コラボレーションの文化を醸成
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 自分の心理的安全性、弱さ、そして勇気のレベルを評価する。
- 心理的安全性を確立し、勇敢なハイパフォーマンスチームを育てるための戦略を挙げる。
- 心理的安全性にまつわる通説や誤解を特定する。
レベルの高いチーム作り
以前に述べたように、心理的安全性の構築とは、継続的に続く努力です。すでに心理的に安全な環境で快適に仕事をしているとしても、その安心感に身を委ねてその環境に留まることができるわけではありません。私たちは、積極的に力を合わせて全員の心理的安全性が確保される環境の実現に貢献しなければなりません。
「わかりました! 心理的安全性を確保する準備は万端です。どこでサインアップすればよいでしょうか?」その情熱は素敵ですが、その前に、まずは今の状況を見渡してみましょう。
次のことを自問します。
| 私は次のように快適性より勇気を選んでいるか? |
そしてチームメンバーが安全だと感じるように次のようなことをしているか? |
それとも、次のような過ちを犯していないか? |
|---|---|---|
| 失敗するかも知れないとわかっていても、あえてリスクを受け入れて前に出ているか? |
リスクを受け入れるようにチームメイトを鼓舞して、仮に失敗してもチームメイトを信じているか? |
人を指差して非難していないか? |
| たとえチームメイトが不快になるとしても、直接的で正直な会話をしているか? |
相手を尊重するような方法で難しい問題に対処し、困難なディスカッションも受け入れ、機密情報を保護しているか? |
会議が終わってから懸念を表明したり、噂を流したり、陰口を言ったり、自分が共有できない他人の情報を共有したりしていないか? |
| チームメイトと異なっていても、自分の視点から意見を述べているか? |
さまざまな視点に興味を持ち、それらを受け入れているか? |
単に自分と異なるという理由だけで他者のアイデアを否定したり、見下したり、却下したりしていないか? |
| 必要なときにチームメイトに助けを求めているか? |
学ぶ意欲を推進し、誰をも批判することなく他者を助けているか? |
助けを求めることを能力の欠如と見ていないか? |
もし、心理的安全性の要件を満たしていない場合には、どうやったらもっと弱くなって勇気を出せるのかを自問してください。そして常に、自分がどのくらいチームメイトの安全を確保している (あるいは損なっている) のかを考えるようにしてください。
心理的に安全なチームを作るための他のアイデアを入手するには、単元の最後にある「リソース」セクションのリンクから Fearless Teaming (勇敢なチーム作り) パックをダウンロードしてください。
安全のための自己暗示
勇気よりも快適性を選びたくなってしまったときは、簡単な心理的安全性チェックを行って、軌道を修正してください。自分がどのくらい心理的に安全なのかを見極めて、自分を勇気づけましょう。(自分が環境にどのくらい貢献しているかについては正直になりましょう。)
| 自分が感じていること |
勇気を出して次のことを思い出しましょう... |
|---|---|
| 意見を述べることができない。 |
あなたの意見は貴重です。あなたのアイデアは歓迎され、必要とされています。思っていることを解き放ちましょう! |
| このチームでは自分らしさを出せない。 |
あなたは独特の視点を持っています。あなたが何を考えているのかをチームに伝えましょう。 |
| 波を立てるようなことはしたくないから黙っていようと思う。 |
波があるから船が進むのです。あなたの波は船を前進させる (ときには氷山さえも打ち砕く) かも知れません。 |
| マネージャーが私の意見や、リスクを受け入れることに良い反応を示さない。 |
意見を述べることは怖いことですが、優れたマネージャーはスマートリスクを喜んで受け入れます。 |
| チームの他のメンバーを信頼できない。 |
チームメンバーと彼らの視点に興味を持ちましょう。そして自分も弱さを見せて、彼らに自分を知ってもらいましょう。信頼とは双方向なのです! |
| 何も変わらない。 |
あなた自身が変わりましょう。その後何をすべきかはわかっているはずです。使い古された表現ですが、これは真実です。変化は自分から始まります。物事を良くするために自分が何をできるかを考えましょう。 |
自分の感情から抜け出して勇気を出すためには気持ちをリセットする必要があるかも知れません。ただし、あなたの意見がミスを防ぎ、より良い意思決定につながり、イノベーションを後押しするかも知れないということを忘れてはいけません。
通説と誤解
では、怖がらずに正直に質問をしてください。私たちの答えによって、いくつかの疑問が明快になるでしょう。
マネージャーが、チームの健全性に対する心理的安全性の大切さを理解しようとしません。心理的安全性を理解させる方法はないでしょうか?
