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デジタルバンキングの効果を理解する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • デジタルバンクになるための必須要素である、エンタープライズソフトウェアの 5 つの変革を識別する。
  • 銀行が Salesforce を使用してデジタルトランスフォーメーションを促進する方法を説明する。
  • 成功する銀行がデジタルトランスフォーメーションの強化に使用する、基盤のテクノロジーを定義する。

私たちはエンタープライズソフトウェアにおける 5 つの変革の真っただ中にいます。インテリジェンス、スピード、生産性、モビリティ、接続性は、私たちが行うあらゆるものに組み込まれつつあります。

この 5 つの変革を、デジタルバンクになるための必須要素と考えることができます。使用事例 (たとえば、顧客の住宅購入を支援するために最適なサービスパッケージを提供する) を選び、これら 5 つの要素を実現するテクノロジーソリューションを作成します。

では、それぞれの変革について、銀行が顧客とつながり、従業員が最大の能力を発揮するうえでそれが非常に重要である理由を確認しましょう。

インテリジェンス

顧客は日々、気付くことさえなく、インテリジェンス駆動のエクスペリエンスを使用しています。Google は人工知能 (AI) を利用して、検索クエリを高い精度でオートコンプリートしています。Facebook のニュースフィードと Amazon のおすすめ商品は、顧客の好みを学習し、顧客が魅力を感じるものや購入しそうなものを予測します。つまり、顧客とのあらゆるやりとりの新基準は、スマートでパーソナライズされていることなのです。

AI による各業種の変革: スマートフォン、スマートウォッチ、電動歯ブラシ、Amazon Echo、ロボット、コネクテッドカー、体重計、風力タービンを示す画像

顧客に関する知識とコンテキストで従業員を強化することも不可欠です。従業員がスマートになるほど、顧客の満足度も向上します。この点で、銀行には成長の機会があります。Salesforce の調査では、「銀行員は (支店、オンライン、電話で) すばやく顧客履歴と口座概要にアクセスしてよりパーソナライズされたサービスを提供していると」回答したのは、ミレニアルズの 53% およびジェネレーション X (1960 ~ 1970 年代に生まれた世代) の 56% でした。

人工知能はさまざまな方法で役立ちます。たとえば、チャットボットでサービスに関する基本的な問い合わせを減らしたり、機械学習アルゴリズムで商品やサービスとアクションを自動的に提案し、それを従業員が使用して顧客ニーズに対処したりできます。

スピード

スピードは、銀行業務における新しい基準です。特に、fintech が台頭しつつある現在の状況下で、スピードは非常に重要です。fintech 企業は、顧客が望む環境に焦点が合うまでアイデアからアプリケーションへと迅速に進みます。銀行が同じペースで商品とサービスを提供するには、テクノロジーと俊敏性が必要です。そうでなければ、市場シェアを失うリスクを負うことになります。

多くの銀行はスピードの必要性を認識しています。実際に、ある調査レポートのインタビューで銀行の IT リーダーの 73% は、開発サイクルのスピードアップを非常に重要または最優先事項と回答しています。

ただし、レポートでこれらの IT リーダーは、プロジェクトを完了するスピードを、戦略的目標の達成で直面する最大の課題としても挙げています。つまり、銀行はビジネス要件に従ってアプリケーションをすばやく設計、プロトタイピング、およびリリースする必要があります。一方で、この領域で目立った変化を起こすことがいかに難しいかも認識しています。

生産性

競争が激化する金融サービス分野で、銀行は、スピードと俊敏性を高めるだけでなく、従業員が時間とリソースを最大限に活用できるようにする必要もあります。あらゆるやりとりの中心に顧客を置くためには、従業員の生産性が重要になります。生産性が向上すれば、従業員はより多くの時間を顧客との関係を深め、その財務目標を理解することに割けるからです。これは、固有のニーズに合わせた情報に基づくアドバイスを顧客が期待する、プレミアバンキングのような場合に特に効果を発揮します。

