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ユーザー管理の習慣を理解する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Salesforce システム管理者の主な責務の 1 つであるユーザー管理の役割について説明する。
  • Salesforce でユーザーエクスペリエンスをデザインしてカスタマイズする場合のベストプラクティスを実践する。
  • アクセスを合理化し、組織の効率性を高める計画を立てる。
  • 関係者にエンゲージし、ユーザー採用を測定し、ユーザーガイドを管理するためのコミュニケーション手法とツールを導入する。

ユーザー管理とは?

ユーザー管理はシステム管理者の 5 つの主な責務の 1 つで、アクセスの設定、採用の測定、ユーザーの観察とコミュニケーションなどが該当します。この単元では、ユーザー管理の主な要素を中心に説明します。

Salesforce の [User Access Summary (ユーザーアクセスの概要)] ページ

ユーザーエクスペリエンスをデザインしてカスタマイズする

ユーザーが必要とする Salesforce アプリケーション、機能、データにアクセスできるようにすることはシステム管理者の責任です。たとえ短期間でもアクセスできなければ、生産性に重大な影響が及ぶおそれがあります。あなたがそのアプリケーションの構築に携わっていたかどうかや、チームに配属されたばかりかどうかには関係なく、ユーザー管理のベストプラクティスに従えば、こうした中断を回避できます。

1 つ目のベストプラクティスは、ユーザーと定期的にミーティングを行い、相手が使用する環境、つまり Salesforce でユーザーを観察することです。さまざまなユーザーと定期的に面談してその様子を観察し、ユーザーエクスペリエンスをできるだけ最適なものにするためのフィードバックを収集します。相手と直接会う場合でも、オンラインミーティングの場合でも、その目標は同じです。ユーザーの日常的なワークフローの改善点を見つけ出すことです。

その際に次のような質問をします。

  • 通常はこのタスクをどのように達成していますか?
  • 今でも Excel にエクスポートしているレポートはどれですか?
  • どの他部門とやり取りしていますか?
  • このプロセスにやりにくい部分はありませんか?

ユーザー観察の出発点は、組織内の各プロファイルまたはペルソナから少なくとも 1 人を選定することです。一般従業員、マネージャー、ビジネスリーダーと話をする時間を設け、その過程で学んだビジネスプロセスの各部を図示します。各グループやロールに順番に話を聞くようにします。すべてのユーザーのエクスペリエンスを検討するためです。

差し当たり、コーヒーを飲みながら 15 分間のオンラインミーティングをスケジュールします。サービスチームと営業チームではデータの入力方法が違うなど、些細な点に注意を向けます。両者の項目の並べ方が異なっているかもしれません。こうしたわずかな変更が採用に大きな影響を及ぼしているかもしれず、最初にアプリケーションをロールアウトした時点では見逃されていた可能性があります。​​

会話中は、ビジネスプロセスと価値に関する話し合いに終始します。Salesforce 固有の用語は避け、プラットフォーム上の課題をどのように解決するのかユーザーに尋ねることもしません。代わりに、最適化や機能強化が可能な点を見極めます。時として、ミーティングで最適化が可能な部分が特に見つからないことがあります。それでも構いません。観察セッションで気付いた点を記録し、ビジネス関係者にサマリーを提出して、今後の機能強化に役立てるようにします。こうしたミーティングを「ユーザーフィードバック」アプリケーションを構築する機会ととらえ、すべてのドキュメントが Salesforce に保存されるようにすることも一案です。

プロファイル、権限、ロール、グループを管理する

組織での Salesforce の浸透度に応じて、数種のプロファイルが作成されていることもあれば、数百種のプロファイルが存在する場合もあります。プロファイルが多数ある場合には、ユーザーとのミーティングでユーザーエクスペリエンスを向上させる方法がなかなか見出せないことがあります。また、プロファイルが多様な場合も、そのすべてに関連機能が設定されているため、リリースに時間がかかることがあります。このベストプラクティスは、組織のプロファイル数を減らす継続的なプロジェクトを立ち上げることで、 その第一歩は関係者の賛同を得ることです。プロファイルを整理すれば、要望にすばやく対応できるようになることを説明します。すでに存在するプロファイルの削減は一朝一夕にできるものではありませんが、思っているほど時間はかかりません。

可能な場合は、ユーザーにまず「最小アクセス - Salesforce」プロファイルを割り当てます。続いて、権限セットと権限セットグループを使用して、ユーザーに必要な特定の権限のみを付与します。権限セットは基本的に、ユーザーがさまざまなツールや機能にアクセスできるようにする設定と権限のバンドルで、プロファイルを変更しなくても機能を拡張できます。このアプローチは、Salesforce でユーザー権限を管理する推奨方法です。

