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EDA のカスタマイズ

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • EDA の一般的なカスタマイズについて説明する。
  • 各自の機関のニーズに合わせた EDA のカスタマイズについてサポートが得られる場所を認識する。
メモ

このモジュールでは、Education Cloud の管理パッケージバージョンに関する情報を提供しています。2023 年 3 月以降、新しいお客様と移行したお客様は、管理パッケージではなく統合プラットフォームソリューションを使用します。統合プラットフォームソリューションについての詳細は、Education Cloud のドキュメントを参照してください。

Education Data Architecture (EDA) は、教育機関が独自のキャンパスコミュニティを反映する Salesforce インスタンスを作成するための出発点になります。EDA は、各自の機関ですでに稼働しているプロセスやシステムに合わせてカスタマイズする必要があります。

この単元では、EDA のカスタマイズの 3 つの主要なトピックを中心に説明します。最初に、EDA の一般的なカスタマイズの詳細を確認しながら、カスタマイズを開始する方法を解説します。次に、Open Source Commons や Power of Us のアイデアなど、コミュニティビルドのリソースを確認します。そして最後に、各自の機関のカスタマイズ計画を実行準備時のコラボレーションやサポートのオプションについて説明します。

EDA の一般的なカスタマイズ

ほとんどの場合、EDA をそのまま実装してすぐさま使用するということはありません。その理由は、どの学校も独自の方法で運営されているからです。EDA は、あらゆる規模や形態の教育機関の根幹的なデータモデルとなるもので、Salesforce プラットフォームの導入時に必要となるコア機能にアクセスできる一方で、各校がこのプラットフォームの柔軟性を活かして他の項目やオブジェクト、自動化を追加できるようになっています。二つとして同じ学校はないと述べたものの、多くの学校が同様のユースケースに対処するために一般的なカスタマイズを実施していることを私たちは見てきました。

各カスタマイズの設定に要する作業レベルはそれぞれ異なります。Salesforce システム管理者が処理できるものもあれば、コンサルティングパートナーや開発者との連携が必要となる可能性が高いものもあります。ここで重要な点は、これらのカスタマイズを必ずしもすべて実装する必要はなく、一度にすべてを実装する必要もないことです。下表の項目を確認しながら、各自のアーキテクチャを適切に機能させるためには「必須」と思われるものを選び、いずれ装備したいと思う他の項目も選択しておきます。各自のどの特定のユースケースにも該当しないため選択しなかった項目がある場合、現時点ではその項目をスキップし、将来何らかの変更があったときに再検討します。

カスタマイズ

目的

構築の難易度

実行する手順

学生 ID 項目

データの一貫性を確保することや、学生情報システム (SIS) やその他のアプリケーションと同期させることなどを目的とします。

複雑性 - 低

取引先責任者レコードページにカスタム項目を追加します。

メモ: この項目をインテグレーションで使用すると複雑性が増すため、インテグレーションスペシャリストに任せることをお勧めします。

取引先の命名規則

管理取引先と世帯取引先の名前は、取引先に関連付けられている取引先責任者の名前に基づいて自動的に生成されます。学生人口が多い教育機関ではこの方法が理想的でないことがあります。必要に応じて、世帯取引先の命名規則を変更します。

複雑性 - 低

取引先の命名規則は [EDA 設定] の [システム] で確認でき、このモジュールの単元 1 にカスタマイズの手順が記載されています。

数値評価ではなくレター評価

EDA で成績の追跡に使用する標準項目は数値です。けれども、学校の中には成績を文字で表すところがあるため、SIS とのインテグレーションで、数値ではなく文字に基づく成績を追跡できる項目が必要になることがあります。

複雑性 - 中

[履修科目] レコードページに [レター評価] カスタム項目を追加し、必要に応じて文字と数値の成績を自動変換する数式を使用します。

専攻/副専攻

EDA ではアカデミックプログラムという概念を使用していますが、学生がある教科を専攻し、別の教科を副専攻にすることが少なくありません。

複雑性 - 中

取引先を使用して専攻と副専攻を追跡し、学生取引先責任者レコードに所属を設定します。SIS と統合する場合は、プログラムプランスタックを 1 つの取引先に折りたたみます。

重点研究領域

専攻と副専攻のほかに、重点研究領域を追跡します。

複雑性 - 低

プログラムにテキスト項目か選択リスト項目を追加します。あるいは、重点研究領域を追跡するレコードタイプを設定し、さらにプログラム登録オブジェクトに参照項目を追加した取引先を使用します。

学生用住居

施設オブジェクトは従来、教室に関連する場所を保存する目的で使用されてきましたが、若干のカスタマイズで学生用住居データの保存にも使用できます。

複雑性 - 中

取引先責任者オブジェクトと施設オブジェクト間の連結オブジェクトを作成し、施設オブジェクトに新しいレコードタイプを設定すれば、住居関連施設を教室関連施設と区別できます。


