データのインポートと接続を管理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Financial Services Cloud で分散した顧客データを一元化するインテグレーションオプションを挙げる。
- そうしたツールを連携させて、Financial Services Cloud を Salesforce 外の情報に結び付ける方法を要約する。
事前構築済みのインテグレーションでデータを活用できるようにする
このモジュールの先行の単元では、クライアント、その財務状況、口座、日常業務などに関する重要な情報を取得するデータモデルについて学習しました。ここでは、データのインテグレーションを通して、こうしたデータモデルをほかのシステムと連携させる方法を見ていきます。
Financial Services Cloud は多数のデータインテグレーションオプションと連携するため、ビジネスチームと IT チームの両方がそうしたオプションを利用して目標達成を促進できます。
インテグレーションオプションは、ほかのシステムのデータを 1 つのプラットフォームに集約して、お客様の全体像を把握できるようにします。たとえば、インテグレーションによって勘定系システムのリアルタイムのデータを取得して、金融口座や金融口座取引などのオブジェクトに入力したり、既存のデータを更新したりすることができるため、常にお客様の極めて正確な財務状況を把握できます。
これはどう機能するのでしょうか? 次の図は、データインテグレーションツールの連携により、金融機関でクライアントのニーズの把握、金融口座の開設、カスタマーサービスの実施、クライアントの財務状況の調査が促進されることを示しています。

ここではさまざまなことが進行しています。では、この図の番号が付いた主なインテグレーションツールに絞って見ていきましょう。
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データ消費フレームワーク (1): 大量のデータのインテグレーションを調整して拡張します。
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Integration Procedure とインテグレーション定義 (2): ノーコードまたはローコードのツールを使用して、1 回のコールで各種のシステムからデータを取得します。
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Financial Services Cloud のインテグレーション API (3): 事前構築された業界標準のエンドポイントを使用して、インテグレーションを加速します。
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Data 360 (4): 分散したデータソースを一元化して、ユーザーがアクセスできるようにします。
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MuleSoft Direct for Financial Services Cloud (5): 管理者が Financial Services Cloud を勘定系システムなどの外部システムに接続する場合に役立ちます。
この単元では、こうしたデータインテグレーションの各ツールについて説明し、そのツールを使用して Financial Services Cloud の特定用途のデータモデルを金融機関のほかのシステムのデータに結び付ける方法を学習します。
データ消費フレームワークの概要
Financial Services Cloud を別のシステムと統合する場合、データ消費フレームワークをその出発点にすることができます。
データ消費フレームワークは、担当者が Salesforce を離れることなく、ほかのシステムの最新情報にアクセスできるようにするツールです。Salesforce のほかのデータ製品と連携するため、包括的なデータにアクセスして、システム間に分散している情報を活用できるようになります。つまり、スケーラブルにデータを統合する手段で、リアルタイムのパフォーマンスが向上します。
統合オンボーディング時のリスク調査やスクリーニングといったプロセスに、サードパーティプロバイダーとのインテグレーションを簡単に設定できます。また、サービスプロセスの自動化などのツールで、外部の勘定系システムに対する高パフォーマンスの API コールも可能になります。
どのようにして行うのでしょうか? 外部サービスや Apex ベースのインテグレーションのほか、MuleSoft やサードパーティインテグレーションを使用するように設定できます。コードなしで定義できる Apex クラスが組み込まれています。更に、Lightning Web コンポーネント、フロー、Omnistudio Flexcard、Omniscript を使用した非同期 API コールアウトにより、遅延を防止できます。インテグレーションオーケストレーションツールも、ビジネスルールエンジンによる高度な意思決定により、インテグレーションプランの生成に役立ちます。
たとえば、チームに金融口座取引に関する最新の詳細情報が即時に必要であるとします。データ消費フレームワーク、MuleSoft インテグレーション、Flexcard コンポーネントを使用すれば、外部の勘定系システムの口座、金融口座、取引の詳細をリアルタイムでユーザーに表示できます。
詳細は、Salesforce ヘルプにある Financial Service Cloud ドキュメントの「データ消費フレームワーク」を参照してください。
Integration Procedure とインテグレーション定義を使用して構築する
Integration Procedure とインテグレーション定義を使用すれば、内外のシステムとのシームレスな接続や自動化が可能になり、データ消費フレームワークとシームレスに連携します。
Omnistudio ツールスイートの一部である Integration Procedure は、データを取得して保存し、操作することができます。このツールは特に、ユーザーの手を煩わせることなく、サードパーティのソースのデータにアクセスして変換したい場合に役立ちます。Integration Procedure は 1 回のサーバーコールで複数のアクションを実行できるため、効率性も向上します。
Integration Procedure を使用して、外部サービスとデータを送受信する方法を指定するインテグレーション定義内の入出力を処理します。つまり、外部エンドポイントに迅速かつ効率的につながるためのフレームワークです。インテグレーション定義は、Salesforce フロー内の呼び出し可能なアクションから、または Omnistudio Omniscript や Flexcard 内の Integration Procedure からコールできます。
たとえば、Financial Services Cloud のオンラインレンディング製品では、ローン組成プロセス全体で、インテグレーション定義と Integration Procedure を使用して外部サービスプロバイダーからデータを取得します。こうしたツールは、銀行口座の検証、雇用時の身元確認、マネーロンダリングのリスク対策のスクリーニングなどに役立ちます。Integration Procedure に関心がある方は、Trailhead の「Omnistudio Integration Procedure の基本事項」を受講してください。
