レベルの作成およびエンゲージメント計画との組み合わせ
学習の目的
- Nonprofit Success Pack のレベルを定義する。
- 取引先責任者用のレベルを作成する。
- レベルとエンゲージメント計画を組み合わせる。
レベルによる取引先責任者のランク付けとグループ化
Nonprofit Success Pack (NPSP) のレベルを使用すると、取引先責任者に異なるランクを割り当て、このランクに基づいて取引先責任者をグループ化して、設定した条件の変更に応じて取引先責任者を自動的に移行させたり、再グループ化したりできます。
たとえば、NMH の開発ディレクターである Aniyah は、エンゲージメント計画の一環として見込み支援者に的を絞って育成する ToDo を作成して意欲的に取り組む一方で、NMH の既存の支援者の管理にも力を注いでいます。彼女はレベルを使用して、支援者をその寄付金の累計に基づいて自動的にグループに割り当てたり、再割り当てしたりしています。
NMH の支援者は、次の 3 つのカテゴリに分類されます。
- ブロンズ: 1 〜 100 ドルの寄付
- シルバー: 101 〜 199 ドルの寄付
- ゴールド: 200 ドル以上の寄付
支援者には、最初の寄付によって自動的にレベルが割り当てられますが、支援を増やして累計金額が現在のレベルを超えると、次のレベルに移行します。最初に 75 ドルを寄付してブロンズグループに割り当てられた支援者が追加で 100 ドルを寄付すると、累計金額が 175 ドルとなり、シルバーグループに移行します。
NMH のコミュニケーションスペシャリストの Michael はレベルを別の方法で活用しようと考えています。彼の案は、支援ボランティアが開催したイベントの数に応じてレベルに分け、各レベルのボランティアが特有のニーズに適したサポートリソースを利用できるようにするというものです。
レベルの設定
NMH のシステム管理者は、支援ボランティアをグループ化して達成状況を理解するのにレベルが適していることに同意しました。NPSP のレベルは数値に基づいていなければならないため、Michael はボランティアの成果を示すデータポイントを決める必要があります。これには、開催したイベントの合計数が最適です。
Michael は、イベントの合計数に名前と範囲を作成します。
- 優良支援ボランティア: イベント開催が合計 0 ~ 3 回
- 超優良支援ボランティア: 4 ~ 6 回
- エース支援ボランティア: 7 ~ 9 回
- A1 支援ボランティア: 10 回以上
Michael がレベルの範囲を考えている間、NMH のシステム管理者は取引先責任者オブジェクトをカスタマイズしました。取引先責任者がコミュニティ支援ボランティアであれば、その取引先責任者レコードには、新たに [支援レベル]、[合計支援イベント数]、[以前の支援レベル] という項目が追加されます。
また、システム管理者は [支援レベル] 項目をハイライトエリアにも追加したため、Michael とほかのチームメンバーは取引先責任者の支援ボランティアレベルをすばやく簡単に見ることができます。
システム管理者は、チームが使いやすいように、ページレイアウトに独自のレベル項目を追加できます。 詳細は、Salesforce ヘルプの「Configure Levels (レベルの設定)」を参照してください。
エンゲージメント計画の追加とレベルアップ
レベルにより、NMH のスタッフはボランティアの支援業務と支援者のサポートを理解して報告できますが、Michael の目標はボランティアの分類だけではありません。Michael が望んでいることはレベルを使用して、各グループが特有のニーズに基づいてカスタムサポートやリソースを利用できるようにすることです。
たとえば、超優良支援ボランティアレベルは、最低 4 回のイベントを開催していますが、イベントの規模は比較的小さいと言えます。Michael は、彼らのこれまでの努力を称えつつ、もっと成長できるように刺激して鼓舞したいと考えています。このレベルの人たちには、NMH の地域イベントを開催するためのヒントと、地域のホームレスの情報を視覚的に表したインフォグラフィックを送ります。謝意としては、手書きのカードと NMH のトートバッグも送りたいと考えています。
3 つの ToDo はどの支援ボランティアにも共通です。これは、エンゲージメント計画に最適なユースケースです。NMH は超優良支援ボランティアがエースを目指せるように「Ace Advocate Avenue」という計画を作成します。また、ほかのレベル間の移行用のエンゲージ計画テンプレートを作成します。
レベルはすぐに計算されるのではなく、毎晩のバッチで計算されることを覚えておいてください。誰かのレコードが更新され、次のレベルに移行する準備ができたとしても、その変更は翌日まで NPSP には反映されません。チームが変更をすぐに確認する必要がある場合は、システム管理者が手動でレベルを再計算できます。
レベルの確認
レベルとエンゲージメント計画を組み合わせて、支援ボランティアを昇格させるためのいろいろな計画を作成したことは、NMH にとってプラスに作用しました。スタッフは誰もが ToDo の自動割り当ての一貫性と効率性を気に入り、ボランティアは報奨と安定したコミュニケーションを前向きに評価しています。
Michael は、Salesforce の技術を磨き続け、レベルとエンゲージメント計画をさらに容易に管理するための 2 つの機能を発見しました。
リストビュー
Michael は、最初に NMH チームに参加したときに、選択した条件に基づいてレコードをリストとして整理するリストビューの作成方法を覚えました。このリストビューを利用して、支援ボランティアをレベル別に並べ替えます。取引先責任者の支援ボランティアレベル別のビューにより、同じレベルのすべての人々を同じページに一緒に表示できます。
レポート
[レポート] タブには、エンゲージメント計画 ToDo という標準 NPSP レポートがあります。レポートでは、すべての進行中の ToDo、それらの割り当て先、それぞれの状況を見ることができます。
これらのツールを活用することで、Michael はボランティアサポーターのエンゲージメント戦略をまったく新しい次元へと引き上げることができます。そして Michael の真似をすることで、あなたもレベルアップができます。
レベルについて理解したところで、次はエンゲージメントスコアという役に立つツールを学習します。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Create and Manage Levels (レベルの作成と管理)
- Trailhead: 対象となる見込み支援者の特定
- Salesforce ヘルプ: NPSP レポートワークブック
- Trailhead: リストビューの作成およびカスタマイズ