心理的に安全な環境の構築においてリーダーが果たす役割は大きいとは言え、すべての責任を負っているわけではありません。心理的安全性を強化して、チーム全体のパフォーマンスを高めるための行動を、あなたが率先してモデリングすることもできます。最初は少し弱さを見せることです。適切なタイミングで「手助けが必要です」、あるいは「わかりません」と言うだけです。
そして、チームメンバーに「この問題についての視点を聞かせてください」や「どのように手伝えばよいでしょう?」などと語りかけることで、自分が興味を持っている、そして役に立てるということをアピールします。あなたがはっきりと意見を言うようになれば、マネージャーを含む他のメンバーも同じように意見を言うようになるでしょう。
心理的安全性が過度になることはありますか? 心理的安全性を実現するために努力したのですが、その結果、他のメンバーが私に遠慮しているように思えます。
まず、あなたはすでに勇気を出して意見を表明しているとのこと。ただ、あなたのアイデアは期待したようには受け入れられていないようです。残念です。これを好機と捉え、あなたが与えている影響を分析し、なぜあなたの貢献がチームの心に響かないのかを考えてみましょう。さらに勇気を出して「私は意見をどんどん言うようにしていますが、私のアイデアは受け入れられていないようです。意見を言い過ぎなのでしょうか?」
心理的安全性とは、あなたの意見を同僚がすべて称賛してくれるという意味ではありません。むしろ、意見を言うという小さいリスクを受け入れることを理解することを意味します。安全策を選ぶよりは貢献できるように頑張った方が素敵です。もちろん、心理的に安全だと感じることは、好きなだけ、あるいはどんなことでも言ってよいという意味ではありません。しかし、あなたが他のメンバーを助けようという意図を持っているのであれば、意見を言い続けるべきです。
マネージャーが辛辣なフィードバックしか返さず、締め切りも厳しく設定します。心理的安全性とはほど遠い状況です。どうすればよいですか?
状況が厳しくなったら、心理的安全性の赤旗を揚げてもよいのです。心理的安全性とは、パフォーマンスへの期待を諦めたり、水準を下げたりすることで得られるわけではありません。むしろ、心理的に安全な環境では、高いパフォーマンスが普通に要求されます。
フィードバックに納得できない、あるいは締め切りが厳しいと思う場合は、思い切ってマネージャーに意見を述べて、自分の視点を伝え、状況を明確にして、継続的な改善に目を向けるべきです。
心理的安全性を確保するための継続的な努力では、さまざまな問題が出てきます。チームを 1 つ上の次元に高めるには、常に勇気を持って質問しましょう。勇敢さはあなたの将来にあります。それを感じます!
まとめ
意見を述べることは怖いことですが、仕事が複雑になっているため、不可欠でもあります。意見を述べるためには、心理的安全性、つまり、誰もが自由にスマートリスクを受け入れ、アイデアを共有し、質問をして、批判を恐れることなくフィードバックを提供できる環境を確保することが必要です。これが、勇敢なチームを作り上げるための鍵となります。安全であると感じれば、効果的なコラボレーションが可能になり、勇気ある選択によって創造性、イノベーション、そして成長が推進されるでしょう。
