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デジタル保険プラットフォームの機能を知る

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • デジタル保険プラットフォームが Financial Services Cloud および Health Cloud とどのように連携するかを説明する。
  • デジタル保険プラットフォームの主要コンポーネントを特定する。
  • デジタル保険プラットフォームのアーキテクチャについて説明する。

マルチクラウドソリューション

Cumulus Insurance は、デジタル保険プラットフォームを実装するデジタルトランスフォーメーションの真っ只中にいます。Anna Murphy のような顧客は、現在の非効率な保険購入方法について不満を持っています。そこで、Cumulus のプロジェクトに取り組んでいる優秀なコンサルタント Justus Pardo が助けにきています。 

ここで、次のようなことを疑問に思うかもしれません。「Cumulus はどのような Salesforce 製品を使用しているのか? デジタル保険プラットフォームは、全体像の中でどのように位置づけられるのか? Cumulus のような企業では、どのようなソリューションアーキテクチャになるのか?」 

デジタル保険プラットフォームは、複数のクラウドで使用できるソリューションと言えます。Financial Services Cloud か Health Cloud のいずれかに実装できます。 

デジタル保険プラットフォームは、Financial Services Cloud と Health Cloud のコンポーネントである。

どちらのクラウドソリューションを選ぶかは、ビジネス要件に応じて判断します。

  • レンターズ保険、損害保険、自動車保険のような商用保険を提供している場合は、Financial Services Cloud でデジタル保険プラットフォームを使用します。
  • 個人向けまたはグループ向け健康保険プランなどを扱う健康保険会社またはヘルスケア提供者である場合は、Health Cloud で使用します。

複数の保険部門がある場合はどうでしょうか? たとえば健康保険と商用保険の両方を販売している場合は、実装チームと連携して、組織に最適なソリューションを判断してください。ここでの要点は、Financial Services Cloud か Health Cloud かを選択して、この柔軟で素晴らしいプラットフォームを活用できるということです。 

Cumulus Insurance では、グループ健康保険や自動車保険など、さまざまな保険商品を提供しています。Cumulus はヘルスケア提供者ではなく商用保険会社であるため、Financial Services Cloud を使用しています。ですが、これは実装シナリオの 1 つにすぎません。ヘルスケア提供者が Health Cloud の実装でデジタル保険プラットフォームを使用することも可能です。 

プラットフォームのコンポーネント

デジタル保険プラットフォームには、主要なコンポーネントがいくつかあります。

  • 保険商品管理
  • 見積・レーティング・申込
  • 保険契約管理
  • 契約・加入
  • 請求管理
  • サービス API

それでは、各コンポーネントについて詳しく見てみましょう。

デジタル保険プラットフォームのコンポーネント

保険商品管理

現在の市場においては、保険業者が一段とパーソナライズされた商品をかつてない速さで提供することが求められています。この新たな環境では、新しい商品のロールアウトや既存の補償内容の変更に数か月かけることはできなくなりました。保険商品管理コンポーネントを使用すれば、ローコードのデジタルプラットフォームで保険料率やルールなどをカスタマイズした保険商品を作成、管理できます。これにより、迅速なイノベーションで市場機会をとらえることが可能になります。

見積・レーティング・申込

保険会社は見積・レーティング・申込を使用して、顧客、ブローカー、引受査定人、その他内部ユーザーを対象とした見積から成約までのプロセスのデジタル化とダイナミック動的なデジタルエクスペリエンスの実装を迅速に行えます。契約を中心とする従来のコアシステムとは異なり、デジタル見積は市場をリードする Salesforce Einstein 1 と緊密に統合されているため、一貫した顧客中心のエクスペリエンスの一部として自動化された見積エクスペリエンスをすばやく提供できます。 

保険契約管理

保険契約管理を使用すると、見積作成、引受査定、発行、補償内容変更、保険料請求、更改、コミッションにわたる契約ライフサイクル全体を管理できます。従来のコアシステムとは異なり、このライフサイクルプロセスは Salesforce Einstein 1 プラットフォームの一部であるため、すべての顧客の完全なデジタルジャーニーにシームレスに統合されます。

契約・加入

契約・加入を使用すると、ルールに基づいたオペレーションによる最新のプラン加入エクスペリエンスを提供し、契約のサイクルタイム短縮と、コンプライアンスおよび正確性の保証が可能になります。自動化された契約機能を使用して、合意された見積と保険条件に基づく契約を生成できます。また、事業部門全体のセンサスデータをアップロードしてデジタル管理できるほか、加入プロモーション機能を利用してメンバーにプランをマーケティングし、メンバーが迅速かつ簡単にプランに加入できるようになります。  

