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Flow Builder の概要を知る

学習の目的 

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Flow Builder のビルディングブロックを定義する。
  • Flow Builder とプロセスビルダーを比較する。
  • 組織から Flow Builder にデータを取り込む方法を説明する。
  • Flow Builder の基本的なデータ要素について説明する。
  • 高速項目更新と、アクションと関連レコードの違いを説明する。

フローについて

まずは、データ要素やレコードを効率的に更新する方法など、Flow Builder の基本的な概念を紹介するアニメーション動画をお楽しみください。この単元の最後にあるテストでは、動画の内容について質問されます。質問に答えるのに必要な情報を得るために、必ず動画をご覧ください。 

Flow Builder

Flow Builder で構築する可能性が高いフローとして、画面フロー、レコードトリガーフロー、自動起動フローの 3 種類が挙げられます。次の動画は、この 3 種類の自動化について詳しく説明しています。

トランスクリプトを表示する

[ナレーター] フローへようこそ。Flow Builder ツールを使用すれば、Salesforce の強力な自動化であるフローを任意の標準またはカスタムオブジェクトに対してクリックだけで作成できます。フローでは、レコードの更新やメールの送信を行ったり、複雑なビジネスプロセスでユーザーに手順を案内したりできます。Flow Builder を開いたときにまず決定する必要があるのはフロー種別です。特に一般的なフローの種別は、画面フロー、レコードトリガーフロー、自動起動フローの 3 つです。

  • 画面フローについては、ユーザーの回答や既存のデータに基づいて変化する短いフォームやアンケートを想像してください。サポートケース完了後のお客様アンケートを例に取りましょう。アンケートの質問は解決時間やケースの複雑度に基づいて変更されることがあります。バックグラウンドでは、フローによってお客様にメールを送信したり、サポートエージェントにフォローアップ ToDo を割り当てたりすることができます。
  • レコードトリガーフローを使用するのは、データへの 1 つの変更が行われたときに別の更新やアクションを実行する場合です。たとえば、大規模商談が成立したときにチームの適切なメンバーにアラートを送信します。または、商談が作成されたときに自動的に営業チームにメールを送信します。
  • 自動起動フローは、特定のアクションが実行された場合に自動的にプロセスを開始するために使用します。たとえば、カスタマイズされたボタンのバックグラウンドでフローを使用して、ユーザーがそのボタンをクリックしたときに商談から期限切れの見積をすべて削除することができます。

これで一般的なフローの種別がわかったところで、Flow Builder の基本レイアウトを見ていきましょう。まずはツールボックスがあります。ここに入っている道具が要素です。要素には、ユーザーが情報を入力する画面のように対話的なもの、フローのパスを変更する決定要素のようにロジックに基づくもの、新規レコードの作成のようにデータに基づくものがあります。

次はキャンバスです。キャンバスは、ツールボックスから要素を追加してフローを作成する作業エリアです。キャンバスに要素を追加して要素間を接続すれば、フローの図が表示されます。キャンバスに加えて、[マネージャー] セクションがあります。これは、フローで作成した内容のリストで、使用した要素、変数、数式、選択リスト選択肢などが含まれます。変数などの要素については別の動画で詳しく説明しますのでご安心ください。

お疲れ様でした。これで、3 つの一般的なフローと Flow Builder のレイアウトについて理解できました。

Flow Builder を使用して自動化する理由

Flow Builder の何がそれほど特別なのでしょうか? どのようにして時間が節約されるのでしょうか? 山羊の放牧とどのような関係があるのでしょうか? よい質問です。Flow Builder があれば、開発者でなくても Salesforce で強力な自動化を作成できることを説明する次の動画をご覧ください。

トランスクリプトを表示する

[ナレーター] 端的に言うと、Salesforce の自動化によって組織が効率的に実行されるようになり、信頼性が向上します。項目の更新、選択リストの作成、メールの送信、エラーの修正などを自動化すれば、こうした操作がバックグラウンドで処理されます。一度自動化すると、クリックするごとに時間が節約されます。

Flow Builder はこれまでの自動化の中でも特に効率性と汎用性に優れたツールで、Salesforce の極めて広範にわたるプロセスを自動化できます。しかも、一度構築するだけです。あるスタッフが山羊飼いになりたいからと退職した場合、何をする必要がありますか? フローが構築されている場合、あなたが実行すべき作業はこのユーザーレコードを手動で無効にするだけです。後は Flow Builder が Slack 経由で HR チームにメッセージを送信し、IT マネージャーにメールを送り、条件を基にこのユーザーが所有するすべてのレコードを更新して他の IT システムに通信します。スタッフが退職した場合の手続きには正確性が求められ、遅滞なく処理する必要があります。自動化が可能な状況で手動のチェックリストに頼るのは賢明とは言えません。