役職に応じて権限を付与するのではなく、各ユーザーが遂行する職務に合わせて権限セットを調整します。小さな権限セットコンポーネントを使い回すようにすれば、多様なロールや機能ごとに多数のプロファイルを作成するという複雑な作業を回避できます。詳細は、Salesforce ヘルプの「権限セット」セクションを参照してください。

レポートと採用

採用とは基本的に、機能が十分に活用されているかどうかを測定する方法です。採用を測定するには、ユーザーが各自の業務に Salesforce のどの機能を使用することになっているか確認する必要があります。たとえば、Sales Cloud に搭載されている標準機能や、カスタムオブジェクトや項目、自動化を使用して構築したカスタム機能がこの対象になります。採用状況を明確に把握するために、対象となる機能のリストを作成し、それぞれのレポートの作成方法を決定します。定期的に確認すれば、あなたが行った設定をチームが使用しているかどうかを明確に把握できます。採用トレンドを常に確認していれば、変化をいち早く察知して、関係者の最新情報やユーザーガイドに反映させることができます。

機能が期待したほど採用されていないことに気付いたときは、関係者とのミーティングが、使用を妨げているものが何なのかを突き止める絶好の機会になります。こうしたコミュニケーションによってユーザーの関与が維持され、ユーザーも自分の意見が尊重されていると感じます。さらに、知り得た貴重なインサイトを基に設定を微調整して結果を向上させることができます。

採用を検討するときのベストプラクティスは、ユーザー監査を実施することです。監査の前に、有効なユーザーのリストが最新の状態であることを確認します。ここで重要な点は、Salesforce にアクセスする必要がある人のみをリストに記載し、アクセスする必要がなくなった人は無効にすることです。毎月のメンテナンスの一環として、あるいは新しいアプリケーションをインストールする前や各 Salesforce リリースの前、または少なくとも四半期に 1 回は Org Check (Salesforce Labs から提供されている無料商品) を実行することを検討します。インストール後は、アプリケーションランチャーからいつでも Org Check を実行でき、メンテナンス活動を継続的に管理できます。グローバルビューでは、Salesforce インスタンスのメタデータの状態を把握でき、改善可能な領域が強調表示されます。

Salesforce インスタンスの規模によっては分析に時間がかかることもありますが、Org Check を定期的に確認する習慣がつけば、組織全体と技術的負債をすばやく分析できるようになります。このアプリケーションでは、グローバルビューがメタデータを種別ごとに分類し、「良い点」と「悪い点」に分けて表示してくれます。グラフによる可視化に加えて、オブジェクト、OWD、ユーザー、自動化などへのドリルダウンも可能です。

関係者とコミュニケーションをとる

次のベストプラクティスは、関係者とコミュニケーションをとることです。この場合の関係者とは、Salesforce にビジネスプロセスを設定しているチームを率いる人々です。たとえば、Sales Cloud を使用している場合は営業マネージャー、Nonprofit Cloud を使用している場合は資金調達マネージャーがこれに該当します。各人にとって都合のよいコミュニケーション手段を確認し、部門リーダーと定期的な月次ミーティングを設定します。各チームのニーズや Salesforce の状態、採用や利用状況のメトリクス、ユーザーとのミーティングで得られたフィードバックや改善点について話し合います。終了後に要約を送信して、全員の認識を一致させます。

ユーザーガイドを作成して管理する

システム管理者のもう 1 つのベストプラクティスは、ユーザーガイドを作成して管理することです。この最初のステップは、ドキュメントが作成されていることを確認することです。作成されていない場合、組織用のドキュメントを作成することはシステム管理者の責任です。

職務別のユーザーガイドを用意し、必要に応じてほかの Salesforce システム管理者のためのガイドも作成します。Quip、Google ドキュメント、サードパーティの AppExchange アプリケーションのほか、もちろん Salesforce 自体のツールも使用できます。さまざまなソリューションの中から自分に適したものを見つけます。

可能な場合は、ヘルプテキスト、説明、アプリケーション内ガイダンスといったネイティブ機能を使用して、ユーザーにアプリケーションの使用法を案内します。

もちろん、最新のビジネスプロセスに合わせて、こうしたドキュメントをすべて最新の状態に保つ必要があります。

AI とエマージングテクノロジー

AI や Agentforce などの最新テクノロジーを検討するときは、機能やツールによってどの程度時間を節約できるか考慮します。ベストプラクティスとして、ユーザーとのすべてのやり取りやフィードバックを管理する「ユーザーフィードバック」アプリケーションを構築することを検討します。さらに、こうしたフィードバックの要約に Agentforce がどの程度有用か見極めます。業務の流れの中に AI を組み込めば、次回のミーティングの準備やユーザーセンチメントの要約に役立ちます。

上記のベストプラクティスを一貫して適用すれば、ユーザーや関係者と信頼関係を築き、ビジネスプロセスを合理化し、全般的なユーザー採用を向上させることができます。次の単元では、システム管理者の主な責務のデータ管理について学習します。

リソース

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