請求管理

請求管理を使用すると、保険契約者のエクスペリエンスをパーソナライズし、自動査定を行う情報を取得する初期損害通知 (FNOL)、備金管理、保険金支払などの請求ライフサイクル全体を管理することができます。請求に関するインタラクションを Salesforce Einstein 1 のカスタマージャーニーとシームレスに統合し、拡大するアプリケーションエコシステムに簡単に接続できます。 

メモ: 請求管理モジュールは、Financial Services Cloud でのみ使用可能です。

サービス API

保険のビジネスプロセスをすばやく構築できるように、デジタル保険プラットフォームにはカスタムプログラミングの必要性を減らす、または不要とすることができる多くのサービスが用意されています。このようなサービスを使用することで時間を大幅に短縮し、Salesforce のデータのやり取りや管理が簡単になります。

このサービス群は単一または一連の機能を実行する Apex クラスのメソッドであり、連動してエンドツーエンドのビジネスプロセスが可能になるよう設計されています。 

メモ

Apex は、Java に似た構文を使用し、データベースのストアドプロシージャーのように動作するプログラミング言語です。Apex についての詳細は、この単元の末尾の「リソース」を参照してください。

保険種目とチャネル

デジタル保険プラットフォームでは多様な保険種目とさまざまなチャネルがサポートされます。 

デジタル保険プラットフォームでは多様な保険種目がサポートされ、オムニチャネルサービスが提供される。

デジタル保険プラットフォームでは、特定の保険種目 (個人損害保険、定期生命保険、グループベネフィットなど) に合わせてプロセスと機能をカスタマイズできます。 

開発者は、事前作成された OmniScript を使用して、ビジネスプロセス (カスタマーサポートケースの作成やリードへの連絡など) を完了するためのガイド付きパスをユーザーに提供できます。ユースケースに合うように OmniScript を調整するか、使用可能なサービスのライブラリから選択するだけで行えます。つまり、Salesforce の標準機能を使用することで、開発リソースを節約することができます。 

また、デジタル保険プラットフォームは、オムニチャネルソリューションの作成を念頭に設計されています。完全にデジタル化されており、ポータル、アプリケーション、チャット、新興テクノロジーにわたってエクスペリエンスの自動化を強化できます。ユーザーは自分が選んだデバイスで多くのタスクを実行でき、サポートが必要な場合は、チャットかメールを使用してコンタクトセンターに問い合わせることができます。 

ソリューションマップ

デジタル保険プラットフォームが Financial Services Cloud と Health Cloud を補完するしくみと、このソリューションを構成するコンポーネントがわかったところで、より広範な Salesforce エコシステムでプラットフォームがどう連携するかについて疑問に思っているかもしれません。デジタル保険プラットフォームのソリューションマップを見て、どのように連携するかを確認しましょう。 

対応する情報のフロー図

Salesforce Customer 360 は、1 つの顧客ビューを共有することでマーケティング、セールス、コマース、サービス、IT という複数の部門を結束させて、お客様のビジネスの変革を支援する統合カスタマーリレーション管理 (CRM) プラットフォームです。ソリューションマップからわかるように、Salesforce Einstein 1 はデジタル保険プラットフォームに不可欠です。 

OmniStudio は Einstein 1 上で動作し、顧客への見積作成や保険契約者による請求送信など、ガイドされたワークフローでビジネスプロセスを促進します。デジタル保険プラットフォームでは、保険商品管理など、この単元の最初で学んだコンポーネントを含むモジュールで、lこうした機能を拡張します。デジタル保険プラットフォームと OmniStudio は 100% クラウドネイティブで、Salesforce Einstein 1 に完全に統合されています。つまり、保険種目全体でのデジタルトランスフォーメーションと、お客様に最新のオムニチャネルサービスを実現できることを意味します。

まとめ

Cumulus のチームは、OmniStudio の一連のツールを含むデジタル保険プラットフォームの可能性に興奮しています。

  • FlexCard によって Cumulus の営業エージェントとカスタマーサービスエージェントは顧客の全体像を把握できます。Anna は、Cumulus でわからないことだらけだと感じていた日々のことを忘れるでしょう。
  • 営業エージェントやブローカー、顧客などの見積作成や請求発行などのビジネスプロセスは OmniScript がガイドしてくれます。PDF や紙の書類はもう必要ありません。
  • Data Mapper とインテグレーション手順によって、このようなプロセスすべてをサポートするデータが提供されます。

Financial Services Cloud と Salesforce Einstein 1 のソリューション全般を併用して、Cumulus Insurance はデジタルトランスフォーメーションへの道を順調に進んでいます。 

リソース

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