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ビジネス情報の質を評価する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 質問することで、必要な情報を特定する。
  • 情報の質を友人や同僚に説明する。
  • 情報のバイアスと悪用を避ける。

多数の質問をすることから始める

1 人の人物が頭の上に「?」を浮かべて手を挙げている、一列に並んだ 7 つの頭の漫画。「多数の質問をすることから始める」というテキスト表示。

組織の IQ を知ることができたらすばらしいと思いませんか? もちろん、IQ とは情報の質 (information quality) のことです。私たちは、十分な情報に基づいた意思決定を行ったり、顧客、同僚、組織の成功をサポートするビジネスイニシアチブにおいて他者と協力したりするために、情報の質に依存しています。ただし、情報の質はさまざまです。高価な機器を購入したマネージャーが、後不完全な仕様に基づいて購入を決定したこと、またその新しい機器では会社が将来実施を計画している種類の業務に対応できないことを後になって気付いたとしたらどうでしょう。これはいけませんね。

それぞれの状況ごとに独自の情報要件があるため、多くの質問をすることから始めることをお勧めします。よくあるのは、何が必要かを知っているつもりになり、このステップをスキップしてしまい、後になって見当違いだったことに気付くという場合です。Peter Drucker が要約したように、質問のステップをスキップすると、重大なミスにつながる可能性があります。

眼鏡を手に持っている Peter Drucker の写真。
「最も重大なミスは、間違った答えの結果として起こっているのではない。本当に危険なのは、間違った質問をすることである。」
Peter F. Drucker



経営陣レベルでは、Drucker の最も重要な 5 つの質問は、ビジネスの性質や顧客に提供される価値について熟考する際に役立ち、下表に示すように、情報要件を特定するのに使用できます。詳しくは、「ドラッカースクール — ビジネスパフォーマンスの基本」モジュールを参照してください。

Drucker の最も重要な 5 つの質問

Q. 情報の要件:
私たちの目的はどのようなものか?


目的を定義と達成に役立つか?

顧客は誰か?

顧客をより深く理解するのに役立つか?

顧客にとっての価値は何か?
顧客にとっての本当の価値は何かを特定する必要があるか?

私たちの成果はどのようなものか?
目的の達成度を測るのに役立つか?

私たちの計画はどのようなものか?
目的の達成に向けた計画を立て、進捗状況を監視するのに役立つか?

アプリケーションレベルでは、次の質問リストを試してみてください。リストは完全ではありませんが、この質問が正しい方向に導いてくれます。


アプリケーションレベルの情報ニーズの調査に関する質問


  1. 顧客や組織のパフォーマンスレベルで何を達成しようとしているのか?
  2. 直面している特定の問題、課題、機会はあるか?
  3. 役に立つ既知の因果関係、モデル、フレームワーク、または業界標準はあるか?
  4. 誰がその情報を使用して意思決定を下したり、対応策を実行したりするのか?
  5. 情報に基づいて、どのような意思決定が下されたり、対応策が実行されたりするのか?
  6. どの程度の情報の質が必要か?
  7. 情報の形式や提示に関する要件はあるか?

システム管理者と開発者は、情報要求を改善するために、上記のアプリケーションレベルの質問を使用することができます。これにより、システム変更が機能するようになる可能性があります。「維持に関するより詳細なレポート」という漠然とした要求は、次のようなより実行可能なアジャイル風のユーザーストーリーに簡単に変えることができます。

「顧客維持率を向上させるため、取引先管理チームは、潜在的な取引先の問題に対する警告をより適切に把握することを要求しています。取引先マネージャーは、潜在的な取引先の問題を未然に特定し、対処する責任を担っています。この要求を満たすために、取引先マネージャーは、(a) 取引先別にグループ化されたカスタマーサービスへの通話量の日次、週次、月次の概要、および (b) 担当する取引先のカスタマーサービスに重大度の高い電話がかかってきたときのプッシュアラートを要求しています。」

ご覧のように、質問ステップの実行にはさまざまな方法があります。覚えておくべき重要なことは、このステップをスキップしないことです。このステップは、目の前の仕事に必要な正しい情報を特定するのに役立つためです。

