パートナーポイントを処理する
学習の目的
このモジュールを完了すると、次のことができるようになります。
- パートナーの通貨の換算係数を管理する。
- データ処理エンジン (DPE) テンプレートを使用して、パートナー元帳レコードを作成し、パートナー残高を更新する。
プログラムパートナー通貨を作成する
Cloud Kicks Inner Circle ロイヤルティプログラムは、そのプログラム構造で次の 2 種類のポイント (通貨) を使用しています。
- 通常ポイント: 従来の通貨制度に基づくポイント
- ランクポイント: 目標とするロイヤルティレベルに達するために蓄積するポイント
通常ポイントは対象外ポイントで、従来の通貨制度に基づき、金銭的価値に換算できます。メンバーは購入時にポイントを獲得し、獲得したポイント (通貨) を利用して商品やサービスを購入します。
一例として、食料品を買うときのことを考えてみましょう。販売店の会員カードを所有し、食料品を買うときにそのカードをレジに提示すれば、1 ドルにつき 10 ポイントもらえるとします。このポイントは金銭的価値に換算され、将来の購入時に利用できます。
ランクポイントは対象通貨で、メンバーのランクを決定します。このポイントは、ランクグループ内のメンバーのエンゲージメントを測定します。メンバーは、パートナーと取引するたびに複数の通貨のポイントを獲得または利用します。
たとえば、マイレージプログラムに入会した時点でブロンズメンバーに該当したとします。飛行機に搭乗するたびにポイントが貯まり、ランクが上昇していきます。
メンバーがポイントを獲得または利用したとき、パートナー側ではどうなるのでしょうか? ここで、例を挙げて説明します。
Inner Circle のメンバーである Adria Darby が、100 ドルのポータブルワイヤレスソーラースピーカーを購入しました。プログラムの獲得ルールに基づいて、Adria は取引金額の 2 倍の非対象ポイントと、取引金額と同額の対象ポイントを受け取ることができます。つまり、200 通常ポイントと 100 ランクポイントのクレジットを受け取ります。
すでにご存知のとおり、メンバーにこのポイントがクレジット処理されると同時に、Ursa Major Solar にはこのポイント分の負債が生じます。この負債は、プログラムにポイントで支払うという方法で清算されます。支払うポイント数は、双方が合意した換算係数を用いて算定されます。
通貨の換算係数
ロイヤルティプログラムとパートナーは、パートナー種別に基づいて、パートナー取引で使用する通貨の換算係数を決定します。
パートナー種別 |
換算係数 |
---|---|
獲得 |
獲得換算係数 |
償還 |
償還換算係数 |
両方 |
獲得換算係数と償還換算係数 |
パートナー取引でメンバーが獲得または利用したポイント数に、換算係数が乗算されます。
- 獲得換算係数を用いて、パートナーのポイント残高または残額からデビット処理するポイント数が算定されます。
- 償還換算係数を用いて、パートナーのクレジットポイントまたは残額に追加するポイント数が算定されます。
Ursa Major Solar は獲得パートナーであるため、必要なのは獲得換算係数のみです。Mary と Ursa Major Solar は、通常ポイントの換算係数を 2、ランクポイントの換算係数を 0.5 にすることで合意しています。ですから、Adria の取引では、Ursa Major Solar に合計 450 ポイント [(2 × 200) + (0.5 × 100)] がデビッド処理されます。
では、Mary が通貨の換算係数をどのように設定するのか見てみましょう。
- [Loyalty Program Partners (ロイヤルティプログラムパートナー)] 関連リストで、[Ursa Major Solar] をクリックします。
- [Loyalty Program Partner Currencies (ロイヤルティプログラムパートナー通貨)] 関連リストで、[New (新規)] をクリックします。[New Loyalty Program Partner Currency (新しいロイヤルティプログラムパートナー通貨)] ウィンドウが表示されます。
- 次の詳細をを追加します。
- Loyalty Program Currency (ロイヤルティプログラム通貨): Regular Points (通常ポイント)
- Accrual Conversion Factor (獲得換算係数):
2
-
[Save (保存)] をクリックします。パートナー通貨が作成されました。
- 上記の手順を繰り返し、ランクポイントの 0.5 という獲得換算係数を追加します。
Mary は、対象通貨と対象外通貨の獲得換算係数を定義しました。Ursa Major Solar のポイント残高がこの定められたレートでデビット処理されます。続いて、取引を追跡する方法を見てみましょう。
パートナー残高を更新する
パートナー取引ごとに、ロイヤルティプログラムパートナー元帳レコードが生成されます。パートナー残高は、作成された元帳種別に基づいて更新されます。ここで、残高の更新方法を例を挙げて説明します。
- メンバーにパートナー購入に対するポイントがクレジット処理される場合: 取引が処理されると、デビット元帳が作成されます。前払い請求の場合は、パートナーのポイント残高からポイントがデビット処理されます。後払い請求の場合は、パートナーの請求金額にポイントが追加されます。
- メンバーがポイントを利用する場合: 取引が処理されると、クレジット元帳が作成されます。前払い請求の場合は、ポイント残高にクレジットポイントが追加されます。後払い請求の場合は、請求金額から金額が差し引かれます。
標準のデータ処理エンジン (DPE) 定義を実行して、パートナー元帳を作成し、パートナー残高を更新すれば、ロイヤルティプログラムパートナーのアカウントを管理しやすくなります。[Create Partner Ledgers and Update Partner Balances (パートナー元帳の作成とパートナー残高の更新)] DPE 定義テンプレートを使用して、処理されるパートナー取引に基づいてパートナー元帳を作成し、パートナー残高を更新します。この定義は、獲得、償還、獲得の取り消し、償還の取り消しの取引記録種別で処理されるパートナー取引をすべて使用します。
続いて、Developer Edition 組織の手順に従って、DPE 定義を作成して有効にします。この定義が有効になっていなければ、パートナー元帳を作成して、更新された残高を表示することができません。したがって、以下の各手順を必ず実行します。
-
をクリックし、[Setup (設定)] を選択します。
- [Quick Find (クイック検索)] ボックスに
Data Processing Engine
(データ処理エンジン) と入力し、[Data Processing Engine (データ処理エンジン)] を選択します。
-
[Create Partner Ledgers and Update Partner Balance (パートナー元帳の作成とパートナー残高の更新)] ジョブを見つけて選択します。次に、このテンプレートのコピーを作成します。
-
をクリックして、[Save As (別名で保存)] を選択します。
- 名前を
Inner Circle Create Partner Ledgers and Update Partner Balances
(Inner Circle パートナー元帳の作成とパートナー残高の更新) に置き換えます。
-
[Save (保存)] をクリックします。
-
[Activate (有効化)] をクリックします。
これで、定義が有効になり、各パートナーに一意の元帳レコードが作成されます。
次の単元では、取引記録を作成して、ロイヤルティ元帳とパートナー元帳を生成します。
リソース