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システム内の誠実性の維持

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 公正競争法について概説する。
  • インサイダー取引を定義する。
  • Salesforce のビジネスに適用される国際貿易の法規制について説明する。
  • ビジネス記録の誠実性を維持する方法を説明する。
  • 倫理的な問題を Salesforce に提起する方法を特定する。

Salesforce パートナーとしての公平な競争

賄賂や利益相反のような行為によってエコシステムの公平性が損なわれるように、貿易慣行の中にもパートナーに不当な便益をもたらし得るものがあります。とりわけ Salesforce ではパートナーに、公平な競争と、独占禁止法および競争法の遵守を求めています。これらの法律は、組織間の公正な競争を確保するものです。

次のシナリオを見てみましょう。

Frank は政府機関向けのアプリケーションを開発する PolitiCloud Services 社の社長です。Claire は PolitiCloud Services 社の競合相手である Oval Industries 社を率いています。どちらも Salesforce コンサルティングパートナーです。

タブレットコンピューターを見ている Claire と Frank
国会議事堂

Claire と Frank はかつての同僚で、今でも定期的に話をしています。両社は政府向け市場の二大勢力で、この状態を維持したいと考えています。PolitiCloud Services 社と Oval Industries 社の最新製品のリリース時に、Frank と Claire は、他の競争相手を抑え込む目的で低価格で販売することを取り決めます。

価格協定というこの慣行により、市場に人為的な制限が加えられます。これは Salesforce パートナーとして回避すべき各種の違法な貿易慣行のうちの 1 つです。公正競争法の他の違反行為には次のものがあります。

  • 入札談合 (競合企業が特定の入札者が勝てるようなやり方で入札することに合意する)
  • 市場の分割または配分 (競合企業が販売対象を特定の市場に限定することに合意する)
  • ボイコット (競合企業が特定の顧客またはサプライヤーを排斥することに合意する)
  • 競合企業が相互の従業員を雇用しないことに合意する

上記のような合意は契約書が交わされていなければよいというものではありません。非公式の合意や口頭の了解でも、公正取引法に違反する可能性があります。競合他社と Salesforce について話しているときにこのような問題が生じた場合は、ただちに会話を中断して報告してください。

競争法に関する質問がある場合は、各社の法務リソースにお問い合わせください。

インサイダー取引

Salesforce パートナーになることで、Salesforce や他の企業に関する重要な非公開情報にアクセス可能になることがあります。重要な情報とは、然るべき投資家が、企業の株式、債券、その他の有価証券を購入、売却、または保有するかどうかを決定する上で重要とみなすと考えられる情報です。重要な非公開情報を認識している間に、有価証券を売買してはならず、取引する可能性のある他者にこの情報を提供してもなりません。

次に例を示します。

Dorothy は Salesforce チャネルパートナーである Twister 社に勤務しています。Twister 社の最大手の顧客企業の 1 つである Gold Brick Bank 社の会議に出席します。Dorothy はこの会議で、Gold Brick 社が Twister 製品のお陰で本四半期に記録的な収益を達成したことを知ります。Gold Brick 社は、週の後半にこの四半期決算を発表する予定です。

卓上で多数の書類が交わされている会議

会議の後、Dorothy が Gold Brick 社の株価を調べると、信じられないことに、同社の株は史上最安値で取引されています。Dorothy は会議で知り得た情報を基に、株式を多少なりとも購入したいという気に駆られます。

幸い、Dorothy は重要な非公開情報を保有している間に株式を購入すればインサイダー取引とみなされ、違法となることを知っています。そして、同社の株式の取引は、Gold Brick 社が決算を公開するまで待つべきことを認識しています。

取引先に要注意: 輸出入規制

Salesforce ではパートナーに対して、Salesforce のビジネスに適用されるすべての国際貿易法令の遵守を求めています。これらの法令により、技術、ソフトウェア、知的財産、技術情報に制限が課されることがあります。そのため、販売先の人々や場所に注意を払うことが重要です。

ソフトウェアのダウンロードやSAASの提供など Salesforce の国際取引には、輸出規制法および経済制裁法が適用されます。技術が規制の対象となるのは、データを保護するために暗号化が使用されるためです。対象の技術には次のようなものがあります。

  • デスクトップクライアント
  • モバイルクライアント
  • セキュアな転送
  • コラボレーションクラウド

さらに、米国政府は取引禁止業者の各種リストを保持しています。リストに掲載されている個人、企業、その他の団体の所在地が世界のどこであれ、パートナーがその対象者と取引をすることは禁じられています。