IQ 評価を実行する

コンピュータータブレットの画面上の円グラフに虫眼鏡をかざしている両腕の漫画。「IQ 評価を実行する」というテキスト表示。

どの情報を収集すべきかを特定する場合、または既存の情報を評価する場合、IQ 評価を実施することを強くお勧めします。IQ 評価は、情報要件を特定し、既存の情報が使用に適しているかどうかを判断する際に役立ちます。また、IQ 評価は情報のユーザー受け入れを向上させ、意思決定を改善するのにも役立ちます。調査に基づいて、IQ は次の側面を使用して評価することができます。

IQ の側面
情報の状態
本質的 IQ
  1. 正確であるか?
  2. 信ぴょう性があるか?
  3. 信頼できるか?
  4. 客観的であるか?
コンテキスト IQ
  1. 付加価値があるか?
  2. 関連性が高いか?
  3. 完全であるか?
  4. タイムリーであるか?
  5. 量は適切か?
表現 IQ
  1. 理解可能であるか?
  2. 解釈可能であるか?
  3. 簡潔な表現であるか?
  4. 一貫性のある表現であるか?
アクセシビリティ IQ
  1. アクセスしやすいか?
  2. 操作しやすいか?
  3. 安全であるか?

IQ の側面や特性は非常にシンプルに見えますが、情報の操作性に関しては、難しい判断が必要になることもよくあります。たとえば、ある家電業界のマーケティング担当者が、マーケティングの興味深いベストプラクティスが書かれたレポートを偶然目にしました。ただし、それは 10 年以上前に製薬業界向けに作成されたレポートであり、聞いたこともないサードパーティ企業によって作成されていました。この場合、マーケティング担当者は、そのレポートの調査結果が利用できるかどうかを判断する必要があります。IQ の特性を使用すると、答えるべき重要な質問には次のような質問があります。

  • レポートは、信頼できる客観的なソースで作成されているか?
  • 調査結果は、あるコンテキスト (製薬業界) から自分のコンテキスト (家庭用電化製品) へ一般化できるか?
  • 調査結果が更新された入手可能な新しい報告書はあるか?
  • 自分の業界向けの入手可能な類似のレポートはあるか?

IQ 評価の実施に時間をかけることで、将来、大きな頭痛の種が発生しないようにすることができるかもしれません。

バイアスの罠を回避する

開いている鉄の罠の口を飛び越える人の体の漫画。「バイアスの罠を回避する」というテキスト表示

情報の質の最大の敵はバイアスです。情報バイアスは、誤った、さらには有害な意思決定につながる可能性があります。バイアスについて、またその根本原因を知ることで、バイアスを回避することができます。

職場では、中立性や客観性に欠ける人間の傾向や視点によってバイアスが生じることがよくあります。たとえば、ある人 (またはグループ) が何かについて確固たる意見を持っている場合 (または過去に何かについて強硬な姿勢を取ったことがある場合)、その意見を補強するような方法で情報を生成、解釈、提示するかもしれません。また、ある従業員は、自分のプログラムのパフォーマンスに関して有利な情報のみを提示し、問題点を省いたり、軽視したりするかもしれません。バイアスは、特定の結果を出すよう動機付けされた人が作成した著作物にも見られることがあります。例としては、有料ブログや公平そうに見えて実はそうでないレポートなどが挙げられます。

私たちが知っていることの多くは研究から明らかになっていたり、多くの人が研究で自分の見解を裏付ける傾向があったりするため、研究に関するバイアスの定義が少し異なることを知っておくと役に立つかもしれません。

「研究においてバイアスが発生するのは、『ある結果や答えを他よりも優先して選択したり推奨したりすることによって、サンプリングやテストで体系的誤差が生じる』場合である。バイアスは、研究デザインやデータ収集だけでなく、データ分析や公表のプロセスなど、研究のあらゆるフェーズでも起こる可能性がある。」出典: NCBI。 

体系的な誤差やバイアスをできる限り減らすため、研究者は厳密かつ公平な方法で研究を行うようトレーニングされています。生成される情報の信頼性を高められるように、多くの一流学術誌は、研究論文を掲載する前に二重盲査読プロセスを使用しています。このシステムは完璧ではありませんが、他のソースで使用されているプロセスよりもはるかに厳格である傾向があります。特に一流誌に掲載された学術研究が多くの人に信頼されがちなのはそのためです。

まとめ

この単元では、目の前の仕事に必要な情報の性質を特定するための質問戦略のベストプラクティスをいくつか説明しました。また、情報の質 (IQ) の側面と特性を情報の評価でどのように使用できるかについても説明しました。次の単元では、情報の解釈と伝達のベストプラクティスを見ていきます。

リソース

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