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NPSP レポートの検索、形式設定、カスタマイズ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • NPSP に付属する標準レポートを挙げる。
  • Salesforce レポートがどのように整理されているか説明する。
  • NPSP の標準レポートを実行する。
  • NPSP レポートを見つけてカスタマイズする。

データの力

No More Homelessness (NMH) のスタッフは、Salesforce で収集してきたデータから知識が得られることに感動しています。団体のプログラムや活動資金集めの取り組みについて山ほど質問があり、何が機能し、何が機能していないかに対するインサイトを切望しています。Nonprofit Success Pack (NPSP) のレポートとダッシュボードを使用すれば、データを比較、評価、分析、分類して、次のような質問に答えることができます。 

  • 今年の活動資金集めキャンペーンのうち、収益が最大であったものはどれか?
  • NMH の上位の寄付者や支援候補者は誰か?
  • NMH のプログラムの各フェーズに通常どのくらいの期間を要するか?
  • NMH のクライアントの何人がプログラムの成果または目標に達したか?
  • NMH の各プログラムが、団体の活動目的の達成にどのくらい貢献しているか?

質の高いデータを収集してメンテナンスしていれば (団体の成功に不可欠であることは学習済みです)、極めて多くの重要な質問に答えることができます。かつてはチームが数日かけてこうした質問の答えを調べていましたが、データがすべてデジタル化され、Salesforce に一元化された現在では、レポートを使用してすばやく答えを見つけることができます。NMH がどのように実践しているのか確認するために、NMH の開発チームが NPSP のレポート機能を使用して、活動資金集めの進行状況や取り組みを評価するところを一緒に見ていきましょう。その前に、Salesforce でレポートがどのように整理されているのかを確認するために、NMH のプログラムチームによるレポートページのクイックツアーを見ておきましょう。  

[レポート] ページのツアー

NMH のプログラムマネージャーである Anthony Hall は、フードパントリーの洗面キットの在庫調達評価を担当しています。Anthony の目的は、NMH がクライアントの実際的なニーズに基づいて購入依頼や支援依頼に責任もって対応できるようにすることです。各種の洗面キットの需要が予期せず変化することがあるため、容易い作業ではありませんが、Anthony は自身の分析に適切な情報をもたらすレポートを見つけることができると考えています。

Anthony が自身のアカウントにサインインし、アプリケーションランチャー (アプリケーションランチャーアイコン。) で、NMH の Market & Pantry (マーケット & パントリー) カスタムアプリケーションに移動します。ナビゲーションバーの [レポート] をクリックすると、自動的に [最近] レポート (1) ページが表示されます。このビューでは、各行が個々のレポートを表します。Anthony には [レポート名]、[フォルダー]、[説明] と、その他のいくつかの列が表示されますが、これらはシステム管理者がカスタマイズ可能なため、実際の画面が多少異なっていることがあります。どの列も、ヘッダー (2) をクリックして並び替えることができます。

探しているレポートがある場合は、該当するレポート名 (3) をクリックして、そのレポートに移動できます。行のドロップダウン矢印 (4) を使用して、レポートに実行可能な複数のアクションにすばやくアクセスすることもできます。権限に応じて、編集、実行、エクスポート、削除などが可能です。レポートを別のフォルダーに移動することもできます。このページの左側には [レポート]、[フォルダー]、[お気に入り] (5) というヘッダーのあるセクションがあり、各ヘッダーの下位にレポートのさまざまなアクセスオプションや整理オプションがまとめられています。 

[レポート] ページ

[Current Inventory Levels (現在の在庫レベル)] というレポートが Anthony の求めているものと思われるため、クリックして開きます。適切なレポートを見つけることができました! ここで一旦 Anthony から離れますが、後でまた Anthony が NPSP のレポート機能を使って、新しいレポートを作成する方法を確認します。ここからは、NMH の開発チームが NPSP に標準装備されているレポート機能を使用して、活動資金集めに関する上位の質問の答えを見つける方法を見ていきます。 

NPSP レポート

Salesforce レポートおよびダッシュボードには関係者や活動資金集めに関する 60 種以上のレポートテンプレートが付属しているため、NMH の開発チームはこのテンプレートを利用して、非営利団体にとってごく一般的な活動資金集めに関するレポート作成のニーズに対応することができます。そして、団体がどのような状況にあり、成果を高めるためにはどこに投資すればよいかに対する理解を深めるために必要な情報も示すことができます。では、NMH の開発担当者である Sofia Rivera が、NPSP に保存されているレポートを検索するところを一緒に見ていきましょう。 

NPSP で保存済みのレポートを見つけるために、Sophia はグローバル検索を使用するか、[レポート] タブをクリックします。レポートの名前がわかっている場合は、メニューから [レポート] を選択し、グローバル検索ボックスにそのレポート名を入力します。

グローバル検索に「LYBUNT」と入力され、最近アクセスした「Last Year But Unfortunately Not This (昨年は該当したが、今年は非該当)」の活動資金集めレポートのリストが表示されています。レポート名がわからない場合やレポートを新規作成する場合は、[レポート] タブをクリックします。([レポート] タブが表示されていない場合は、左側のアプリケーションランチャーに移動して、検索バーに「レポート」と入力し、このビューを見つけて選択します)。

ナビゲーションバーの [レポート] タブと、NPSP レポートが格納されている [すべてのフォルダー] セクション

Sofia は続いて [すべてのフォルダー] をクリックし、NPSP レポートのフォルダーを表示します。[NPSP Constituent Reports (NPSP 賛助者レポート)] フォルダーには、取引先責任者、団体、会員のレポートが格納されています。[NPSP Fundraising (NPSP 活動資金集め)] フォルダーには、支援、助成金、キャンペーン ROI、一般会計単位の割り当て、期待収益などの把握に役立つ各種のレポートが格納されています。

