オブジェクトリレーションの作成
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- グループについて説明する。
- 個人とそのグループを表示する。
- グループを作成してメンバーを追加する。
- グループをカスタマイズする。
グループとは?
グループとは、投資への関心を共有する一連の人々です。グループの各メンバーの金融口座は積み上げ集計されます。そして、集計されたファイナンスがまとめて表示および管理されます。
世帯とは、配偶者や扶養児童など、世帯のメンバーを管理するカスタムグループレコードタイプで、Financial Services Cloud に付属します。グループメンバーを、グループ内の人々のほか、外部の取引先責任者にも結び付けることができます。たとえば、Rachel Adams をその弁護士に結び付けることができます。
現実の世帯と同様、グループも柔軟性があり、必要に応じてカスタマイズできます。四半期ごとに請求する顧客のグループや毎月請求するグループといったグループを作成できます。
次の動画は、グループを視覚的に説明しています。
世帯グループの例
私たちのお気に入りのクライアントである Rachel Adams の世帯を見てみましょう。Rachel Adams も、私たちの多くと同様、2 つの世帯に属しています。
- Rachel が配偶者の Nigel Adams と暮らす Adams 世帯。Rachel はクライアントであるため、この世帯のプライマリメンバーとして表示されます。この世帯は Rachel のプライマリグループでもあります。
- Symonds 世帯。この世帯には Rachel の両親が属していますが、Rachel は両親のファイナンスも管理しています。この世帯の受取人とみなされています。
- さらに、Rachel の世帯には関連取引先に Adams Charitable Trust という信託があり、関連取引先責任者に Ivan M. Kohl という弁護士がいます。
Rachel のリレーションを確認しました。次は、そのプライマリ世帯である Adams 家を見てみましょう。
- アプリケーションランチャー () を開きます。
- [Wealth Management] を検索して選択します。
- [Accounts (取引先)] タブをクリックします。
- [すべての取引先] ビューに切り替えます。
- [Adams Household (Adams 世帯)] 取引先レコードをクリックします。
Rachel Adams のアカウントと同様、Adams 世帯にも詳細情報、金融口座、リレーション、ゴールがあります。これらの値は、世帯の各メンバーの数値を積み上げ集計したものです。この事例では、Rachel Adams とその配偶者の Nigel Adams のデータが合算されています。[金融口座] ビューには Rachel と Nigel の次の口座がすべてリストされます。
- 投資口座
- 証券取引口座
- 銀行口座
- 保険契約
- 資産と負債
グループの作成
Rachel Adams 世帯については、すべて設定済みです。ですので、先ほど作成した Vivian Torres というクライアントの新しい世帯を作成してみましょう。
- アプリケーションランチャー () を開きます。
- [Wealth Management] を検索して選択します。
- [Accounts (取引先)] タブで [+New Account (+ 新規取引先)] をクリックします。
- レコードタイプに [Household (世帯)] を選択して、[Next (次へ)] をクリックします。
- [Account Name (取引先名)] に
Vivian Torres Household
(Vivian Torres 世帯) と入力して、[Save (保存)] をクリックします。
これで Vivian Torres 世帯が作成されました。続いて、メンバーとリレーションを追加して完成させましょう。
- [Accounts (取引先)] タブをクリックします。
- [Vivian Torres Household (Vivian Torres 世帯)] を選択します。
- [Relationships (リレーション)] タブをクリックします。
- [Vivian Torres Household (Vivian Torres 世帯)] の下にある [+ Add Relationship (+ リレーションの追加)] をクリックします。
- Vivian Torres をクライアントおよびグループのプライマリメンバーとして追加します。
- この世帯を Vivian のプライマリグループとして設定し、[All (すべて)] を選択して、Vivian の口座と活動がまとめて積み上げ集計されるようにします。
- [Save (保存)] をクリックします。
これで基本的な世帯が設定されましたが、メンバーが 1 人しかいません。Vivian が独身で一人暮らしの場合はこれで終わりですが、Vivian は一人暮らしではありません。
新規メンバーのグループへの追加
Vivian は 10 代の妹の Lucy Torres と同居しています。ここで Lucy を Vivian Torres 世帯に追加してみましょう。
- Vivian Torres 世帯の [Accounts (取引先)] ビューで、[Relationships (リレーション)] をクリックします。
- [Vivian Torres Household (Vivian Torres 世帯)] の下にある [+ Add Relationship (+ リレーションの追加)] をクリックします。
- [Who are the Members of This Group (このグループのメンバーは?)] の下にある [+Add Row (行を追加)] をクリックします。
- [Search Accounts (取引先を検索)] 項目をクリックします。
- Lucy Torres は新しいクライアントであるため、[+ New Account (+ 新規取引先)] をクリックします。
- [New Account (新規取引先)] ウィンドウで、[Person Account (個人取引先)] を選択して [Next (次へ)] をクリックします。
- Lucy の名と姓を入力し、[Save (保存)] をクリックします。
- Vivian Torres 世帯の編集ページに戻って、Lucy のグループでのロールを [受取人] に設定し、このグループを [プライマリグループ] として設定します。
- [Save (保存)] をクリックします。
これで 2 人のメンバーがいる基本的な世帯グループができました。グループには必要に応じて何人でもメンバーを設定可能で、いつでも新しいメンバーを追加できます。
