Financial Services Cloud のリリースプロセスについて
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- Financial Services Cloud のリリースプロセスについて説明する。
- 自分の Salesforce 組織がスケジュールのどこに位置するか判断する。
あなたの組織に近日リリース
リリースについてお話しましょう。Salesforce では、年に 3 回 Spring、Summer、Winter のリリースで、優れた新機能を皆様に提供しています。Financial Services Cloud のメジャーリリースも同様、Salesforce の年 3 回のリリースの直後に実施されます。Salesforce の一般リリースが終わり次第、Financial Services Cloud のリリースが開始されます。
Salesforce と Financial Services Cloud のメジャーリリースはすべて業務時間外に行われるため、皆様とそのお客様にダウンタイムが生じることはありません。
では、Financial Services Cloud に更新が生じ、メジャーリリースまで待っていられない場合はどうなるのでしょうか? バグ修正やちょっとした変更は、週 1 回のパッチリリースで対応します。パッチリリースは必ずしも毎週配信されるとは限りません。メジャーリリースや DreamForce のような大きなイベントがあるときは、その週の配信がなくなることもあります。
「Financial Services Cloud で顧客ロイヤルティを促進」トレイルの他のモジュールを修了しているのであれば、システム管理者の Matt を覚えているでしょう。Matt は Salesforce のメジャーリリースを大作映画の公開のように考えています。年に数回登場し、人々の期待が高く、ワクワクするような最新技術が結集されているという共通点があるためです。
Matt はその一方で、パッチリリースのことを、ほぼ毎週放映される簡潔なテレビ番組のように考えています。
私の組織のリリース日は?
システム管理者は、Salesforce のメジャーリリースのスケジュールを把握し、各自の組織が次回の大規模な更新に対応可能であることを確認しておく必要があります。では、Matt が簡単な手順で Salesforce のリリースカレンダーにアクセスするところを見てみましょう。
-
[Salesforce Status] に移動します。このサイトには、各種の Salesforce 製品のリアルタイムのパフォーマンスやサービスの可用性が掲載されています。
- 上部の [検索] 項目に各自の組織の [私のドメイン] の名前を入力して、Enter キーを押します。Matt の組織の名前は cantrell15 です。検索結果の [私のドメイン] の下に組織と組織がホストされているインスタンスが表示されます。
- 組織名をクリックして詳細を確認します。
この便利なページに、知るべき情報がすべて表示されます。ではこの画面をじっくり見てみましょう。
- 一番上は組織の [私のドメイン] の名前です。
- その横は組織をホストしているインスタンスの名前です。
- サイドバーで、現在組織で使用しているリリースを確認できます。この例では、Spring '21 リリースのパッチ 12.4 です。
- [現在の状況] タブでは、インスタンスの現在のパフォーマンスの概要がわかります。
- [履歴] タブには、インスタンスの過去のパフォーマンスに関する詳細が示されます。
- [メンテナンス] タブでは今後のリリースの予定を把握できます。Matt が探しているのはこの情報です。
Matt は [メンテナンス] タブをクリックして、Salesforce と Financial Services Cloud の今後のメジャーリリースのリストを確認します。
実施すべきことは?
リリース自体は自動的に行われますが、大半のユーザーはプロセスがスムーズに進行するように、アップグレードの前後に何らかの作業を実施する必要があります。毎回メジャーリリースに先駆けて Salesforce から、リリースの前後に実行する必要のある変更点を記したメールが送信されます。記載の説明に従って、アップグレードがスムーズに行われるようにします。
アップグレードの前に、リリースで上書きされる設定や、新規リリースと競合する設定を作成していないことを確認してください。以下にいくつかの例を挙げます。
- パッケージ化されたコンパクトレイアウトに行ったカスタマイズは、各リリースのデフォルト設定で上書きされます。上書きされないようにするには、パッケージ化されたコンパクトレイアウトをコピーし、コピーしたバージョンをカスタマイズしてユーザープロファイルに割り当てます。
- パッケージ化されたレコードタイプを無効にすると、アップグレードに失敗します。代わりに、すべてのユーザープロファイルのレコードタイプ設定セクションで、レコードタイプの割り当てを解除します。
- パッケージ化されたセールスプロセスやリードプロセスを無効にすると、アップグレードに失敗します。代わりに、セールスプロセスまたはリードプロセスをすべての商談レコードタイプやリードレコードタイプから分離します。
パッケージ内 (Financial Services Cloud は管理パッケージです) の設定上の潜在的な競合についての詳細は、「リソース」セクションのパッケージ関連のリンクを参照してください。
リリース後は『Financial Services Cloud アップグレードガイド』のアップグレード後の各手順に従って新機能を有効にして設定します。
リソース
- Salesforce サイト: Salesforce Trust サイトの利用
- Salesforce ヘルプ: First-Generation Managed Packages (第一世代管理パッケージ)
- Salesforce Developers: Components Available in First-Generation Managed Packages (第一世代管理パッケージで使用可能なコンポーネント)