生産性は、住宅ローンのような領域でも重要です。この場合、顧客と銀行員は複雑に入り組んだ書類と、ばらばらの融資担当者、ブローカー、不動産仲介業者、引受会社に対応しながら処理を進めなければなりません。融資担当者は、活動の記録や、メールの「テンプレート化」のような手作業が自動化されれば、作業を迅速化し、常に顧客の最新情報を把握することに集中できます。さらに顧客は、コラボレーティブなデジタル文書、電子署名、事前入力されたフォームなどのツールを使用して申請を合理化することで、複雑でストレスがかかるプロセスの負担を最小限に抑えることができます。

モビリティ

モビリティは、あらゆる業種で変革の原動力となっています。全世界のスマートフォン販売台数は、2009 年の 1 億 7,200 万台から 2016 年には 15 億台に増えています。そしておそらく、このトレンドが最も明らかなのが銀行でしょう。

Salesforce の調査では、モバイルデバイスでアクセスすることがきわめて重要または非常に重要と消費者が考える活動の 1 位がナビゲーション (56%)、銀行取引とニュースが同率 (54%) で 2 位でした。

ミレニアルズでは、モバイルバンキングの重要度はさらに高くなります。別の Salesforce の調査によると、当座預金または普通預金の口座を持つミレニアルズの 1/3 近くが、預入や送金など、日常的な取引に銀行のモバイルアプリケーションを使用しています。

これによって日々の銀行取引に銀行の支店を利用する消費者が減るため、銀行の支店ネットワークの重要性が低下していることも説明がつきます。

モビリティは、従業員の観点でも重要です。銀行は、従業員をデスクから開放して、支店内にいるかどうかに関係なくサービスを迅速かつシームレスに顧客に提供できるようにする必要があります。たとえば、Citi は最近、モビリティを重視して、2020 年までに 8 万台以上の物理的なデスクトップをなくす計画を発表しました。

従来、顧客が支店で受けていたサービスと同じレベルの機能性と利便性をモバイルバンキングに統合することが、現代の銀行にとって不可欠です。

接続

あらゆる人とモノがつながっています。30 億のインターネットユーザー、60 億の携帯電話ユーザー、60 億台の接続デバイスがかつてない情報とインタラクションのネットワークを作り上げています。数十億ものつながった人とモノが、金融取引からオンラインでのやりとりまで、あらゆるものについて膨大な量のデータを生成します。銀行には、こうした膨大なデータプールを使用して、従業員が質問に答え、さらに既存顧客および見込み客のニーズを予測するという大変革を起こすのを支援できる潜在力があります。

コネクテッドカーは、修理が必要になったときや買い換えどきさえ通知でき、その際に保険金の請求や自動車ローンの必要があればトリガーできます。

コネクテッドホームは、すきま風の入る窓を交換するために住宅担保ローンが必要になる時期に関するインサイトを顧客に提案できます。

さらに、ハンブルデビットカードがあります。これは独自の接続デバイスです。顧客がスワイプするたびに、顧客の関心事項、購買習慣、財務目標について通知を作成します。

今日、こうした通知からインサイトを収集して、ただちに銀行員がアクションを起こすことができます。たとえば、顧客が休暇を計画していることを購入パターンが示していれば、銀行は休暇限定のクレジットカードを提案できます。今日のテクノロジーならこれが可能です。

デジタルトランスフォーメーションにおける Salesforce の強み

Salesforce では、こうした変革をそれぞれ銀行向けの Intelligent Customer Success に取り込んでいます。

Salesforce Intelligent Customer Success Platform のデータレイヤー、インテリジェンスレイヤー、アプリケーションレイヤーを示すグラフィック。データレイヤーには、IoT、ソーシャルメディア、CRM、およびコアバンキングデータが含まれます。インテリジェンスレイヤーには、分析、機械学習と深層学習、自然言語処理が含まれます。アプリケーションレイヤーには、セールス、サービス、マーケティング、コミュニティ、Analytics、プラットフォーム、コマース、IoT、Quip、AppExchange が含まれます。

