Distributed Marketing のエクスペリエンスの管理
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- キャンペーンをジャーニーに接続する。
- クイック送信用ジャーニーを有効にする。
- キャンペーンマーケットプレイスを作成する。
- 設定をテストする。
Distributed Marketing のインストールと設定が終わりました。最後のステップは、承認済みのブランド独自のコンテンツをエンドユーザーに届け、エンドユーザーが有益なメッセージを顧客に送信できるようにすることです。この単元では、Distributed Marketing 管理者 (通常は上級マーケティング担当者) が、ジャーニーをキャンペーンまたはクイック送信に結び付け、キャンペーンマーケットプレイスを追加する方法を見ていきます。最後に、設定をテストして問題がないことを確認する方法も説明します。
キャンペーンのジャーニーへの接続
すでに学習したとおり、Marketing Cloud Engagement ジャーニーには、カスタマージャーニー戦略の一環として作成したイベントやメッセージが設定されています。Marketing Cloud Engagement ジャーニーを他のクラウドのキャンペーンに結び付ければ、ビジネスユーザーが Marketing Cloud Engagement にログインしなくてもジャーニーのコンテンツにアクセスできます。
前の単元で、キャンペーンメッセージコンポーネントをキャンペーンオブジェクトに追加しました。ジャーニーをキャンペーンに結び付けてビジネスユーザーに共有するには、Salesforce の [キャンペーン] に移動して、結び付けるキャンペーンをクリックします。[キャンペーンメッセージ] コンポーネントで、[キャンペーンを接続] をクリックします。
このキャンペーンに関連付けるアクティブな Marketing Cloud Engagement ジャーニーを検索して選択します(Distributed Marketing に複数のビジネスユニットを追加している場合は、ビジネスユニットを選択してからジャーニーを選択します)。これで終わりです。キャンペーンとジャーニーが接続されます。[キャンペーンメッセージ] コンポーネントに、接続されたジャーニーのメールアクティビティと SMS (テキスト) アクティビティが表示されます。
間違ったジャーニーを追加してしまっても、心配いりません。キャンペーンにまだメンバーが追加されていなければ、[キャンペーンメッセージ] コンポーネントで、 をクリックし、[ジャーニーを管理] をクリックして、別のジャーニーを選択できます。
準備ができたら、通常の共有手段を使用してキャンペーンをビジネスユーザーに共有します。ビジネスユーザーは、コンテンツをプレビューして変更し、選択したオーディエンスに送信できます。度々変更する手間を省くために、デフォルトのコンテンツを変更することもできます。Salesforce 共有ルールをビジネスユニットに適用している場合、ビジネスユーザーがコンテンツを表示や送信するためには、ビジネスユニットとキャンペーンの両方へのアクセス権が必要です。
クイック送信ジャーニーの有効化
すでに学習したとおり、クイック送信ではユーザーが直接メールを取引先責任者、リード、個人取引先に送信できます。レコードレイアウトにクイック送信コンポーネントを追加したら、シングルメールジャーニーを有効にして、ユーザーがこのコンポーネントのジャーニーにアクセスできるようにします。
クイック送信のジャーニーを有効にする手順は、次のとおりです。
- アプリケーションランチャーで、[Distributed Marketing の管理] に移動します。
- [使用可能なジャーニー] リストから有効にするジャーニーを選択して、[追加] をクリックします。
- [変更を適用] をクリックします。
注意すべき重要な点は、クイック送信では、ジャーニーの再エントリが認められることと、ジャーニーにメールの送信アクティビティのみが設定されていることという 2 つの要件を満たすジャーニーのみがサポートされることです。また、Salesforce 共有ルールをビジネスユニットに適用している場合は、ビジネスユーザーに適切なビジネスユニットへのアクセス権を付与する必要があります。
キャンペーンマーケットプレイスの追加
