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デジタル成熟度を評価する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • デジタル成熟度スケールにおける各自の計画の位置付けを知る。
  • カスタマーエクスペリエンスを記録する。

デジタルプログラムの成熟度

前の単元で説明したとおり、独自の KPI ベースラインを確立し、成功度を判定して、改善の余地がある領域を見極めることが大切です。また、テクノロジーやデジタル機能 (デジタル成熟度ともいう) の点から、自身の取り組みの位置づけを把握することも同様に重要です。

デジタル成熟度の目的は、イノベーションのベンチマーク (出発点) を示すことです。実際に、成熟度のどの段階にいるのか確認してみましょう。この評価の焦点となるのは、チャネル (単一チャネルからオムニチャネルまで) とエンゲージメント (セグメント化からコネクテッドまで) です。では、詳しく見ていきましょう。

縦軸がチャネルの連携、横軸がエンゲージメントの成熟度を示すデジタル成熟度のグラフ。グラフの右上に一対一のコネクテッドエクスペリエンスを実施するという目標が強調表示されています。

レベル

チャネル

エンゲージメント

目標

I

単一

1 つのチャネル (例: メール) でメッセージを送信する。

セグメント化

基本的なオーディエンスセグメンテーションを使用して送信される一対多のメッセージ。

メッセージを迅速かつ正確に送信する。

II

マルチチャネル

2 つのチャネル (例: モバイルとメール) でメッセージを送信する。

ライフサイクル

各チャネルで送信される一対多のメッセージ。

チャネルごとにメッセージを調整する。

III

クロスチャネル

複数のチャネルでメッセージを送信する。

リアルタイム

パーソナライズされたリアルタイムメッセージ。

パーソナライズされた大規模な自動化ジャーニーを作成する。

IV

オムニチャネル

メッセージ種別とお客様の好みに応じて、適切なチャネルでカスタマイズされたメッセージを送信する。

コネクテッド

チャネルごとに送信される一対一の固有のリアルタイムメッセージング。

複数の部門 (営業、サービス、マーケティング、IT プラットフォーム) が連携して固有のカスタマーエクスペリエンスを創出する。

プログラムが 1 つのレベルに当てはまらなくても心配はいりません。つまり、チャネルのレベルがエンゲージメントのレベルと異なっていても構いません。たとえば、Cloud Kicks の場合、単一チャネルのメッセージはレベル I ですが、リアルタイムエンゲージメントはレベル III に該当します。この評価の全体的な目標は、各自の現在の位置づけと、パーソナライズされたエクスペリエンスの創出という最終目標を達成するためには何をすべきかを判断することです。この最終目標に達するにはどうすればよいのでしょうか? その第一歩は、カスタマーエクスペリエンスについて明確に理解することです。

お客様の 1 日

カスタマーサービスのスペシャリストで、この分野の著作もある Kate Zabriskie は、「お客様の認識こそがカスタマーエクスペリエンスの現実」と述べています。重要なのは、あなたがデジタル成熟度のどこに位置していると考えているかではなく、お客様がどう言っているかです。お客様にパーソナライズされたコネクテッドエクスペリエンスを提供するためには、チャネルの好みから、ブランドとのやりとり (適切なもの、不適切なもの、感情的なもの) まで、お客様について熟知する必要があります。 

具体的にはどうすればよいのでしょうか? インタビュー、アンケート、ユーザーエクスペリエンスグループなどの手段を用いて直接質問することが考えられます。あるいは、自らカスタマーライフサイクルを点検することもできます。サインアップからお知らせメール、さらには購読取り消しまで、コミュニケーションの全プロセスを確認します。 

カスタマーコミュニケーションのライフサイクル

ショッピングカートアイコンと、カスタマーライフサイクルの各フェーズ (サインアップ、メールの確認、購読取り消し) のテキスト。

どのステップでも、お客様の視点で物事をとらえるようにします。お客様はブランドにどのようにエンゲージしていますか? そのエクスペリエンスはどのようなものですか? うまくいったことは何ですか? うまくいかなかったことは何ですか? あなたの経験だけではすべての問題が明らかにならない可能性があるため、カスタマーサポートに問い合わせるとよいかもしれません。フィードバックを収集したら、お客様のブランドとのあらゆるエクスペリエンスをホワイトボードに書き出します。  

データ評価

データによってパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスが促進されるため、データもデジタル成熟度の重要な要素になります。次の簡単な手順を実行すれば、データを評価し、改善の余地のある領域を見極めて、ロードマップの作成に役立てることができます (詳細は後述)。

ステップ

質問

手元にあるデータを把握する

既存のデータを精査します。データの質、アクセス可能性、完全性をチェックします。

  • データをどこから取り込んでいるか?
  • ソースは何か?
  • どこに存在するか?
  • 完全かどうか?
  • データに簡単にアクセスして使用できるか?

必要なデータを記録する

不足している既存のデータポイントを見極めます。

  • 存在するのか?
  • データの所有者は誰か?
  • 収集可能か?

希望するデータを挙げる

アクセスが困難か、現在存在しないため、あればよいと思うデータポイントを特定します。

  • アクセスが難しいのはなぜか?
  • このデータを取得するためには、何を変更する必要があるか?

コンテンツ評価

パーソナライズされたコネクテッドカスタマーエクスペリエンスを創出するには、お客様が受け取りたいと思う高質のコンテンツも必要です。データと同じ手順に従って、所有するコンテンツ、必要なコンテンツ、希望するコンテンツを特定します。

ステップ

質問

手元にあるコンテンツを把握する

メッセージング、オーディエンス、場所、チャネル別のコンテンツを確認します。

  • ブランドと一貫しているか?
  • 最新の内容か?
  • 他の使用事例で再利用できるか?

必要なコンテンツを記録する

カスタマーエクスペリエンスを拡充するために、不足しているコンテンツを見極めます。

  • お客様のエクスペリエンスが向上するか?
  • チャネルに固有か?

希望するコンテンツを挙げる

絶大な効果をもたらすコンテンツを思い描きます。

  • このコンテンツの目的は何か? このコンテンツが特に適しているのはどのチャネルか?
  • お客様に好印象を与えるか?

分析の結果を得て (カスタマーエクスペリエンス、データ、コンテンツについて理解したら)、次のステップに進んで戦略的ロードマップを作成します。

リソース

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