いくつかの一般的なカスタマイズの概要を把握したところで、各自の機関に合わせた EDA の調整に取りかかる方法を見ていきましょう。

Salesforce AppExchange の EDA Readiness Initiative

Salesforce AppExchange は Salesforce をすばやく簡単に拡張するための手段です。ビジネスのあらゆる問題に対処する数千種のソリューションが揃っており、わずか数回のクリック操作でインストールできます。ここで教育機関のシステム管理者が注意すべき点は、Salesforce AppExchange で見つけたアプリケーションが EDA に適していることを確認することです。そこで役立つのがこの EDA Readiness Initiative です。

Education Data Architecture (EDA) Readiness Initiative の Web サイト

EDA Readiness Initiative を使用すると、EDA に対応する AppExchange のアプリケーションをすばやく見つけられるほか、EDA で機能することを自己認定済みのアプリケーションを 1 か所で確認できます。詳細は、Salesforce AppExchange の [EDA Readiness Initiative] ページを参照してください。この単元の末尾にある「リソース」セクションに [EDA Readiness Initiative] ページへのリンクが記載されています。

Open Source Commons

Salesforce.org の Open Source Commons プログラムは、信頼性、継続性、持続可能性にまつわる懸念を解決または対処するオープンソースコミュニティの取り組みをサポートすることを目的としています。このプログラムでは、教育機関向け Salesforce のお客様やパートナーの多様なニーズに対応する、有用性、互換性、持続可能性を備えたコミュニティ主導のオープンソースソリューションを利用できます。

たとえば、University of St. Thomas が学部の入学審査のために Salesforce を導入した際、現行のイベント管理ツールも交換する必要があることを認識しました。複数の部署で機能し、IT 部門のサポートをさほど要しないツールが必要でした。University of St. Thomas の CIO が既存のイベント管理ツールをいくつか検討した結果、先を見据えた最善策は、Salesforce.org の Open Source Commons プログラムを利用して独自のツールを構築することであると判断しました。この大学が構築したイベントアプリケーションは、オープンソースのため、多様なニーズに対応できると同時に、コミュニティのコラボレーションによって維持されます。つまり、1 人の所有者が専有するのではなく、関係者のコミュニティに所有権が解放されるということです。Salesforce.org の Open Source Commons プログラムや、University of St. Thomas のユースケースについての詳細は、「リソース」のそれぞれのリンク先を確認してください。

IdeaExchange

教育コミュニティの他のメンバーとの協力的な取り組みを促進するもう 1 つの方法は、Trailblazer Community の IdeaExchange を活用することです。教育コミュニティは IdeaExchange で、EDA の新たな機能強化を提案して投票したり、同業者、パートナー、Salesforce.org の技術製品チームとコラボレーションしたりすることができます。

IdeaExchange で新しいアイデアを投稿したり、既存のアイデアにプラス投票したりします。
一押しのアイデアや気に入ったアイデアがある場合は、ぜひ送信や投票をしてください。アイデアの人気度 (プラス投票やコメントの件数で判断) から、ユーザーがどのアイデアに着目し、Salesforce.org の技術製品チームにどのアイデアを検討してもらいたいと思っているかを Salesforce が把握できます。

EDA のカスタマイズに関するサポート

各自のカスタマイズに内部チーム外のリソースを要するが、コミュニティビルドのオプションに適合するものがないといった状況になった場合、Salesforce エコシステム内に他にいくつかサポートを求められる場所があります。EDA で複雑性の高いカスタマイズタスクに取り組む段階になった時点で、次の 3 つのオプションを検討します。

  • Salesforce コンサルティングパートナー
    教育コミュニティへのサービスを専門とする Salesforce 認定コンサルタントを見つけます。パートナーと提携すれば、EDA の実装時に貴重な専門知識や経験を活用して、カスタマイズを迅速に達成することができます。

  • Salesforce.org の Success Services
    Salesforce.org の Success Services と提携すると、EDA ジャーニーの各フェーズで認定エキスパートやスペシャリストのサポートを受け、リソースを利用することができます。「常時利用可能」な専門知識やデータに基づくインサイトを参考に、戦略的なロードマップを立てることができます。

  • プロボノプロジェクト
    Salesforce のプロボノ (無料奉仕) プロジェクトでは、Salesforce のプロフェッショナルを高等教育機関に紹介し、Salesforce の実装の効果を最大限に引き出し、組織を刷新できるようにします。各自の機関に Salesforce の (トライアルではない) ライブインスタンスがある場合は、プロボノサービスに申し込んで紹介プロセスを開始できます。プログラムのガイドラインでは、適度な期間内 (10 ~ 20 時間程度) に完了が見込まれる限定的なプロジェクトが推奨されています。

教育機関の固有のニーズに合わせた EDA のカスタマイズは重要で、取り組む価値があります。この単元で学んだとおり、通常カスタマイズではサポートやコラボレーションを必要とします。ですから、助けが必要なときは、躊躇うことなくコミュニティにサポートを求めてください。このすぐ後の盛りだくさんの「リソース」セクションが、カスタマイズの適切な出発点になります。

先に進む準備ができたら、次の最後の単元で EDA のデータのインポートとインテグレーションについて学習しましょう。

リソース

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