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賢明な予算の立て方

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 金融行動に小さな変化を起こすことの重要性を説明する。
  • ファイナンシャルウェルネスのビルディングブロックを挙げる。
  • 予算の作成が、ファイナンシャルウェルネスの基盤となる理由を説明する。
  • 自身の予算を立てる。

お金にまつわることは複雑で、途方に暮れることもあります。けれども、自らのお金に関する知識を高めていくしか道はありません。金融のエキスパートにならなければならないというのではありません。基本的な事項を理解し、その内容を自身の生活にどのように適用するかを習得する必要があるということです。そうすれば、自らの知識を駆使して行動を起こすことができます。 

大切なのは小さなことからでも始めること

小さな変化だけで十分な場合もあります。Darren Hardy は著書の『Compound Effect (複利効果)』で、日常生活の中で小さな決断を下していくことで、自分の望む道筋を立てることができ、それが投資運用ゴールの達成につながると述べています。ここで重要な点は、債務の返済などという大きな観念を、実行可能な小さなステップに分割して達成可能にすることです。そうすれば、持続的な変化が生じ、ファイナンシャルウェルネスを向上させる健全なお金の使い方を身に付けることができます。 

貯金箱と一緒に腕立て伏せをして、お金の筋肉を鍛えている人。「すごい! 先週より 10 回も多い!」と言っています。

ファイナンシャルウェルネスのビルディングブロック

どのような変化が必要なのかがわかるように、ファイナンシャルウェルネスの普遍的なビルディングブロックを挙げることから始めましょう。ここでは英国の Employee Benefits の情報が役立ちます。

  • 予算の作成とキャッシュフロー
  • 負債の縮小と清算
  • 緊急時の備え
  • 老後の準備

一度に 1 つのビルディングブロックに集中的に取り組んでも、いくつかあるいはすべてに取り組んでも構いません。どのように取り組むかは、各自の経済状況に応じて判断します。前述のように、重要なのは「千里の道も一歩から」ということです。では、各ビルディングブロックを詳しく見ていきましょう。 

予算の作成とキャッシュフロー

確固たる経済的基盤を構築したいと思いませんか? Business Insider によると、その鍵を握るのは予算の作成です。予算は、経済的な安定への道筋を立てる優れた手段です。 

予算の作成は、次の簡単な方程式で表すことができます。 

収入 - 費用 = 個人のキャッシュフロー (残高)

個人のキャッシュフローを黒字にすること、つまり費用を支払った後に残高を確保することが差し当たっての目標です。「言うは易し、行うは難し」ですよね? 「身の丈に合った生活」という言葉を聞いたことはありませんか? 黒字にする秘策は、金銭的な目標に見合ったライフスタイルにすることです。その逆ではありません。 

The Balance では、最初に目標を掲げることを推奨しています。キャッシュフローのどのくらいを目標に充当できるのかを把握したうえで、目標の達成に向けて費用を戦略的に管理します。かといって、娯楽への出費は控えるべきというのではありません。娯楽を楽しんだ後で支払について頭を抱えるのではなく、お金を計画的に使うということです。 

お金に関する神話: 生活費を支払えるなら、予算を立てる必要はない。

ファイナンシャルウェルネスとは、単に生活費が支払えるということではありません。Forbes によると、計画的に予算を立てることで、貯蓄額を増やし、どこを節約できるかを見極められるようになります。今まで右から左に流れていたお金に気付きます。このようにしてお金を節約すれば、自分が望むライフスタイルを自由に選択できるようになり、また金銭的な目標に向けて取り組む自信が培われます。 

確固たる予算があれば、自分のお金をどのように使い、どうすればキャッシュフローを増やすことが可能かを把握でき、お金がどこに消えたのかと思い悩むことがありません。

自身の予算を立てる

予算の作成に万能的なアプローチはありません。ここで大事な点は、自分に適したやり方を見極めることです。 

NerdWallet は、出費を必要なもの、望むもの、将来の目標というカテゴリに分類すると役立つでしょうと述べています。必要なものと望むものをうまく管理できるようになれば、将来の目標に充てる予算が増大します。これらはあなたが必要とするものと望むものです。 

世の中には、お金に対する不安を煽る言葉やトリックが存在します。たとえば、毎日 3 ドルのコーヒーを飲んでいれば、1 年に 1,000 ドル以上の出費となり、この習慣をやめると、1,000 ドルを財布に戻すことができる、というようなものです。けれども、朝のコーヒーや年に 1 度の家族旅行があなたにとって大切なことならば、その習慣は続け、ケーブルテレビのプランを安いものにしたり、外食の回数を減らしたりといった他のことで節約します。あなたにとって最適なバランスを見極めます。 

望むものと必要なものを振り分けている人。

各自の予算作成戦略がどのようなものかに関係なく、予算を活用するためのヒントをご紹介します。

  • 50/30/20 のルールを試してみる。収入の 50% を必要なもの、30% を望むもの、20% を将来の自分のために割り当てます。そうすれば、将来の自分に感謝されることでしょう。
  • 支出目標に対して現実的になる。支出しても構わないことを念頭に置いておきます。予算の制約がきつすぎれば、長続きしないでしょう。
  • 想定外のことのために少額の予算を組んでおく。毎月、予期せぬ費用が生じる可能性があります。こうした費用をあらかじめ確保しておけば、さほどストレスを感じることがありません。
  • このスキルを高める時間を設ける。他のスキルと同様、予算作成を上達させるためには練習が必要です。練習を積むうちに簡単に行えるようになっていきます。

お金に関する演習: Mint のヒントをご紹介します。予算を作成する前に、1 か月間の費用を追跡します。ノートやアプリケーションに費用を記録してお金の使い道を把握します。細かなお金の流れがわかれば、現実的な予算を立てることができます。予算を作成する準備ができたら、末尾の「リソース」セクションで予算作成ツールを確認してください。 

まとめ

予算の作成は、確固たる経済的な基盤を築く優れた手段です。ここで大切な点は、予算があなたのライフスタイル、つまり、あなた自身が望むこと、必要とすること、目標に見合ったものにすることです。次の単元では、こうした基盤を構築したうえで、負債の縮小、緊急時の備え、貯蓄など、資金を管理するさまざまな方法を見ていきます。 

リソース

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