米国の禁輸措置や貿易制裁により、パートナーが個人または組織と取引できない国もあります。

リストおよび関連規制は随時変更されるため、定期的に各社の法務リソースに問い合わせて、確実に遵守するようにしてください。

財務の誠実性、記録、会計

ビジネス界にいるならば、正確かつ詳細な帳簿および記録の保持がいかに重要かをご存知でしょう。基本的に、帳簿および記録には、ビジネスの過程で作成されたあらゆるドキュメントやコミュニケーションが含まれます。Salesforce では帳簿および記録に基づいて、決算報告、必要な法的申告、ビジネスの決定を行っています。したがって、パートナーが Salesforce との取引を正確に記録していることが欠かせません。

Skyler の事例を見てみましょう。Skyler は Salesforce チャネルパートナーである Bizeke 社の会計部門の責任者です。Bizeke 社の CEO は、Salesforce とエンドユーザー企業の Heisen 社との間の取引を成立させようとしています。Bizeke 社にとってこれは今年最大の取引であるため、CEO は Skyler に Bizeke 社の資産やキャッシュフローを水増しするよう指示します。CEO は、Bizeke 社の財務状態が健全で、大規模プロジェクトを請け負うことが可能であるように見せかけたいと考えています。

タブレットコンピューターを見ている Skyler

Skyler は良くないことと思いながら、その指示に従います。Bizeke 社は、偽装した帳簿および記録を使用して取引を成立させます。

数か月後、Bizeke 社はこの大規模なプロジェクトによって資金繰りが悪化し倒産してしまいます。破産を宣告し、Heisen 社とのプロジェクトから手を引かざるを得なくなります。

Bizeke 社は、不正確な財務情報を提示することで、Salesforce と Heisen 社の両方を欺いたことになります。さらに、Bizeke 社の行為は違法で、すべての関係者に深刻な悪影響を及ぼしました。パートナーは、Salesforce、自社、およびその顧客に悪影響を及ぼす可能性のある状況を回避するために、可能な限り最善の財務報告書を提示する必要があります。

質問の提起および問題の報告

Salesforce は、当社の倫理水準を維持するためにパートナーを頼りにしています。パートナーの協力を得るために、当社では安心して懸念を提起したり、助けを求めたりすることができる環境の構築に尽力しています。

各自の会社、他の Salesforce パートナー、Salesforce 従業員の疑わしい行動を目撃した場合は、EthicsPoint 報告ラインに連絡できます。

EthicsPoint は、サプライヤーの行動規範のポリシーに対する違反を報告するための Salesforce のホットラインです。年中無休で利用でき、地域の法律で認められる場合は懸念を匿名で報告できます。EthicsPoint の連絡先を手元に控えておけば、違反が疑われた場合にすぐに対処できます。

当社では、サードパーティパートナーに対し、違反の疑いを誠実に報告した人に対して報復しないよう求めています。報復しないということは、ある人が正直かつ誠実に倫理的または法的な報告をした場合、たとえ報告が真実でないことが判明したとしても、Salesforce パートナーが報告者を処罰してはならないことを意味します。

Salesforce は、EthicsPoint に提起されたすべての報告を調査して対処します。調査に関与するパートナーには、全面的に協力し、提出可能な情報をすべて共有することを求めます。当社は、調査の過程において、報告者に関する守秘義務および匿名性 (妥当な場合) の確保に全力を尽くします。

まとめ

この単元では多くのことを説明してきました。賄賂からインサイダー取引までさまざまなことを取り上げました。中でも特に重要な点は、Salesforce パートナーとして倫理的に行動するとはどういうことかを検討したことです。

Salesforce では、パートナーに Salesforce サプライヤーの行動規範を読んで遵守することを義務付けています。サプライヤーの行動規範をすべて注意深く読み、同僚にも読むよう促します。

当社では、四半期に一度実施するサードパーティパートナー向けの倫理トレーニング Web セミナーへの参加を奨励しています。関心がある場合は、Salesforce の担当者が次回のセミナーへの登録をお手伝いします。詳細は、Salesforce パートナーコミュニティで確認できます。

そして、繰り返しになりますが、特定のポリシーや法律について質問がある場合の最善の行動は、各社の法務リソースに問い合わせることです。

懸念を EthicsPoint に報告

Salesforce に倫理的および法的な問題を報告することの重要性について説明しました。当社では、そのエコシステムを公正に、かつ調和よく機能させ続けるために、パートナーを頼りにしています。

ここに記載のいずれかのポリシーへの違反が疑われる場合は、当社の倫理ホットライン EthicsPoint を使用して Salesforce に報告してください。EthicsPoint は年中無休で利用できます。

Salesforce パートナープログラムの倫理および誠実性の維持に取り組んでいただきありがとうございます。

リソース

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