Agentforce Vibes について知る
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce がお客様のデータをどのように保護するかを説明する。
- Agentforce Vibes によって開発者の生産性がどのように向上するか説明する。
- Agentforce Vibes で利用可能な生成 AI ツールを挙げる。
Agentforce Vibes 拡張機能とは?
Agentforce Vibes 拡張機能 (旧称: 開発者向け Agentforce) は、開発者の生産性を飛躍的に高め、複雑な開発ワークフローを自動的に実行することを目的に設計されたエージェント型 AI ツールのスイートです。
主な機能
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Agentforce: 情報を提示するだけでなく、アクションを実行するインテリジェントな開発パートナーです。Agentforce (旧称: 開発者エージェント) は MCP を搭載したエージェント型チャットを通して、コマンドの実行や複雑なワークフローの自動化のほか、Salesforce 組織に直接接続することもできます。Agentforce があれば、ツールを切り替えることが減少し、自然言語による会話でテスト、リリース、メタデータ操作の効率性が向上します。
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インラインオートコンプリート: Agentforce Vibes では、入力中にコード補完が提案され、作業の流れが中断することがありません。提案の中から適したものを簡単に選択できます。この機能は Apex ファイルと LWC (JavaScript、CSS、HTML) ファイルで使用できます。
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Apex と LWC のテストケースの生成: Agentforce Vibes を使用して、Apex メソッドや LWC コンポーネントの単体テストを簡単に記述し始めることができます。必要なテストカバー率をすばやく達成し、コードをリリースする準備を進めます。
Agentforce があれば、自然言語を使用して、コードの生成、Apex クラスや Lightning コンポーネントの構築、ソリューションの実装、組織の管理を実施できます。インテリジェントなワークフローの自動化を中心に構築されているため、効率性を求める経験豊富な開発者にとっても、Salesforce プラットフォームについて学んでいる初心者にとっても強力なツールになります。
インテリジェントな開発パートナーとなる Agentforce Vibes は、従来のペアプログラミングの枠を超え、開発プロセス全体で開発者の代わりにアクションを実行します。開発者向けの AI エージェントである Agentforce は、Salesforce のセキュアなカスタム AI モデルの匿名化されたコードパターンから学んだ専門知識を活用して、コマンドを実行したり、組織とやり取りしたり、複数ステップのワークフローを完了したりすることができます。その過程で、コードの自動生成やテスト、推奨される統計分析ツールやセキュリティスキャンツールといった開発のベストプラクティスを適用します。
Agentforce Vibes 拡張機能は Salesforce DX プロジェクトで使用できます。Salesforce 拡張機能パックの一部として Visual Studio Marketplace で入手できます。VS Code IDE にインストール可能で、Agentforce Vibes IDE に事前インストールされています。
Salesforce の信頼できる生成 AI
Salesforce は、信頼できる生成 AI の 5 つの原則に従うように Agentforce ソリューションを、設計、開発、提供しました。
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正確性: Salesforce のモデルでは、正解率、適合率、再現率を重視しています。Salesforce は可能な限り、モデルの出力とソースについて説明しています。エンドユーザーと共有する前にモデルの出力を人間がチェックすることをお勧めします。
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安全性: 業界最先端の手法を使用して、モデル内のバイアスや有害な出力を軽減するように取り組んでいます。個人識別情報 (PII) に対するガードレールを追加して、データのプライバシーを保護しています。
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誠実性: モデルに使用するデータの来歴を尊重し、データを使用する同意を得ていることを確認しています。
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能力強化: 可能な限り、ワークフローの一部として人間の関与が含まれるようにモデルを設計しています。
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サステナビリティ: 正確性を重視した適切なサイズのモデルを構築し、カーボンフットプリントを削減するように取り組んでいます。
開発用の AI モデル
Agentforce Vibes 拡張機能は、Salesforce のカスタム大規模言語モデル (LLM) とサードパーティのモデルを活用し、AI アシスタンスの柔軟なオプションを備えています。
標準モデル
Agentforce の標準モデルは、Salesforce の SFR モデルです。このモデルは特に、コード関連のタスクを処理し、チャットなどのインタラクティブ機能をサポートするよう調整されています。SFR モデルは、コードの十分な理解と複雑な推論を必要とするタスクの処理に十分な機能と、Salesforce の開発ワークフローを支援する信頼性を備えています。
プロモデル (サードパーティ)
Agentforce の場合、ユーザーは Salesforce でホストされるほかのモデルにもアクセスできます。また、指定されたトークンや要求の上限まではプレミアムモデルランクを利用できます。この上限に達すると、Salesforce でホストされるモデルに自動的にフォールバックします。サードパーティモデルはすべて、Salesforce 信頼境界内、または共有信頼ゾーンの内部の Salesforce パートナーによって運用されています。Salesforce ではこの機能に応じてモデルを選択します。
始める前に
Agentforce Vibes を使い始める前に、Salesforce テレメトリーを有効にする必要があります。Salesforce テレメトリーは Salesforce の生成 AI が正しく機能していることを監視、監査します。VS Code または Agentforce Vibes IDE で次の手順を実行するだけで簡単に有効にできます。
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[File (ファイル)] | [Preferences (個人設定)] | [Settings (設定)] (Windows または Linux) または [Code (コード)] | [Settings (設定)] | [Settings (設定)] (macOS) を選択します。
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salesforcedx-vscode-core.telemetry.enabledを検索して、ワークスペースで Salesforce テレメトリー設定が有効になっていることを確認します。
- 設定が有効になっていない場合は、チェックボックスをオンにしてテレメトリーを有効にします。
- 次に、
telemetry(テレメトリー) を検索し、[Telemetry: Telemetry Level (テレメトリー: テレメトリーレベル)] のドロップダウンメニューから [all (すべて)] を選択します。
- ターミナルを開き、
sf config set disable-telemetry=false --globalを実行して、CLI テレメトリーを有効にします。
- Mac の場合は Command + Shift + P キー、Windows の場合は Ctrl + Shift + P キーを押して、コマンドパレットを開き、Developer: Reload Window を実行します。
Agentforce Vibes 拡張機能はデフォルトで、デスクトップアプリケーションで有効になっているため、Salesforce 組織の [Set Up (設定)] メニューから起動できます。ステータスバーのアイコンをクリックすれば、Agentforce Vibes をいつでもオフにできます。

基本を理解できたところで、この後の単元では各機能を詳しく見ていきましょう。