Flow Builder はローコード/ノーコードと呼ばれる宣言型のツールです。Flow Builder があれば、開発者でなくても強力な自動化を作成できます。オブジェクト、レコード、項目がどのようにやり取りするのかわかっているのであれば、フローについてすでに半分以上理解していることになります。ローコード/ノーコードの自動化は、メンテナンスやサポートの実施も極めて簡単です。あなた自身が山羊飼いになりたくて仕事を辞めても、後任者が Trailhead などの既存のリソースを使用して、Flow Builder のスキルを習得できます。

要点をまとめると、Flow Builder は Salesforce の自動化の中でも最も汎用性が高いツールです。Flow Builder により、コミュニケーションやデータの更新が自動化されます。Flow Builder は宣言型ツールです。スタッフが山羊飼いのハウツー動画を頻繁に見るようになったら注意が必要です。また、自動化を作成したら、いつものごとく、まず Sandbox 組織でテストします。

Flow Builder vsプロセスビルダー

レコードトリガーフローでは、プロセスビルダーで構築されたレコード変更プロセスよりも 10 倍の速さで Salesforce レコードを更新できます。Flow Builder のほうが効率的であるだけでなく、より多くの機能を備えています。Flow Builder のほうがプロセスビルダーよりもはるかに強力であることを示す次の動画をご覧ください。 

トランスクリプトを表示する

[ナレーター] モノクロ映画からカラー映画に進化しました。馬や馬車が自動車に取って代わられました。リール式のレコーダーが VHS テープになり、スプレッドシートが Salesforce になりました。何が言いたいのかもうおわかりでしょう。これまでの経験から言って、最新テクノロジーのメリットを一度実感すると、以前のやり方には戻れなくなります。プロセスビルダーから Flow Builder に移行する場合も同じです。Flow Builder では、ワークフロールールのすべての操作を実行できるほか、独自の機能も備えています。

ここでは、Flow Builder とプロセスビルダーの主な違いを見ていきます。Flow Builder とプロセスビルダーのどちらでも、レコードの作成や更新、メールの送信、スケジュール済みアクションの実行を行うことができます。他方、Flow Builder ではさらに、レコードの削除、Salesforce レコードからのデータの使用 (レコードが関連付けられていない場合を含む)、Slack アクションのコール、複数回分岐するロジックパスの追跡、1 つのトリガーからの複数のフローの実行、有効にしていない自動化のデバッグやテストなども行うことができます。

フローのほうが強力なだけでなく、効率性やメンテナンス性も優れています。実際、レコードトリガーフローでは、プロセスビルダーで構築されたレコード変更プロセスよりも 10 倍の速さで Salesforce レコードを更新できます。フローのどのようなしくみによって、プロセスビルダーの自動化よりも 10 倍の速さで処理できるのかと疑問に思うかもしれません。次の例を詳しく見ていきましょう。レコードトリガーフローを作成して、高速項目更新を選択した場合、レコードが保存されるよりも前にフローが実行されます。他方、プロセスビルダーの場合は、レコードが保存されるまで待機した後で更新が実行され、その後レコードが再度保存されます。ご覧のとおり、Flow Builder のほうが停止回数が少ないため、目的地に早く到達します。自動化の効率性が高いほど、営業部門のパフォーマンスが向上します。

プロセスビルダーと Flow Builder の違いをまとめましょう。Flow Builder とプロセスビルダーは同じタスクも実行しますが、Flow Builder は Salesforce レコードのデータの使用など高度な機能を備えています。Flow Builder はプロセスビルダーよりも最大 10 倍の速度でレコードを更新できます。自動化を作成したら、いつものごとく、まず Sandbox 組織でテストします。つまり、Flow Builder という自動車に乗り込めば、プロセスビルダーという馬や馬車を追い抜くことになります。

[レコードを取得]

Flow Builder はデータについて何も知りません。空白のキャンバスです。そのため、Salesforce 組織からどのデータを取得すべきか Flow Builder に指示する必要があります。[レコードを取得] がクレーンゲームをプレーするようなものであることを説明している次の動画をご覧ください。 

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[ナレーター] フローはデータに接続されていないことを知っていましたか? フローは Salesforce 組織で何が行われているかを認識しません。では、フローにデータを取得するにはどうすればよいのでしょう? フローにデータを取得するデータ要素があれば良いのですが。あっ、ありました。

フローに情報を取得するには [レコードを取得] データ要素を使用します。[レコードを取得] を使用すれば、レコード取得元のオブジェクトを選択し、取得するレコードを決定する条件も設定できます。1 つまたは多くのレコードを取得して使用できます。レコード内で、すべての項目を取得するか必要な項目のみを選択することができます。

レコードがフローに取得されたら、その情報を使用する方法がいくつかあります。決定の基準としたり、フローに取得したレコードを更新したり、他のレコードを更新したりできます。その決定や更新などは一時的なもので、情報が Salesforce 組織に送信されるまではフロー内にのみ存在します。これは [レコードを作成]、[レコードを削除]、[レコードを更新] データ要素を使用して実行できます。[レコードを取得] はフローに情報を取得し、[レコードを作成]、[レコードを削除]、[レコードを更新] 要素はその情報を Salesforce 組織に戻します。

