ロードマップを作成する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 戦略的ロードマップを作成する。
- SMART な総計値を特定する。
戦略的ロードマップ
次のミッションは、組織の意向と合致したインパクトのあるロードマップを作成することです。都合の良いことに、ロードマップをゼロから考案する必要はありません。この単元では、ロードマップを最大限に活用するための実証済みのヒントをご紹介します。
ロードマップを作成すると言うと、ビジネスについて語っているように思えるかもしれません。けれども、マーケティングでも取り組む価値があります。目標を追跡する (さらには、あなたの仕事を管理職に披露する) ためには、現在と将来のマーケティング活動の計画を立てる必要があります。こうした計画が、各自の活動を進展させてテストし、調整する新たな方法を考案する際の指針になります。ここでは右脳を働かせ、創造力を発揮して計画を練っていきます。
ドラフトを作成する
Yasmin Ahmad が Cloud Kicks のロードマップのドラフトを作成するところを一緒に見ていきましょう。Yasmin はまず、次の手順を実行します。
- 計画の期間 (3 か月、6 か月、12 か月) を特定します。Yasmin は年に 2 回発表するため、6 か月の計画を選択します。
- 次に、Cloud Kicks の長期的なビジョンステートメントを記述します。このビジョンでは、デジタルマーケティング、あるいは全社的な目標に焦点を当てることが考えられます。Yasmin は自身の目標と会社全体の目標を組み合わせることにします。
- 続いて、Yasmin が達成したいと考える具体的なビジネス目標や成功総計値をリストします。
- 最後に各総計値によるビジネスへの影響を挙げます。
ロードマップの最初のドラフトは次のようになりました。
Cloud Kicks: 6 か月計画
ビジョンステートメント: デザイン性の高い快適な靴の販売のトップ企業になるために、オムニチャネルを駆使したシームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現する。
成功総計値 | 影響 |
---|---|
コンバージョン率を高める。 | コンバージョンを増やして売上を増大させる。 |
現在のカスタマーエクスペリエンスのライフサイクルを書き出し、改善の余地がある領域を特定する。 | Cloud Kicks がカスタマーエクスペリエンスを向上させれば、カスタマーサポートチケットが減少する。 |
データの健全性を向上させる: 不良データを削除し、既存のデータを整理して、データコレクションを評価する。 | クリーンで正確なデータがあれば、お客様が望むチャネルで効率的にリーチすることができる。 |
単一チャネル送信を拡張する。 | お客様が選んだチャネルでつながれば、エンゲージメントが向上する。 |
ドラフトとしては悪くありませんが、Yasmin はこの計画を管理職に説明する必要があり、まだそのレベルに達していないと感じています。計画案を見直し、戦略的ロードマップを自信をもってプレゼンテーションできるものにします。
SMART を念頭に総計値を特定する
経営理論の専門家でコンサルタントでもある Peter F. Drucker (ドラッカースクール MBA で有名) は、SMART という頭字語を使用して、成功総計値を定義して構造化しています。
- Specific (具体的) — 的確な目標を定義できる。
- Measureable (測定可能) — 目標を数値またはチェックマークで評価できる。
- Achievable (達成可能) — 実際に目標を達成できる。
- Relevant (関連している) — 目標を業務に適用できる。
- Time-based (時間ベース) — 目標を達成する特定の期間を設定できる。
ここで、Yasmin の成功総計値を再考し、上記のガイドラインに従っていることを確認します。Cloud Kicks の修正後のドラフトは次のようになりました。
Cloud Kicks: 6 か月計画
ビジョンステートメント: デザイン性の高い快適な靴の販売のトップ企業になるために、オムニチャネルを駆使したシームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現する。
影響 | Specific (具体的) | Measurable (測定可能) | Achievable & Realistic (達成可能で現実的) | Time-bound (期限付き) |
---|---|---|---|---|
売上を増大させる。 | コンバージョン率を 2% 高める。 | パーセント |
| 会計年度末 |
カスタマーエクスペリエンスを向上させ、カスタマーサポートチケットを減少させる。 | カスタマーエクスペリエンスのライフサイクル全体を精査して書き出す。 | 完了 |
| 第 2 四半期末 |
データの健全性を向上させ、不良データに伴うコストを削減する。 | データアーキテクチャを確認して記録する。 | 完了 |
| 第 2 四半期末 |
お客様の好みのチャネルでリーチする。 | 新しい顧客プリファレンスセンターを作成してリリースし、チャネルの好みを把握する。 | 完了 |
| 会計年度末 |
新しいチャネルを追加して、新規顧客を獲得する。 | モバイルチャネルを追加するための計画を調査して決定する。 | 完了 |
| 会計年度末 |
ロードマップが完成したら、カスタマーエクスペリエンスを中心に計画が立てられていることと、目標が SMART であることを確認するために、少し時間を置いてから新鮮な目で見直すことが大切です。
お客様を第一に考えた明確なロードマップができたものの、このロードマップで確実に成功を収めるにはどうすればよいのでしょうか? この点は、計画への賛同の取り付けについて説明する次の単元で取り上げます。
リソース
- Trailhead: パーソナライズされたメールマーケティング
- Trailhead: ドラッカースクール MBA の要点を学ぶ
- Salesforce: 50 Best Practices for Email Marketers (メールマーケター向けの 50 のベストプラクティス) (PDF をダウンロード)