ 1 つが、顧客に極めて関連性が高いものになるということです。
Einstein と生成 AI の使用を開始するには、モデル (専用の Salesforce モデルや、OpenAI や Anthropic のようなパートナーが提供する公開モデルなど) のオープンで拡張可能なエコシステムから選択することも、独自のモデルを活用することもできます。機密データが公開モデルで保持されないようにするため、Salesforce の保持期間のないアーキテクチャによって、顧客データが Salesforce の外部に保存されないように規定されています。これにより、顧客データが Salesforce の信頼境界内で安全かつ責任を持って使用されているという安心感が得られます。
Einstein と生成 AI を使用することで、会話インテリジェンスによってよりカスタマイズされたエクスペリエンスが作成され、商談をより迅速に成立させたり、サービスに関する問い合わせを短時間で解決したり、顧客関係を改善したり、最終的には収益を増加したりすることができます。たとえば、営業担当がある取引先対してメールを作成しようとする場合、Einstein は、取引先の主連絡先、メールの例、最新ニュース、その顧客との最後のやり取りなど、関連するコンテキストを取り込むのに役立ちます。また、CRM データを使用すると、Einstein で関連性の高いオファーやプロモーションを自動的に埋め込んで、商談の成立に役立てることもできます。その結果、安全な方法で顧客データに基づき、一人一人に合ったオファーを提供するパーソナライズされたメールにすることができます。メールが生成されても、この非公開の顧客データはモデルでは一切保持されず、営業担当はメールを送信する前に常に確認することができます。
Einstein を始める準備は整いましたか?
ここまで、Einstein によって実現される内容を見てきました。引き続き次の [リソース] セクションで、関心のあるトピックを確認してください。
リソース
著作権
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