Analytics ダッシュボードにさらなるデータを追加する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Tableau CRM を使用して各自のデータをダッシュボードに追加する方法を説明する。
- ビジネスニーズに合わせてダッシュボードをカスタマイズする。
- Event Monitoring Analytics アプリケーションを他のユーザーと共有する。
ダッシュボードは Reports だけではない
Reports ダッシュボードを確認して問題や推移を見極め、最高情報責任者 (CIO) に報告できるようにしました。けれども、イベントモニタリングのデータには、レポートだけでなく、ページビュー、ログイン、Apex の使用状況など、他にもさまざまな情報があります。こうしたデータを使用して詳しいインサイトを提示し、さらなる質問の答えを見つけてみましょう。
たとえば、前の単元で Bob Bandit が過去 1 か月間に High Net-Worth Contacts レポートを 100 回以上実行した可能性を突き止めました。組織での Bob の他の活動も気になります。
Bob のページビューに戻り、他にも知っておくべき不審な活動がないか確認してみましょう。この例では、Bob が最も頻繁にクリックした取引先がどこかを確認することにします。この情報を得るために、Page Views (URI) ダッシュボードに付加価値データを追加して、解釈しやすくします。
データセットにデータを追加して増強する
Page Views (URI) ダッシュボードには /apex/SOQLQuery や /lightning などの URI のみが表示され、取引先レコードは表示されません。ここでダッシュボードをカスタマイズしてオブジェクトの名前と種別を追加し、Bob がどの取引先レコードにアクセスしたのか (アクセスしていた場合) を確認できるようにします。
けれどもその前に、データセットを作成して、このデータを Event Monitoring Analytics に追加します。データセットとは何なのでしょうか? データセットとは、非正規化され、高度に圧縮された形式で保存されている関連データのコレクションです。つまり、データセットは Event Monitoring Analytics のデータのコンテナです。ダッシュボードにオブジェクトの名前と種別を表示するためには、何よりもまずそのデータがデータセットに存在している必要があります。
管理されたデータが搭載されたテスト組織を使用しているため、インポートの制限について考える必要はありません。ただし、組織にインポートできるレコード数は、権限、インポートするデータ型、組織全体のデータストレージ制限によって異なります。インポート可能なオブジェクトの種別は、エディションによって異なります。詳細は、「CRM Analytics の制限」を参照してください。
そのため、オブジェクトの名前と種別をデータセットに追加します。
- [Analytics Studio] に移動します。(別のタブで開いてるはずですが、開いていない場合は、アプリケーションランチャー (
) で、[Analytics Studio] を見つけて選択します)。
-
[Create (作成)] をクリックして、[Dataset (データセット)] を選択します。
- [新規データセット] で、[Salesforce データ] をクリックします。
- データセットに AccountDataset という名前を付けます。
-
[Add to new dataflow (新しいデータフローに追加)] オプションを選択します。
-
AccountDataflow
と入力して、[Next (次へ)] をクリックします。
-
[Account (取引先)] オブジェクトを選択し、[+] をクリックして取引先の項目を選択します。
-
[Account Name (取引先名)] 項目と [Account ID (取引先 ID)] 項目を選択します。
-
[Next (次へ)] をクリックします。
- データセットに [Analytics for CIO (CIO 向け Analytics)] アプリケーションを選択して、[Create Dataset (データセットを作成)] をクリックします。
- データセットがキューに追加されたことが通知されます。[OK] をクリックします。
- 次に、データフローを更新します。[Update Dataflow (データフローを更新)] をクリックします。ポップアップ画面が表示されたら、もう一度 [Update Dataflow (データフローを更新)] をクリックします。
- ページの右上にある [データフローを実行] をクリックします。ポップアップ画面が表示されたら、[Go to Data Monitor (データ監視に移動)] をクリックします。
- [監視] ページで、データセットの作成を監視できます。
- データセットが正常に作成されたら (数分かかることがあり、[成功] 状況メッセージを表示するために画面を更新しなければならないことがあります)、Analytics Studio に移動します。この時点で Analytics Studio が別のタブで開いているはずです。開いていない場合は、アプリケーションランチャー (
) で、[Analytics Studio] を見つけて選択し、[Analytics for CIO (CIO 向け Analytics)] アプリケーションホームページを開きます。
-
[Datasets (データセット)] タブをクリックすると、データセットリストの一番上に [AccountDataset] が表示されます。
これで、データセットに取引先の名前と ID が追加されました。けれども、ダッシュボードに表示したいデータはこれだけではありませんよね? ページビューのデータもあると役立ちます。
AccountDataset を強化する
既存の URIWithUsers データセットのデータを新しい AccountDataset に取り込んで強化しましょう。このデータセットは、事前作成済みの Page Views ダッシュボードが使用するものです。Salesforce ではユーザー ID がすでに非正規化され、人間が判別できるユーザー名になっています。
-
歯車アイコンをクリックして、[Data Manager (データマネージャー)] を選択します。
-
[Dataflows & Recipes (データフローとレシピ)] をクリックして、[Recipes (レシピ)] をクリックします。
-
[Create Recipe (レシピを作成)] をクリックして、[Add Input Data (入力データを追加)] をクリックします。
- レシピのベースデータセットに [AccountDataset] を選択して、[Next (次へ)] をクリックします。