時として、同じ世帯で暮らしていない人々とのリレーションがグループに設定されている場合があります。たとえば、Vivian Torres の世帯には Ivan M. Kohl という名前の弁護士が設定されています。Vivian は Ivan のボディーガードです。Ivan は取引先責任者間リレーションによって Vivian Torres 世帯と結び付き、Vivian Torres とのリレーションを説明する相互ロールが設定されています。Ivan はクライアントで、Vivian はボディーガードです。
Financial Services Cloud には、弁護士/クライアント、会計士/クライアント、親/扶養家族、ビジネス/事業主といった相互ロールが用意されています。これらのロールでビジネス上のニーズに対応できない場合は、新しいロールを簡単に追加できます。
相互ロールを設定した取引先責任者間リレーションの作成
Vivian Torres の仕事は Ivan M. Kohl のボディーガードです。両者のリレーションはボディーガード/クライアントで、ここでは Vivian の視点からリレーションを作成します。
- Vivian Torres 世帯取引先ページで、[Relationships (リレーション)] タブをクリックします。
- [Related Contacts (関連取引先責任者)] コンポーネントで [+ Add Contact (+ 取引先責任者の追加)] をクリックします。[取引先責任者] 項目はすでに入力されています (Vivian Torres)。
- [Related Contact (関連取引先責任者)] をクリックして、[Ivan M Kohl] を選択します。
- [Related Role (関連ロール)] をクリックします。弁護士など標準のロールを選択する場合は、そのロールを選択して終了できます。ここではロールを作成するため、もう少しやらなければならないことがあります。
- [Related Role (関連ロール)] 項目で、[+ New Reciprocal Role (+ 新規相互ロール)] をクリックします。
- [Contact Role (取引先責任者の役割)] を選択して、[Next (次へ)] をクリックします。
- 適切な値を入力します。[Role (ロール)] は Client (クライアント) で、[Inverse Role (逆ロール)] は Bodyguard (ボディーガード) です。
- [Save (保存)] をクリックします。
これで Ivan M. Kohl が Vivian Torres の [リレーション] タブにクライアントとしてリストされます。Vivian Torres 世帯までスクロールダウンすると、[関連取引先責任者] に Ivan M. Kohl がリストされています。同様に、Ivan M. Kohl のアカウントを開いて [リレーション] をクリックすると、Vivian Torres がボディーガードとしてリストされています。
グループのカスタマイズ
個人取引先をカスタマイズしたように、グループもカスタムレコードタイプを設定してカスタマイズできます。カスタムレコードタイプを使用すると、グループのメンバーシップや積み上げ集計機能を維持したまま、どのデータをどのような方法で表示するかを制御できます。
Matt は忙しい日々を送っています。今日は、会計グループの作成を頼まれました。会計グループのメンバーは各自の世帯グループに属していますが、今後は会計グループにも属することになります。会計グループは表示するコンテキストや項目、形式が異なります。
どのように設定すればよいでしょうか?
最初に、会計グループを表すグループのレコードタイプを作成します。個人取引先のカスタムレコードタイプを作成したときと同じ手順に従います。
- | [Setup (設定)] | [Object Manager (オブジェクトマネージャー)] タブをクリックします。
- [Account (取引先)] をクリックし、[Record Types (レコードタイプ)] をクリックします。
- [New (新規)] をクリックします。
- [既存のレコードタイプからコピーする] 選択リストから [マスター] を選択します。
- [レコードタイプの表示ラベル] に
Accounting Group
と入力します。 - [レコードタイプ名] は「Accounting_Group」です。必要に応じて、簡単な説明を追加します。
- レコードタイプを有効にするために、[Active (有効化)] を選択します。
- [System Administrator (システム管理者)] プロファイルと [Advisor (アドバイザー)] プロファイルに対してこの変更を有効にします。
- [Next (次へ)] をクリックします。
- [Apply one layout to all profiles (1 つのレイアウトをすべてのプロファイルに適用する)] を選択します。
- ページレイアウトを選択します。この例では、選択リストから [Account (Household) Layout (取引先 (世帯) レイアウト)] を選択します。
- [Save (保存)] をクリックします。
次に、[グループレコードタイプの対応付け] で、[Accounting Group (会計グループ)] レコードタイプを対応付けます。
- をクリックして、[Setup (設定)] を選択します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
meta
(メタ) と入力し、[Custom Metadata Types (カスタムメタデータ型)] を選択します。 - [Group Record Type Mapper (グループレコードタイプの対応付け)] の横にある [Manage Records (レコードの管理)] をクリックします。
- [New (新規)] をクリックします。
- レコードタイプの対応付けに次の情報を入力します。
- カスタムレコードタイプの対応付けの表示ラベルに、
Accounting Group
(会計グループ) と入力します。 - [取引先レコードタイプ] に、
Accounting_Group
と入力します。
- [Save (保存)] をクリックします。
世帯を作成し、新しいメンバーを追加してカスタマイズしました。次は、これらの世帯を金融口座など Financial Services に特化したオブジェクトに結び付ける方法を見ていきましょう。
リソース
- Salesforce ヘルプ: [取引先] タブからの世帯の作成
- Salesforce ヘルプ: クライアントまたは世帯への拡張リレーションの追加
- Salesforce ヘルプ: Configure Custom Record Types for Groups (グループのカスタムレコードタイプの設定)