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倫理に反する行為の回避

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce の機密情報を保護するためにはどうすればよいかを説明する。
  • 賄賂およびキックバックを特定する。
  • 利益相反を認識する。

Salesforce とのパートナーシップの保護

Salesforce では、パートナーのビジネス上の機密情報の保護を極めて重視しています。そして同様に、パートナーにも Salesforce の機密情報の保護を求めています。当社の明示的な承諾なしにこうした情報を開示してはなりません。

たとえば、あなたが Salesforce の特定の機能と連動して動作するアプリケーションを開発しているとします。開発の過程で、この機能を構築している Salesforce の製品マネージャーに連絡を取ります。打ち合わせの途中で製品マネージャーが、Salesforce がまだ発表していない新機能について口にします。ただし、この機能は秘密保持契約によって保護されています。ドキドキします!

ご存知のとおり、機密情報を他者と共有すること、公然と話すこと、不当な便益を得るために使用することはできません。

Salesforce のパートナーである間に知り得た、次のような企業情報についても同じことが言えます。

  • Salesforce との契約の条件
  • Salesforce のビジネス計画およびマーケティング計画
  • Salesforce の知的財産および技術情報
  • Salesforce のビジネスプロセス
  • 従業員または請負業者の個人情報
  • Salesforce の顧客情報

賄賂およびキックバックの認識

Salesforce およびそのパートナーは、倫理的なビジネス実践を確約しています。これは、当社の製品の品質、競争力のある価格、卓越したカスタマーサービスに基づいて成功を目指すことを意味します。そして、不適切な支払い、豪華な贈答品、贅沢な接待などを用いた非倫理的な方法で潜在顧客に影響を与えないことを意味します。

Salesforce のためにビジネスを行う場所がどこであれ、パートナーは腐敗防止法を遵守する必要があります。米国の海外腐敗行為防止法 (FCPA)、英国の贈収賄法、世界各国の同様の法律がこれに該当します。Salesforce サプライヤーの行動規範でも、民間企業と公的機関の両方で贈収賄が禁じられています。

何よりも重要な点は、Salesforce に代わって業務を行う場合、相手が誰であれ絶対に賄賂を支払ってはならないということです。誰であれというのが極めて重要で、政府関係者、顧客、サードパーティの開発者、顧客の親類縁者を含むほかのあらゆる人を意味します。賄賂とは、受領者の行動に不適切または不正な影響を及ぼすことを目的に、直接的または間接的に授受される何らかの価値のあるもののことです。賄賂の申し出、支払い、あるいは受領により、深刻な結果を招くおそれがあります。

(具体的にどのような人が「政府関係者」に該当するのでしょうか? 政府の部局や機関の職員または政府の業務の代行者はすべて政府関係者に該当する可能性があります。大規模な公益事業や公営病院など、公営事業の従業員も政府関係者とみなされます。)

民間企業では一般に、ビジネスの儀礼的な習慣や年末年始の贈答品などは賄賂とみなされません。ただし、公的か民間かを問わず、提案依頼 (RFP) の期間中に高級品の授受があれば問題になります。

Elena の事例を紹介しましょう。Elena は政府機関の CTO です。もう 1 人の登場人物は Fausto です。Fausto は Salesforce の再販パートナーに勤めています。Fausto が Elena に電話して、説得力のあるセールストークを展開します。話し終えたとき、Elena がこう言います。「優れた製品のようですね。次回の RFP に御社の製品を含めるかどうか週末の間に検討しておきます。」

Elena Fausto

翌日、自宅にいる Elena の元に Fausto から、市内でも指折りの高級リゾートの週末スパの全額支払済みギフト券が入った封筒が届きます。1,100 ドルもするものです。同封のメッセージには「ごゆっくりと RFP についてご検討ください……」と記されています。

これは容認されるでしょうか? もちろん、容認されません! 賄賂は、不適切な目的でビジネス上の決定に影響を与えるために授受される何らかの価値のあるものです。「何らかの見返りを求めるもの」と考えることができます。贅沢な休暇やスポーツの VIP 観戦チケットは、倫理に反する形でビジネスに影響を及ぼすほんの一例に過ぎません。前述のとおり、民間企業では概して食事の接待は問題ありません。けれども 500 ドルのワインはおそらく問題になります。