Financial Services Cloud のインテグレーション API を確認する
こうしたインテグレーションの多くの基盤になっているのが Financial Services Cloud のインテグレーション API で、これはインテグレーションプロジェクトを大幅に加速するオープン API です。
この API は、金融サービス業界のインテグレーションを改善するために設計された標準化フレームワークである Banking Industry Architecture Network (BIAN) モデルに準拠しています。インテグレーション API は Financial Services Cloud に付属するため、独自に構築、維持、操作する必要がなく、時間とコストを節約できます。
機能別のエンドポイントの詳細とリストについては、Salesforce 開発者の「Financial Services Cloud Integrations API (Financial Services Cloud のインテグレーション API)」を参照してください。
Data 360 でデータを一元化する
データを統合するだけでなく、真の意味で一元化したい場合は、Financial Services Cloud に Data 360 を追加します。
Salesforce Data 360 は、ストリーミングデータやバッチデータを取り込んでハーモナイズして分析します。組織が、Customer 360 アプリケーションに留まらず、有意義でインテリジェントなエクスペリエンスを実現したい場合は Data 360 が役立ちます。
Financial Services Cloud では、Data 360 がクライアントデータを結び付けて統合し、クライアントの一元的なビューを示します。Data 360 は中央ハブとして機能し、分散しているシステムやソースに接続してそのデータを取り込みます。インタラクションデータ、行動データ、取引データを収集して結合するため、ユーザーがクライアントの 360 度ビューを見て、その的確なニーズを把握できます。
更に、Data 360 によって Agentforce や Einstein などの高度な機能が強化されるため、金融サービスのライフサイクルを通して AI ドリブンのインサイトの取得や自動化が可能になります。
詳細は、Salesforce ヘルプの「Data 360 for Financial Services Cloud (Financial Services Cloud の Data 360)」を参照してください。
MuleSoft Direct for Financial Services Cloud を使用して接続する
MuleSoft Direct for Financial Services Cloud は Financial Services Cloud を勘定系システムやその他の外部システムに統合して、Data 360 と Salesforce にデータを配信します。Financial Services Cloud のこのアドオンがあれば、金融機関の管理者や開発者がビジネスクリティカルな業務向けに事前構築されたソリューションを利用して、迅速にソリューションを実現できます。
また、リアルタイムのデータやインサイトにアクセスできるようになるため、サービス担当やエージェントのパフォーマンスが向上します。たとえば、データ消費フレームワークと連携して、外部の勘定系システムからリアルタイムの金融口座の詳細や取引をユーザーに提示することができます。
方法 MuleSoft Direct があれば、MuleSoft プラットフォーム上に構築されたノーコードまたはローコードの接続を利用して、外部システムと連携させることができます。Salesforce システム管理者はわずか数回のクリック操作で、MuleSoft Accelerator とのインテグレーションを設定して、システム間のデータ交換を効率化できます。開発者がこのインテグレーションをカスタマイズし、特定のビジネス要件に合わせてエクスペリエンスを調整することも可能です。
「Deep Dive: MuleSoft Direct for Financial Services Cloud」で、このソリューションのデモをご覧いただけます (サインアップが必要)。
まとめ
このモジュールでは、Financial Services Cloud に、クライアントの財務状況やニーズのほか、日常業務を把握して表示する堅牢なデータモデルが用意されていることを学習しました。
金融商品、取引、資産を追跡する金融口座データモデルについて検討し、金融取引管理、支店管理、保険、オンラインレンディングなど各種のビジネス分野に特化したデータモデルも検証しました。また、クライアントのオンボーディング、情報収集、同意管理、リレーションの追跡、カスタマーサービスなどの日常業務が、補助的なデータモデルによってどのように促進されるかも確認しました。
この最後の単元では、データ消費フレームワーク、Integration Procedure とインテグレーション定義、Financial Services Cloud のインテグレーション API、Data 360、MuleSoft Direct for Financial Services Cloud など、Financial Services Cloud 内のデータインテグレーションオプションについても認識することができました。こうしたツールによって外部システムとのシームレスなデータ交換が促進され、情報へのリアルタイムのアクセスが可能になり、高度な機能が強化されることがわかりました。
ここで学んだ内容を基に、組織の時間の節約、顧客満足度の向上、収益の拡大に役立つデータモデルやインテグレーションに対する理解を深めていくことができます。データモデルの実践演習に取り組む場合は、Financial Services Cloud トライアル組織にサインアップして、データモデルを実際に操作してみてください。
リソース
- Salesforce ヘルプ: データ消費フレームワーク
- MuleSoft ドキュメント: Salesforce Financial Services Cloud セットアップガイド
- Salesforce 開発者: Financial Services Cloud Integrations API (Financial Services Cloud のインテグレーション API)
- Salesforce ヘルプ: Data 360 for Financial Services Cloud (Financial Services Cloud の Data 360)
- Salesforce ヘルプ: Financial Services Cloud のデータモデル
- Salesforce 開発者: Financial Services Cloud 開発者ガイド
- Salesforce 開発者: Financial Services Cloud トライアル組織の作成と探索