大半のビジネスユーザーは、使用可能なコンテンツの長いリストのスクロールに時間を取られたくないと考えます。幸い、キャンペーンマーケットプレイスを使用してコンテンツを整理することができます。共通のカテゴリやテーマ、意図に基づいて、キャンペーンのコレクション、つまり、マーケットプレイスを作成して共有します。たとえば、新規コンテンツ、主要コンテンツ、注目のトピック、基本事項、オピニオンリーダーキャンペーンなどのマーケットプレイスを作成することが考えられます。
マーケットプレイスごとにデザインをカスタマイズして重要な情報を強調することができます。また、どのマーケットプレイスもリストビューを備えているため、ごく簡単に作成して管理できます。さらに、各キャンペーンのマーケットプレイスタイルにカスタム画像を追加することもできます。
詳細は、Salesforce ヘルプの「キャンペーンマーケットプレイスの設定」を参照してください。
設定のテスト
Distributed Marketing のインストールと設定が完了したら、次は設定をテストして、すべて予想どおり機能することを確認します。テストするには、Marketing Cloud Engagement Content Builder でメールを作成し、Marketing Cloud Engagement Journey Builder でジャーニーをアクティブにしてから、Sales Cloud でそのメールとジャーニーを処理します。
Marketing Cloud Engagement コンテンツの作成
Marketing Cloud Engagement コンテンツを作成する手順は、次のとおりです。
- Marketing Cloud Engagement で、[Content Builder] に移動します。
- HTML メールを作成します。
- Distributed Marketing の画像、プレーンテキスト、リッチテキストのいずれかのコンテンツブロックをメールにドラッグします。
- コンテンツブロックを好きなように構成します。
- 住所やプロファイルセンターリンクなどの必須情報を追加します。システム生成フッターを使用すれば、必須情報を自動的に記載できます。
ヒント: Content Builder のメールを直接 Journey Builder で作成または編集できることをご存知ですか? この便利な方法では、わずかなクリック操作で、Distributed Marketing で使用するコンテンツを作成または管理できます。
次に、ジャーニーを作成して、この新しいメールをジャーニーに追加します。
Marketing Cloud Engagement ジャーニーの作成
すでに学習したとおり、Distributed Marketing を使用するうえでジャーニーは不可欠です。クイック送信やキャンペーン送信として使用するジャーニーを Marketing Cloud Engagement で作成しましょう。
- Marketing Cloud Engagement Journey Builder で [Create (作成)] をクリックします。
- [API イベント] エントリソースをジャーニーキャンバスにドラッグします。
- このモジュールの前半で作成した独自のイベントデータエクステンションを使用してエントリソースを構成します。
- 1 つの [メール送信] アクティビティをキャンバスにドラッグします。
- このモジュールの前半で作成したメールと送信者プロファイルを使用してアクティビティを構成します。
- 取引先責任者エントリモードを選択します。このジャーニーをクイック送信で使用する場合は、[いつでも再エントリ] と [終了後にのみ再エントリ] のいずれかを選択します。
- ジャーニーに名前を付けて、説明を追加します。「DM Test Email」(DM テストメール) という名前を付けることにします。
- ジャーニーを保存してアクティブにします。
ヒント: 基になるコンテンツに変更を行った場合は、必ず Journey Builder のアクティビティを更新します。忘れずに更新する最適な方法は、コンテンツを Journey Builder 内で変更することです。
Sales Cloud でジャーニーとメールが表示されることを確認します。
最初のクイック送信の実行
作成したジャーニーが適切な構成で、Distributed Marketing に追加済みのビジネスユニット内にあれば、[クイック送信ジャーニー] リストにそのジャーニーが表示されます。
- Sales Cloud で、アプリケーションランチャーに移動して、[Distributed Marketing の管理] を選択します。
- ページの [クイック送信ジャーニー] セクションを確認します。
