マッチングギフトの作成
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- マッチングギフトを提供する組織を識別して追跡する。
- マッチングギフトの対象となる支援を行う。
- 組織からのマッチングギフトを記録する。
他にも Nonprofit Success Pack (NPSP) が自動的にソフトクレジットを割り当てる方法として、マッチングギフトがあります。マッチングギフトとは、従業員が対象となる非営利団体に支援を行うと、それに基づいて会社が行う支援です。多くの場合、企業は従業員の支援と同額の支援を行うため、基本的に従業員の当初の支援額が 2 倍になります。マッチングギフトは、自分の支援が 2 倍になる支援者と、1 回の依頼から 2 倍の支援を受け取る非営利団体の双方にメリットがあります。
当然、マッチングギフトの追跡と認識は、1 回の支援よりもやや複雑です。幸い、NPSP でこれに対応できます。
マッチング組織の識別と追跡
NPSP でマッチングギフトの管理を設定するには、まず、マッチングギフトを提供する企業を入力して追跡します。NPSP の組織取引先レイアウトには、[マッチングギフト パーセント]、[年間従業員最大金額]、[マッチングギフト 最大金額]、[マッチングギフト メール] など、マッチングギフトプログラムを実施している企業に関する情報を追跡するのに役立つ複数の項目が標準で含まれているセクションがあります。
再び No More Homelessness (NMH) の開発担当者 Sofia と一緒に、Cloud Kicks の取引先レコードを編集して、Cloud Kicks をマッチング企業として追跡しましょう。Sofia は取引先レコードを開き、[Matching Gift Information (マッチングギフト情報)] セクションの [マッチングギフト 会社] オプションをオンにします。
NMH 組織で、Sofia はこのセクションに、会社のマッチングギフトパーセント、ギフト管理者の連絡先情報、期限情報など、他の情報も入力しました。これらの項目は、マッチングギフトの使用に必須ではありませんが、[マッチングギフト 会社] をオンにすると、リストビューやレポートでこれらの企業が大幅に識別しやすくなります。
マッチング対象となる支援の作成
では、従業員の支援とそのマッチング先を作成するプロセスを手順に沿って確認していきましょう。NMH の熱心なボランティアであり、擁護者であり、支援者でもある Candace Evans を覚えていますか? Candace Evans は実は Cloud Kicks の従業員です。彼女は、NMH に $100 の支援を行うときに、それに対して Cloud Kicks がマッチングしてくれる旨を伝えます。NPSP でマッチングギフトを正確に追跡するには、まず個人支援者の支援 (マッチングギフトの対象となる支援) が必要であるため、Candace はこのことを知らせる必要があります。
各自の組織で Sofia と一緒に、Candace の支援を新規商談レコードとして入力してみましょう。
1.従業員の取引先責任者レコードに移動します。
2.[関連] タブをクリックし、[商談] 関連リストまでスクロールダウンし、[新規] をクリックします。
3.[マッチングギフトの取引先] が従業員の会社であることを示します。(参照項目を使用して Salesforce の取引先を検索できます)。この例では、Sofia は「Cloud Kicks」と入力します。
4.[マッチングギフトの状況] を [可能性] または [送信済み] とマークします (会社のマッチングギフトポリシーで、マッチングギフトを受け取るために他の作業が必要かどうかを確認する必要が生じることもあります)。
5.新規支援を保存します。
ここで待機します。マッチングギフトが入金されたら、会社からのマッチングギフトを作成します。
会社からのマッチングギフトの作成
数週間後、Cloud Kicks から、Candace の支援のマッチングギフトであることを示す $100 の小切手が届きました。再び、Sofia と一緒にマッチングギフトを入力しましょう。
1.適切な取引先レコードに移動します。
2.[商談] 関連リストにある [新規] をクリックして、新規支援レコードを作成します。
3.レコードタイプとして [マッチングギフト] を選択します。[次へ] をクリックします。