キックバックを受領または提供することも、Salesforce サプライヤーの行動規範に反します。キックバックとは何でしょうか? これは、ビジネス提携を促進するために報奨として支払われた (または支払われる予定の) 金額を払い戻すことです。

賄賂やキックバックに頼るようなことがあれば、Salesforce との関係は間違いなく終了します。

利益相反

Homer と Herb は双子の兄弟で、親友です。お互いに何でも打ち明けます。Homer は Salesforce AppExchange パートナーの主任開発者です。Herb は Salesforce の買収チームに所属しています。

このことに問題はあるでしょうか?

Homer と Herb の関係は、容易に利益相反につながるおそれがあります。利益相反とは、個人が、雇用者やパートナー組織 (この場合は Salesforce) の利益を最優先にせず、その本人が個人的に不当な便益を得る状況です。

利益相反となり得る例として次の状況が挙げられます。

  • あなたと Salesforce の関係により、パートナー、従業員、または家族が融資または恩恵を受ける場合
  • Salesforce に属するビジネス機会を知る得る場合
  • パートナーおよびサプライヤーが Salesforce の従業員やその家族を雇用する場合、または Salesforce の従業員やその家族がパートナーおよびサプライヤーの支配権をもつ場合
  • Salesforce の従業員に高額な贈答品 (会社ではなく従業員に便益をもたらすもの) を提供する場合

たとえば、Herb が Homer に、Salesforce がパートナーエコシステムに多大な影響を及ぼす大規模な買収を行っていると話したとします。Homer はこの情報を自身が勤めるパートナー企業にそのまま伝えます。同企業はただちに買収先のプラットフォームに統合するアプリケーションの企画に取り掛かります。そうすれば、この AppExchange パートナーは、買収完了の時点で、競合他社よりも優位な位置に付けます。

机に向かう Herb と Homer

この状況は、明白な利益相反に該当します。この AppExchange パートナーは、Salesforce エコシステムにおいて他の AppExchange パートナーよりも優位な立場にあります。Homer と Herb が家族関係にあり、この兄弟が Salesforce の専有機密情報を保護しなかったためです。

当社はパートナーに、潜在的および実際的な利益相反を回避することを求めています。この状況においては、Homer は Herb との関係を Salesforce に速やかに開示すべきであり、Herb から聞いた情報に基づいて行動すべきではありませんでした。Herb は情報を教えるべきではなく、Homer の会社との関係を管理する立場にいるべきでもありませんでした。

この要点は、Salesforce パートナーの活動に関する実際的または潜在的な利益相反を、社内のリソースおよび Salesforce に開示するということです。この開示義務は、Salesforce との関係が続く限り持続します。

よい話のように思えても再考する

パートナーは、Salesforce 従業員に贈答品を提供したり接待に招待したりする際、利益相反 (利益相反と思われるものを含む) とならないように注意を払う必要があります。一般に、特定の地域でビジネス上の儀礼として物品のやり取りが適切であることもありますが、次の場合に該当するときは贈答品の授受や接待を絶対に行わないでください。

  • 極端に高額な場合
  • 義務感を与える場合
  • ビジネス上の決定に影響を及ぼす意図をもって提供する場合

当社では、パートナーや Salesforce 従業員が時として、個人的または仕事上の感謝の意を贈答品や接待という形で示したいと思うことを理解しています。したがって、パートナーや Salesforce 従業員には、特に時節の挨拶としての贈答品や自社名入りの物品、ビジネスの会合としての接待など、一定のささやかな贈答品または接待が認められています。けれども、Salesforce 従業員に 150 米ドルの価値を超える贈答品を提供しないでください。

いかなる場合においても、提案依頼 (RFP) その他のベンダー選定プロセスの期間中に、Salesforce 従業員に対して贈答品や接待の提供を行ってはなりません。さらに、量や金額に関係なく、Salesforce 従業員に現金または現金等価物 (ギフトカードなど) を渡してはなりません。

賄賂や利益相反に関する Salesforce のポリシーや国内法への違反など、倫理上の懸念はいつでも報告できることを覚えておいてください。最後の単元で、当社の EthicsPoint ホットラインを使用した報告方法について説明します。

リソース

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