ファーストパーティデータの重要性を理解する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- パーソナライズによってどのようにカスタマーリレーションの水準が上がるかを説明する。
- コマースの方向性がどのように変化したかを説明する。
データによってエクスペリエンスのパーソナライズが促進される
少し前まで企業は、実店舗をどこに開店して広告をどこに配置するかなどといった顧客のターゲティングを行うには推測に頼るしかありませんでした。今では企業はファーストパーティ、セカンドパーティ、サードパーティの顧客データにアクセスできるため、適切な商品について、適切な場所、タイミングで適切なメッセージによって顧客をターゲティングできるようになりました。
各データ種別を比較してみましょう。
- ファーストパーティデータ: 企業が顧客とのやりとりから直接収集するデータ。第 1 のデータであるファーストパーティデータは最も正確で最も価値があります。
- セカンドパーティデータ: 別の企業のファーストパーティ顧客データを他社と共有したもの。
- サードパーティデータ: 顧客の直接の関係を持たないその他のソースから収集、集計されたデータ。
ファーストパーティデータは強力で、企業はこれまでにないやり方でお客様を理解し、お客様に対応し、やりとりをパーソナライズできます。最近のトレンドを見てみましょう。
ショッピングは合理化されたエクスペリエンスとなり、パーソナライズが普及しています。
すばやく適切に行動した D2C (Direct-to-Consumer) ブランドはニッチなオーディエンスに対応したことによってまたたく間に市場シェアを獲得しました。販売しているものが衣類であっても、おもちゃであっても、石けんであっても、このような企業は対象オーディエンスに合わせたメッセージと顧客データ入力に基づいた新しいカスタマーエクスペリエンスによってオーディエンスを魅了しています。
これによって、すべての会社にとっての水準が引き上げられました。今日のデジタルファーストなお客様はブランドがあらゆるやりとりとタッチポイントで自分のことを知り、サポートし、喜ばせてくれることを期待しています。データを利用することで、オンラインで販売する企業はより良いカスタマーエクスペリエンスを作成して収益を高めるために有意義なインサイトを取得することができます。
時代は変わる
デジタルエクスペリエンスによってお客様のショッピングは変化し、その結果、ビジネスが成功する方法にも影響が及んでいます。これがどのように進化してきたかを見てみましょう。
従来: 大きいものが小さいものに勝つ
以前は、テレビのチャンネル、店舗の棚、サプライチェーン、製造業者が消費者へのメッセージとアクセスを制していました。デジタルエクスペリエンスとオンライン購入はまだ始まったばかりでした。この現実によって、大衆受けするブランドの成長が続きました。大規模なブランドはさらに大きくなり、小さなブランドが足掛かりを得るのは大変でした。
現在: 速いものが遅いものに勝つ
現在ではお客様は店舗やオンラインなどのさまざまなチャネルを見て回り、幅広い商品を楽しんでいます。これまでにないほどサプライチェーンや製造業者のチャネルにアクセスしやすくなり (直販など)、以前は絶対的であった大手ブランドの訴求力が弱まっています。
今後: 俊敏で関連性の高いものが勝つ
特にオンラインでは、関連性が重要になってきています。会社の商品は、お客様が見ているチャネルに表示されているでしょうか? 最も魅力的な商品のおすすめは、お客様が最も購入する可能性の高いタイミングで表示されているでしょうか? これを実現するには、企業はお客様のニーズをより深く理解する必要があります。それをうまくできた企業は成長し成功することができます。古いビジネスのやり方を変えない企業は取り残されます。
企業が顧客データを重視すれば、お客様がすでにいる場所でお客様と出会い、お客様のニーズと期待に合わせたコンテンツや商品を提供できます。このような企業はお客様との長く続く関係を築くことができます。これはお客様にとって大きな差別化要因となります。
最近までお客様は一般に小売業者を通じて商品を購入していたため、企業がお客様との直接の関係を形成するのは困難でした。けれども今では、オンライン販売を行う会社が増え、ファーストパーティデータによって、優れたエクスペリエンスに対する消費者の高い期待に応えられるようになりました。また、ファーストパーティデータを利用することで自社や消費者のニーズがどのように変化してきたかもわかります。
次の単元では、パーソナライズされたエクスペリエンスやインパクトの大きいコマースインタラクションを提供するためにファーストパーティを使用する方法を見ていきます。