- AccountDataset を URIWithUsers データセットと結合するために、AccountDataset アイコンの横にあるプラス記号をクリックして、ドロップダウンメニューから [Join (結合)] を選択します。
- [入力データを選択] ページリストから [URIWithUsers] データセットを選択して AccountDataset と結合し、[Next (次へ)] をクリックします。
- [参照関係] 結合種別を選択し、参照関係に [複数値を検索] を選択すると、右データストリームから一致するすべての行が返されます。続いて、[Join Key (結合キー)] 項目に、データセットレシピで相関させる列を 2 つ入力します。ここでは、URIWithUsers データセットの
URI_ID_DERIVED
と、AccountDataSet データセットのAccount ID
(取引先 ID) を入力し (後者が入力済みの場合もあります)、[Add (追加)] をクリックします。
- レシピを作成するには、[Columns (列)] ビューページの上部にある [Name (名前)] 列のチェックボックスをオンにして、すべてのデータセット列をレシピに含めます。
-
[Apply (適用)] をクリックします。
- 次に、出力ノードを作成して、レシピを実行する準備をします。結合ノードの右側にあるプラス記号をクリックして、ドロップダウンメニューから [Output (出力)] を選択します。
- [Output (出力)] ページの [Dataset Display Label (データセットの表示ラベル)] で
URI_With_Account_Data
という名前を付け、[App Location (アプリケーションの場所)] で [Analytics for CIO (CIO 向け Analytics)] を選択します。
-
[Apply (適用)] をクリックします。
- ページの右上にある [Save and Run (保存して実行)] をクリックします。
- レシピに
Joint Account Info with URI Dataset
(取引先情報を URI データセットに結合) という名前を付け、[Save (保存)] をクリックします。
- 実行状況を表示するには、[Back to Data Manager (データマネージャーに戻る)] をクリックします。
- 実行が完了するまで待機します。この処理に数分かかることがあります。また、画面を更新しないと [Successful (成功)] 状況メッセージが表示されないことがあります。レシピが正常に実行されたら、[Analytics for CIO (CIO 向け Analytics)] アプリケーションのホームページに戻ります。
-
[データセット] タブをクリックすると、データセットリストの上のほうに [URI_With_Account_Data] が表示されます。
これで、必要なデータがすべて 1 つのデータセットにまとめられました! では、ダッシュボードに表示してみましょう。
Page Views ダッシュボードをカスタマイズする
最初に、Page Views ダッシュボードのコピーを作成し、Account Page Views (取引先ページビュー) という名前を付けます。
- Tableau CRM Analytics Studio で、Analytics for CIO (CIO 向け Analytics) アプリケーションに移動します。アプリケーションのホームページで、検索バーに
Page Views (URI)
と入力し、Page Views (URI) ダッシュボードを開きます。
- [More (さらに表示)] メニューで、[Clone in New Tab (新規タブにコピー)] をクリックします。
- コピーしたダッシュボード名の横にある鉛筆アイコンをクリックして、[Account Page Views (取引先ページビュー)] に変更します。
続いて、データセットをダッシュボードに追加して、レイアウトを調整します。
- Analytics Studio で、[URI_With_Account_Data dataset (URI_With_Account_Data データセット)] を検索して選択します。
- [Bars (棒)] の横にある [+] をクリックして、[Account Name (取引先名)] を選択します。
- 上記の手順を繰り返し、User.Name でグループ化します。
- ツールバーで、デザイナーにクリップアイコンをクリックし、レンズに
URIWithAccountAndUserNames
という名前を付けてから、[Clip to Designer (デザイナーにクリップ)] をクリックします。
- [Account Page Views (取引先ページビュー)] ダッシュボードに戻ります。
- 右側のクエリリストから、[URIWithAccountAndUserNames] レンズをダッシュボード上の表示したい位置にドラッグします。Shift キーを押しながらドラッグすると、他のダッシュボードパネルが自動的に他の場所に移動します。新しいパネルのデフォルトサイズが小さすぎる場合は、サイズを変更します。
- ツールバーで、ダッシュボードを保存します。次に、[Preview (プレビュー)] をクリックして確認します。
アプリケーションを共有する
あと 1 つの手順は、アプリケーションを CIO と共有することです。
- Analytics Studio のホームタブに戻ります。
-
[Created By Me (自分が作成)] セクションに移動し、[Analytics for CIO (CIO 向け Analytics)] アプリケーションタイルの横にあるドロップダウンメニューをクリックして、ドロップダウンメニューから [Share (共有)] を選択します。
- Julie Chavez を検索してアプリケーションの編集者として追加したら、[追加] をクリックします。
-
[Save (保存)] をクリックします。この結果、Event Monitoring Analytics を使い始めることを促すメールが Julie に送信されます。
まとめ
地道な作業を丹念に成し遂げましたね。Julie からは、次回はあなたのお気に入りのレストランでランチしましょう、というお誘いメールが届きました。
もちろん、Salesforce システム管理者としての仕事はこれで終わりというわけではなく、今後も随時微調整が必要になるものと思われます。けれども差し当たり、Event Monitoring Analytics の作成プロセスを完了させた自分を褒めてあげましょう。
Event Monitoring Analytics をさらに向上させる目的で、この Salesforce アプリケーションをモバイルデバイスにインストールすることを検討します。そうすれば、外出先でも、オフィスやコンピューターの前にいなくても、ダッシュボードを確認できるようになります。