この考え方の実際の例を見てみましょう。ケースが作成され、自動的に割り当てられる画面フローが必要だとします。このフローの必須項目の 1 つはケースの割り当て先である [所有者] です。どのユーザーが新しいケースを所有するかをフローに指示する必要がありますが、フローは現在フローを実行しているユーザーにしかアクセスできません。そのデータをフローに取り込むには、[レコードを取得] 要素を使用して、ケースを所有するユーザーの ID を取得する必要があります。最後に、新しい情報を Salesforce 組織に転送するための [レコードを作成] 要素がフローに追加されます。新しいレコードであるケースが作成されて適切なユーザーに割り当てられます。

これで、[レコードを取得] 要素を使用してフローに情報を取得する方法と、[レコードを更新]、[レコードを削除]、[レコードを作成] 要素を使用してフローから Salesforce 組織に情報を転送する方法を学習しました。最後に、オートメーションは必ず Sandbox でテストしましょう。

[レコードを作成]、[レコードを更新]、[レコードを削除]

Flow Builder で変更内容をフローから Salesforce 組織に転送するには、[レコードを作成]、[レコードを更新]、[レコードを削除] 要素を使用します。見積がたくさん入った大きなごみ袋をごみ収集所に持っていく方が、ごみを 1 つずつ持っていくよりも効率的であることを説明している次の動画をご覧ください。

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[ナレーター] フロー内で起きたことはフローの内部に留まります。(スクラッチ音) それを変えるのがデータ要素です。フローのデータ要素はフローで実行できるアクションを表します。データベースからレコードを取得してフローに取り込むことができますし、レコードを作成、削除、更新することもできます。データ要素を使用すれば、1 つのレコードでも多数のレコードでも変更できます。

ビジネスでのユースケースをいくつか見ていきましょう。商談の状況が変更されたときに、[レコードを作成] を使用して新しい ToDo を作成し、それを同僚に割り当てることができます。お客様が見積を承諾したときに、[レコードを削除] 要素を使用して他の見積を商談から削除できます。複数のレコードを削除、作成、または更新するには、まず複数の値を保存するレコード変数に対象レコードを保存する必要があります。それから、[レコードを削除] 要素を使用してすべてのレコードを同時に削除します。すべてのレコードを同時に削除、作成、または更新する方がレコードを 1 つずつ更新するよりもはるかに効率的です。[レコードを削除] 要素には十分に注意してください。最初に Sandbox でテストしてください。

これで完了です。フロー要素についての知識を深め、レコードを削除、更新、または作成する複数の方法を学習しました。これらのフロー要素を使用するときには、Sadbox 組織でテストすることを忘れないでください。

アクションと関連レコードの使用が適しているのはどのような場合でしょうか? 高速項目更新の使用が不適切な状況はあるのでしょうか? もう昼休みですか? 次の動画で、こうした質問に対する回答をご覧ください。

トランスクリプトを表示する

[ナレーター] これまで Flow Builder についてごく簡単に説明してきました。フローを作成してみた人もいるかもしれません。フローの作成が初めてでなくても、レコードトリガーフローの構築時に迷う点があります。高速項目更新と、アクションと関連レコードのどちらを使うのかです。あなた自身が決めることです。どちらを使うか決めかねている場合は、次の点を自問します。「昼休みになったか?」...ではありません。ちなみに、まだ昼休みではありません。

ここで問うべき質問は、「このフローで、自動化をトリガーしたレコードのみを更新するのか」です。つまり、更新するレコードが、そもそも自動化を起動したレコードかどうかです。そのレコードのみを更新する場合は、高速項目更新を選択します。他の取引先責任者レコードの更新やメールの送信など、別の操作も行う場合は、アクションと関連レコードを選択します。

次の例を見てみましょう。たとえば、取引先責任者が温暖な地域に転居するとします。そのレコードのみに追加の更新を実行する場合は、高速項目更新を選択します。この場合に必要なのは、取引先責任者がリストされている地域を米国南東部に更新する自動化です。他方、取引先責任者の更新後の地域を知らせるメールをレコード所有者に送信する必要がある場合は、アクションと関連レコードを選択します。つまり、自動化をトリガーしたレコードの更新以外の処理が必要な場合は、アクションと関連レコードを使用します。どちらを選択した場合も、パフォーマンス上の問題を伴います。高速項目更新は、レコードが Salesforce に保存されるよりも前に実行されます。アクションと関連レコードは、レコードが保存された後に実行されます。

要点をまとめると、高速項目更新とアクションと関連レコードのどちらもレコードトリガーフローで使用できます。フローをトリガーしたレコードを更新する場合は、高速項目更新を使用します。他のすべての状況では、アクションと関連レコードを使用します。パフォーマンスのスピードを向上させるには、可能な限り高速項目更新を使用し、いつものごとく、作成したフローをまず Sandbox でテストします。ちょうど昼休みになりました!

再開する時間になったら次の単元に進み、Flow Builder の概念についてさらに学習します。鬼門のループも取り上げます。 

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