- [DM Test Email (DM テストメール)] を選択します。
- [追加] をクリックします。
- [変更を適用] をクリックします。
簡単でしょう。これで、新しいジャーニーのビジネスユニットへのアクセス権があるビジネスユーザーが、新しいメールを選択してパーソナライズし、顧客リストの誰にでも送信できます。では、送信プロセスがどのようなものなのか見てみましょう。
Sales Cloud の取引先責任者、リード、個人取引先のいずれかのレコードに移動します(あなた自身のメールアドレスが設定された取引先責任者を使用することをお勧めします。そうすれば、[送信] をクリックしたときに、実際に新規メールを受け取ることができます)。[クイック送信メッセージ] コンポーネントで、[メッセージ] 項目をクリックして、テストメッセージを検索します。次に をクリックしてメッセージをカスタマイズします。
ウィンドウが開き、そこでメッセージをカスタマイズして送信できます。デフォルトでは開いたウィンドウがプレビューモードのため、[編集] をクリックして、Distributed Marketing コンテンツブロックで何ができるかを確認します。操作可能な要素が強調表示されています。ブロックをパーソナライズする要素をクリックします。編集が済み、テストの準備が整ったら、[送信] をクリックします(前述のとおり、実際の顧客のメールアドレスではなく、あなた自身のメールアドレスが設定された取引先責任者レコードを使用していることを確認します)。
お疲れ様でした!
キャンペーン送信
クイック送信の例を見てきましたが、グループの人々にメッセージを送信する場合や、複数のメッセージがあるジャーニーなど複雑なエンゲージメントの場合はどうすればよいのでしょうか? そのようなケースには、Distributed Marketing のキャンペーンを使用します。さらに、キャンペーンは、キャンペーンインフルエンスレポート、他の共有モデル、キャンペーンマーケットプレイス (前述) のような優れた追加機能を備えています。
キャンペーン送信をテストする手順は、次のとおりです。
- Sales Cloud で、キャンペーンレコードに移動します。
- キャンペーンを作成したジャーニーに結び付けます(キャンペーンをジャーニーに結び付ける前述の手順に従います)。
- キャンペーンをジャーニーに結び付けたら、[キャンペーンメッセージ] コンポーネントにテストメールが表示されていることを確認します。
コンテンツをプレビューするために、キャンペーンメッセージコンポーネントの をクリックします。モーダルが編集モードで開きます。このモーダルでは、管理者やビジネスユーザーがメールへのデフォルトの変更を行うこともできます。
Distributed Marketing テキストブロックに何かを入力して、どうなるか見てみます。
デフォルトの変更を行ったら、ターゲットオーディエンスを作成します。
- 標準の [キャンペーンメンバー] コンポーネントで、[取引先責任者の追加] をクリックします。
- あなた自身の取引先責任者レコードを選択してキャンペーンに追加します。
- ページを更新します。[キャンペーンメッセージ] コンポーネントに [保留中のメンバーを表示] ボタンが表示されます。
- まだメッセージが送信されていないキャンペーンメンバーのリストを表示するには、[保留中のメンバーを表示] をクリックします。リストに自身が表示されていますか?
- あなたの名前の横にあるチェックボックスをオンにします。
- [パーソナライズ] をクリックします。
- 先ほど編集したコンテンツ領域を確認します。この時点で修正した内容がデフォルト値になっています。必要に応じてメッセージをさらにパーソナライズしてから、[保存して閉じる] をクリックします。
- [承認] をクリックします。
- [送信] をクリックしてメッセージを自分自身に送信します。
ユーザーが Distributed Marketing を使用開始する準備の完了
このモジュールでは、Journey Builder と Distributed Marketing が連携して、クラウドのデータを共有したり、メッセージの中でブランドを管理したりする仕組みを学習しました。インストールと設定を完了し、Distributed Marketing ユーザー環境を設定しました。これで、ブランド独自のメッセージをすばやく簡単に送信する機能をユーザーに体験してもらう準備ができました。そのためユーザーが顧客にエンゲージして、確固たる関係を構築できるようになります。