プラットフォームの基盤はデータ、つまり、数十億ものつながった人とモノのあらゆるソースから発生したデータです。Salesforce Thunder データレイヤーは、顧客データを、コアバンキングシステムからの取引データ、顧客のオンライン行動からの匿名の購入通知、接続デバイス (自動車、住宅、デビットカード、クレジットカードなど) からの通知と統合します。

こうしたデータすべてが、すべてのデバイスのインテリジェントバンキングアプリケーションを強化し、銀行の事業部門全体にわたって顧客と従業員に価値を提供します。

データの上には、Einstein 人工知能レイヤー (AI) があります。Einstein は、プラットフォームのデータレイヤーにあるすべてのデータから学習して、従業員がより迅速かつスマートに判断を下せるようにインサイトを提供します。

たとえば、ヨーロッパのある大手銀行では、AI 駆動のマーケティングハブである Salesforce データ管理プラットフォームを使用して、デジタルキャンペーンに関する数百万のデータポイントを分析しました。これには、どの広告が特定の顧客に表示されたかに関するデータも含まれていました。その結果、この銀行では、特定の動画広告と表示広告の組み合わせによって顧客エンゲージメントが促進されることを発見しました。

Einstein のインテリジェンスレイヤーは、顧客向けのスマートでシームレスなエクスペリエンスも強化します。Einstein では機械学習と深層学習を使用して顧客の財務ニーズと好みのチャネルが識別されるため、バンキングマーケティング担当者は適切な利用者に適切なタイミングで適切な提案ができます。また、顧客が銀行の Web サイトや支店を訪問したときに、どのサポートコンテンツまたは商品が必要かを予測することでカスタマーエクスペリエンスをパーソナライズすることもできます。

Salesforce Einstein を使用することで、専任のデータサイエンティストがいるかのように高度な AI 機能が銀行に組み込まれるため、あらゆる金融エクスペリエンスの高速化、スマート化、パーソナライズが促進されます。

Einstein の上位には Lightning があるため、銀行はかつてなく迅速かつ容易にアプリケーションを開発してビジネス価値を促進できます。

Lightning によって、ビジネスアナリストなど、技術者以外のユーザーでもクリック操作 (コードではなく) で採用アプリケーション、セルフサービスサポートコミュニティ、パフォーマンスダッシュボードなどのツールを構築できます。従業員には状況に応じたエクスペリエンスが提供されるため、顧客の消費パターン、口座利用状況、財務マイルストーン、個人的な関心事項に関する情報にすばやくアクセスできます。

プラットフォームの上位には、先進的なビジネスアプリケーションがあり、従業員がデスクから離れている場合でも、チームの生産性を大幅に高めます。

Quip の会話ドキュメントを使用して、リレーションマネージャーと引受会社は、融資関連のドキュメントについてコラボレーションできます。Salesforce モバイルアプリケーションのリモートレポートおよび分析によって、銀行員は顧客の口座利用状況を監視できます。Financial Services Cloud では、顧客の世帯プロファイルおよび金融口座の 360 度ビューにより、パーソナルバンキング担当者が顧客との関係を深めるために必要なインサイトを得ることができます。

さらに、プラットフォームのオープン API アーキテクチャを使用して、充実したパートナーエコシステムとの統合が可能です。そのため、コアバンキングシステムや融資組成システムからのデータを Salesforce と容易に統合できます。

Salesforce Platform は、よりスマートで迅速な、つながりの強化されたカスタマーエクスペリエンスを促進するとともに、従業員が協力し合い、より多くの時間とエネルギーを顧客に集中させることで、最大の能力を発揮できるようにします。

これで、エンタープライズソフトウェアで起きている 5 つの変革についての状況と、Salesforce Platform が銀行でのそれぞれの変革にどう対処しているかを理解できました。

リソース

Rights of ALBERT EINSTEIN are used with permission of The Hebrew University of Jerusalem. (ALBERT EINSTEIN の権利は、ヘブライ大学の許可を受けた上で使用しています。)Represented exclusively by Greenlight. (Greenlight が排他的に代理人を務めています。)

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