Sofia はこれらのレポートをそのまま使用できますが、レポートに関する NMH 独自のニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。 

NPSP の標準レポートの実行

NMH の優れた開発担当者である Sofia の幅広い職務の 1 つが、活動資金集めの進行状況に関する最新情報をチームが把握できるようにすることです。多くの非営利団体と同様、NMH も収入のかなりの部分を個人や家族からの支援に頼っています。NMH にはメールやダイレクトメールといったさまざまな手段を用いて支援を呼びかけることができる信頼のおける支援者が一定数存在します。NMH の事務局長を務める Kim Friedman は日頃から、新しい支援者を開拓するより、既存の支援者を維持するほうがはるかに簡単であるとスタッフに言い続けています。けれども、年度末が近づいたところで、個人や世帯の支援による収益が予算をやや下回っていることに気が付きました。この事態を解明するために、昨年支援してくれたけれども、今年まだ支援が届いていない世帯取引先に関するレポートをまとめるよう Sofia に依頼しました。

Sofia と一緒に、レポートを作成する手順を実行しましょう。

  1. [レポート] タブを開きます。[すべてのフォルダー] をクリックします。[NPSP Fundraising Reports (NPSP 活動資金集めレポート)] フォルダーをクリックして、NPSP の標準レポートの中に役立ちそうなものがないか調べます。[レポート] タブの [すべてのフォルダー] セクションにある [NPSP Fundraising Reports (NPSP 活動資金集めレポート)]
  2. 昨年は該当したが、今年は非該当の取引先を記載した [Account LYBUNT (LYBUNT 取引先)] というレポートが役に立ちそうです。[Account LYBUNT (LYBUNT 取引先)] というタイトルをクリックして、このレポートを開きます。
  3. [Edit (編集)][Filters (検索条件)] の順にクリックして、レポートの検索条件を再確認します。検索条件から、[昨年の支援総額] が 0 より大きく (つまり、去年は支援している)、かつ [今年の支援総額] が 0 より小さい (つまり、今年は支援していない) すべての取引先が表示されていることがわかります。

    レポートの検索条件オプション

これはまさに Sofia が必要としている情報です!

Sofia は [別名で保存] をクリックして、このレポートに新しい名前を付けて保存してから、リンクを事務局長と開発担当ディレクターに送信します。チームは一丸となって、LYBUNT レポートにリストされている支援者に支援を呼びかける特別キャンペーンを実施することにしました。このレポートに戻り、支援額に応じて支援者をセグメント化し、支援者のレベルごとにエンゲージメント戦略を考案します。

NPSP レポートのカスタマイズ

組織で何か知りたいことがある場合に、その答えを見つける出発点として NPSP レポートを使用することもできます。

たとえば、NMH には時間と資金の両面で支援してくれる中心的なサポーターグループが存在し、NMH は協力を惜しまないこの特別な支援ボランティアに感謝の念を伝えたいと思っているとします。NMH が NPSP とは異なる Volunteers for Salesforce (V4S) というアプリケーションを使用して、内部でボランティアを追跡していることを Sofia は知っています。V4S には各ボランティアが費やした活動時間数を追跡するカスタム項目があるため、標準の NPSP レポートでこの項目を検索条件として使用すれば、時間と資金の両面で支援してくれた取引先責任者の人数を確認することができます。

では、Sofia と一緒に、この依頼に取り組む手順を実行しましょう。

  1. [レポート] タブを開き、[すべてのフォルダー] をクリックして、[NPSP Fundraising Reports (NPSP 活動資金集めレポート)] フォルダーをクリックします。
  2. [Contacts with Giving Totals (支援総額のある取引先責任者)] レポートが Sofia の求めている内容に近いと思われるため、このレポートを土台にすることにします。

    [Contacts with Giving Totals (支援総額のある取引先責任者)] レポート
  3. [編集][検索条件] の順にクリックし、検索条件を確認します。このレポートは「Total Gifts greater than $0.00 (支援総額が 0 ドルより多い)」を基準に絞り込まれているため、Sofia は NMH の支援者全員を把握できます。

    レポート検索条件として追加された「Volunteer Hours」(ボランティア時間)
  4. 「Volunteer Hours greater than 0 (ボランティア時間数が 0 より多い)」という検索条件を追加してレポートをカスタマイズし、支援者とボランティアの両方に該当するすべての取引先責任者を確認します。[Outline (アウトライン)] タブを使用して、この列をレポートに追加します。(Salesforce 組織や Trailhead Playground に V4S がインストールされていない場合は、[ボランティア時間] 項目が表示されません。)

    [アウトライン] に追加された「Volunteer Hours」(ボランティア時間)

  5. レポートを実行して確認します。

    [アウトライン] に追加された「Volunteer Hours (ボランティア時間)」
  6. [Save As (別名で保存)] ボタンを使用して、新しい Donor and Volunteer (支援者とボランティア) レポートを [Private Reports (非公開レポート)] フォルダーに保存します。

    レポートを新しいフォルダーに保存

Sofia は最小限の作業で NPSP の既存のレポートに手を加え、必要とする具体的な答えを得ることができます。

前述のとおり、NPSP には活動資金集めや関係者に関する 60 種以上のレポートが付属しています。このレポートは、一定の質問に対する答えをデータから早急に見出すことを目的としていますが、すべての質問に答えられるわけではありません。既存のレポートを使用できない場合や、標準レポートをカスタマイズできない場合は、新しいレポートを作成できます。次は、NMH のプログラムチームに戻り、レポートビルダーを使用して新しいレポートを作成する方法を確認します。 

リソース

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