4.組織の支援に対して通常行うように、支援の詳細を入力します。マッチングの詳細についてはまだ入力しません。
5.レコードを保存します。
6.[商談] 関連リストで、作成した新規商談の名前をクリックします。
7.商談レコードの右上隅で、[マッチングされた支援の検索] をクリックします。NPSP に、マッチングされていない成立した商談がリストされ、Cloud Kicks がマッチング取引先として指定されます。
8.この支援にマッチングすべき商談を選択し、合計が期待額と一致することを確認します。
9.[保存] をクリックします。
これで、両方の商談レコードの [関連] タブにマッチングされた支援が表示されるようになりました。
誰もミスをしないなら問題ないのですが、支援者が会社にマッチングギフトプログラムがあることを事前に伝えなかったらどうなるでしょうか? その場合でも、NPSP では、該当する支援を検索し、会社のマッチングギフトに関連付けることができます。
Cloud Kicks がもう 1 枚小切手を送ってきました。今回は、Erica Douglass のマッチングギフトとして $50 です。ただし、Erica は元の支援をするときに Cloud Kicks で働いていることを伝えなかったため、Sofia はその支援をマッチングギフトの可能性ありとマークしませんでした。
では、Sofia と一緒に Erica の孤立した支援を正しいマッチングギフトにつなげましょう。
1.マッチングギフトレコードタイプを使用して、会社から商談を作成します。
2.[マッチングされた支援の検索] をクリックします。Sofia は Erica Douglass からの元の支援を [可能性] または [送信済み] のマッチングギフトとしてマークしなかったので、インターフェースは空白のままです。でも、心配はいりません。それでも元の支援を見つけることができます。
3.[他の支援を検索] をクリックします。
4.[他の支援を検索] ダイアログボックスで、支援について知っている情報をすべて入力し、[検索] をクリックします。(ヒント: 検索条件は、戻される結果ができるだけ少なくなるように入力します。たとえば、「2019 年の支援すべて」などと検索しないでください)。可能性のある商談がリストに追加されますから、そこから該当する商談を選択できます。
5.Sofia は Erica Douglass の商談レコードを選択し、[保存] をクリックします。
個人の元の支援が [マッチングされたギフト] 関連リストにリストされます。Cloud Kicks 取引先の関連リストに戻ると、新しい情報が表示されています。
Sofia が [$50 Matching Gift] をクリックすると、マッチングされた支援者 (Erica Douglass) に対して、マッチングギフトの支援者に指定された役割で取引先責任者の役割が自動的に作成されています。(マッチングされた支援者にすでに取引先責任者の役割がある場合、マッチングギフトの役割で既存の取引先責任者の役割が上書きされることはありません。)
マッチングギフトで、ソフトクレジットが部分的ソフトクレジットと呼ばれるもので割り当てられています。現時点でこの点について気にする必要はありません。取引先責任者レコードでの部分的ソフトクレジットの積み上げ集計は、他のソフトクレジットと同様です。NPSP では、企業から高額の小切手 1 枚が送付され、複数の支援者にソフトクレジットを割り当てる必要がある場合に備え、マッチングギフトに部分ソフトクレジットを使用しています。部分ソフトクレジットについては次の単元で詳しく説明します。
元の支援 (商談) レコードに戻ると、[マッチングギフトの状況] が [受信済み] に更新され、[マッチングギフト] 項目が会社のマッチングギフトにリンクされています。
Erica の取引先責任者レコードでは、$50 の支援のハードクレジット、マッチングギフトのソフトクレジットに $50 が表示されています。
ソフトクレジットは取引先責任者レコードの表示に即時反映されないことを覚えておいてください。自動計算されるまで一晩待つか、システム管理者に依頼して手動で積み上げ集計の一括更新を実行するか、[積み上げ集計の再計算] ボタンを使用する必要があります。
NPSP ではデータやリレーションを処理するだけでなく、部分マッチングも処理できるのです。次の単元でも引き続き NPSP がソフトクレジットの使用をどのようにサポートして拡張するかを、組織での部分ソフトクレジットの使用方法を詳しく見ながら確認します。