最適化について
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 最適化を定義する。
- 最適化のジャーニーを説明する。
- オプティマイザーで予定がどのようにスコア付けされるかを説明する。
最適化の取り組み
Ursa Major Solar は最近フィールドサービスの業務改善に取り組み始めた太陽光発電会社です。米国南西部を拠点とし、複数都市に太陽光発電製品の設置と修理を行う現地事務所を構えています。フィールドサービスチームは、Field Service 管理パッケージと自動化されたスケジュールを使用して設置と修理のジョブを管理しています。
チームには、フィールドサービスの業務改善に意欲的な 2 人の主要メンバーがいます。
- Salesforce システム管理者の Maria Jimenez。チームのために最適化を設定しようとしている Field Service のエキスパートです。
- 派遣担当者の Jacinta Silva。経験豊富な優秀なコーディネーターで、日次スケジュールを改善できることを楽しみにしています。
Ursa Major は、フィールドサービスジャーニーの次の段階に進みたいと考えています。あなたが現在どの段階にあるかは、組織の規模と成熟度によって異なります。
- 視覚化。実装し、フィールドサービス組織に関するデータを取得します。
- 自動化。データを使用して、手動プロセスとエラーを減らします。
- 最適化。自動化された ToDo を改善します。
- イノベーション。フィールドサービス業界をリードし、打破します。
Ursa Major は、プロセスを視覚化して自動化する作業を完了しています。次は、最適化と革新です。
最適化とは?
最適化とは、お客様とあなたのビジネスにとって最良のスケジュールを見つけるプロセスです。グローバル最適化プロセスでは、スケジュールを作成するために時間枠と派遣作業員の膨大な数のオプションが評価されます。次に、各スケジュールに評価を割り当て、評価が最も高いスケジュールを使用して、今後の予定を最適な順序で組み立てていきます。
膨大な数のオプション? Maria は計算をします。たとえば、派遣作業員が 1 人、予定が 11 件の場合、可能性は 11 の階乗で計算されます。
1 x 2 x 3 x 4 x 5 x 6 x 7 x 8 x 9 x 10 x 11 = 39,916,800
コンピューターで毎秒 10,000 のオプションを評価できるとして、次の式を計算します。
39,916,800/10,000 = 3,991 秒または 66 分または 1.1 時間
したがって、派遣作業員 1 人と予定 11 件のオプションを確認するには、1 時間以上かかることになります。サービス予定が 16 件あればどうなるでしょうか? 約 66 年かかります。
この計算が示すように、スケジュールの最適化は時間とコンピューティング性能を必要とする複雑なプロセスです。ただし、それだけの価値はあります。最良のスケジュールは、ビジネスの優先事項を達成するとともに業務の効率化を促進するからです。優先事項には、より多くの予定をスケジュールする、移動時間を抑える、時間外手当を抑える、顧客満足度を高めるなどがあります。幸い、Field Service を使用すれば、このプロセスが容易になります。
Maria は最適化に関する次の動画を視聴します。この動画は、ある会社が自動されたスケジュールを使用して予定をスケジュールする方法を説明しています。自動化されたスケジュールは手動スケジュールよりも高速で効率的であることがわかります。この会社はそれで満足するのではなく、さらに効率を向上させるために、自動化されたスケジュールを最適化します。
予定のスコアを計算する
Maria は、最適化では、スケジュールのより大きな枠組み内で各予定を最適化する必要があることを理解しています。彼女は、オプティマイザーで各予定のスコアがどのように計算されるのかを最初から正確に把握したいと考えています。それから、予定をどのように組み合わせて最良のスケジュールが作成されるのかも確認するつもりです。
オプティマイザーはどのような仕組みになっているのでしょうか? サービス内容に基づいて適任の候補者と時間枠を見つけるために、スケジュールポリシーが使用されます。スケジュールポリシー、作業ルール、サービス内容の詳細については、「Field Service のスケジュール」モジュールを参照してください。
オプティマイザーのプロセスを順に見ていきましょう。
- 最適化に送信されたすべてのデータ (データドメイン) を参照します。このデータには、関連するすべてのサービス予定 (予定の時間的制約と比較して最適化された対象期間に基づく)、サービステリトリー、派遣作業員が含まれます。
- 優先度に基づいて予定の順序が決まります。優先度は、Field Service 設定の作業指示の優先度項目、作業指示品目の優先度項目、サービス予定の優先度項目のオプションを使用して定義されます。次に、最も優先度の高い予定から評価を開始します。
- テリトリー、必要なスキル、期日など、選択した予定の詳細を参照します。
- スケジュールポリシーの作業ルールを参照します。作業ルールでは、適格でないか対応できないために予定を完了できない候補者を削除します。これで、その作業に対応可能な候補者プールが生成されます。
- サービス予定の許容最早開始日から期日 (または到着期間の開始日から終了日) までの期間で対応可能な時間枠を検索します。
- スケジュールポリシーのサービス内容を参照します。次に、サービス内容に対応可能な時間枠と適格な候補者を評価します。各サービス内容の評価にその内容の相対加重を乗算します。この加重値とサービス予定の作業指示または作業指示品目の優先度を加算して、スコアを計算します。デフォルトの優先度範囲は 1 ~ 10 のスケールです (優先度は 1 が最も高く、10 が最も低い)。1 ~ 100 のスケールを使用することもできます。2020 年夏以降に作成された組織で 1 ~ 10 のスケールを使用する場合、優先順位は次のようになります。
優先度 優先度の値 1 25500 2 20500 3 15500 4 5500 5 4250 6 3000 7 2500 8 2000 9 1500 10 または null 1000 - たとえば、Ursa Major Solar は顧客優先ポリシーを使用しています。サービス内容の加重は、「至急」が 4、「優先するリソース」が 4、「移動を最小限に抑える」が 2 になっています。オプティマイザーでは優先度 3 の予定のスコアは次のように計算されます。
(「至急」評価 x 4) +
(「優先するリソース」評価 x 4) +
(「移動を最小限に抑える」評価 x 2) +
(優先度15500) =
スコア
- たとえば、Ursa Major Solar は顧客優先ポリシーを使用しています。サービス内容の加重は、「至急」が 4、「優先するリソース」が 4、「移動を最小限に抑える」が 2 になっています。オプティマイザーでは優先度 3 の予定のスコアは次のように計算されます。
- 残りの時間枠と候補者に対してこのプロセスを繰り返します。
- スコアを追加します。
- スコアが最も高い候補者と時間枠に予定を割り当てます。
次に、何件かの予定がスケジュールからランダムに削除され、代わりに他の予定をスケジュールします。新しいスケジュールに総合評価が与えられ、ガントチャートの総合評価が前のスケジュールよりも高ければ保存されます。このプロセスが最適化時間が終了するまで反復され、その時点で最高評価のスケジュールが使用されます。
この単元では、Maria はスケジュールを最適化することの価値を理解しました。また、最適化プロセスの各ステップも確認しました。次は、オプティマイザーを使用して Ursa Major Solar の最良のスケジュールを作成します。