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オーディエンスファーストのデジタル広告の概要

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • デジタル広告における最近の最大の変化について説明する。
  • プログラマティック広告の役割について説明する。
  • デジタル広告のオーディエンスを識別する。
  • オーディエンス戦略が重要な理由を説明する。

はじめに

デジタル広告と広告テクノロジーはその創始期から大きく進化しています。そして、多くの場合はデジタル広告の規律とテクノロジーの両方を担当するチームも大きく進化しています。このモジュールでは、こうした大きなトレンドが皆さんや広告チームにどのような影響を与えるのか、変化する市場で成功するためのデジタル広告戦略を立てるにはどうすればよいのかを説明します。

デジタル広告の進化

ここ数年間の広告業界における最大の変化を確認しましょう。当初、ブランドは紳士協定で特定の Web サイトの広告を購入していました。その後、ブランドに代わって広告の掲載や購入価格を自動的に判断するプログラマティック広告またはソフトウェアに移行しました。 

商品を買い求めてくれることを特定の Web サイトを見た人に願うだけの時代は、ブランドにとって過去のものです。見識のある広告主は、特定のデモグラフィックグループ (25 ~ 35 歳の女性など) の全員や、特定のキーワードを検索する全員 (「最高 コンパクトカー」など) を含むキャンペーンであれば、確実に効果があることを知っています。一方で、こうした広範なグループには重要なコンテキストが欠けていることも理解しています。商品にとって理想的なデモグラフィックに属しているからといって、実際に商品を欲しがるとは限りません。また、検索したからといって、購入を検討しているとは限りません。

ソリューションとして、実際の人々が、商品、サービス、ブランドの購入ジャーニーのどこにいるのかに基づいて広告を表示することができます。たとえば、どの Web ページ、広告、またはモバイルページを訪問したのかに基づいて、匿名のオンライン ID を使用して広告で人々にリーチします。または、CRM データを使用して、ブランドとの実際のビジネス関係に基づいて広告を表示します。

一面に旗が立っている雪で覆われた山肌。旗は、広告でリーチする人を識別するさまざまなレベルを表しています。

マーケティングと広告の連携

多くの企業では、長い間、広告は他のマーケティング活動 (メールキャンペーンや Web サイトキャンペーンなど) と区別されていました。また、一企業内の広告チームとマーケティングチームがリソースを共同で確保し、コラボレーションしているとは限りませんでした。つまり、顧客データを使用して広告を強化する能力が制限されているということです。広告主とマーケティング担当者は、デジタル広告をブランドの他のカスタマージャーニーにつなげる機会を逃していました。

幸いにも、それは過去の話です。

Salesforce は、お客様のマーケティングチームが何年もかけて慎重に精緻化してきた顧客データを、ターゲットを設定したデジタル広告活動に自動的かつセキュアにつなぐことができます。

Salesforce の「Digital Advertising 2020」(デジタル広告 2020) 調査レポートによると、次のことが判明しています。

  • 大多数の広告部門とマーケティング部門は、共通の予算を共有し、同じチームを使用して、デジタルマーケティングの管理、広告キャンペーンの作成、テクノロジー購入の意思決定を行うようになりました。
  • 必要な情報のほとんどが 1 か所に存在するため、広告主はいっそう多くのデジタル広告を社内で処理できるようになりました。広告主の 60% 近くが、社内スタッフに任せることで、 Facebook と Instagram の広告支出を最適化しており、57% が Google 検索でも同様のことをしています。

広告オーディエンス戦略

who (誰が)、what (何を)、when (いつ)、where (どこで)、why (なぜ) という「W」で始まる 5 つの質問のうち、広告の計画は「why」で始めます。広告とマーケティングの目標を定め、「誰」がオーディエンスか特定します。結局、メッセージでにリーチするのかが明確でなければ、メッセージをにすればよいのか、いつどこで最も効果があるのかを判断できません。

オーディエンスとは、広告の対象となる顧客またはプロスペクトのセグメントです。これは、3 つの主要な種別のデータから派生します。

  • CRM データ: メールマーケティング活動、カスタマーサービスチーム、またはマーケティングオートメーションシステムからの情報などが含まれます。このデータには、顧客のメールアドレスや電話番号などの情報が含まれます。こうした情報を米国では個人情報、ヨーロッパでは個人データといいます。Marketing Cloud Engagement や Service Cloud のようなシステムで収集されます。
  • オンライン匿名データ: Web サイトの訪問者、モバイルアプリケーションの利用者、広告の閲覧者などが含まれます。
  • セカンドパーティデータ: これは、ブランドが自社のユーザーの同意を得たうえで、他の広告主と相互の利益のために共有することに同意した匿名データです。

ブランドが使用可能なデータに応じて、独自の匿名 Web およびモバイルデータ、CRM およびメールベースのデータ、またはその組み合わせに活動を集中させることができます。

ただし、このモジュールの目的上、1 つの広告プラットフォーム上で 1 つのターゲットオーディエンスを作成するために使用する 1 つの顧客セグメントをオーディエンスと呼びます。

オーディエンス戦略の立案

誰もが (残念なことに)、まともにターゲティングされず、関連性がないか、一切パーソナライズされていない広告の乱発に悩まされてきました。パーソナライズを追加することで、オーディエンスのセグメント化と戦略が機能し始めます。ROAS (Return On Advertising Spend: 広告費用対効果) を高めるには、広告主は適切なオーディエンスを適切なチャネルと適切なメッセージでターゲティングする必要があります。

「why」を思い出してください。取り組んでいるのはどの使用事例ですか? その使用事例はビジネスの価値を高めますか? 手始めに次の重要な質問に答えてみましょう。

  • 主要な広告目標は何か?
  • 新規顧客を獲得しようとしているのか?
  • リードとプロスペクトの育成に集中しているのか?
  • 既存顧客にエンゲージする必要はあるのか?
  • 高価値の顧客に集中することで広告予算を最適化する必要があるのか?
  • 上記の組み合わせ? 上記のすべて。?

これらの質問に答えたら、3 つの主要な要素に基づいてオーディエンスの作成を開始できます。

  • カテゴリ (提供する商品またはサービス)
  • サブセグメント (顧客の行動、購入履歴、明らかな関心事項、メンバーシップ)
  • 広告チャネル: Google (検索、ショッピング、Youtube、Gmail を含む)、Facebook (Instagram)、LinkedIn、Pinterest、Twitter など

各種のチャネルで Salesforce データを使用して新規顧客にリーチするというマーケティング担当者の目標戦略を示すグラフィック

同じメールオファーを購読者ベースの全員に送信しても、高い開封率、クリック率、コンバージョン率は期待できないのと同様に、同じ広告を全員に送信して高い ROAS を期待することはできません。顧客を知るほど、関連性のある方法でエンゲージし、パーソナライズされたコンテンツを提供し、一段と良い結果を得られるようになります。

次の単元では、こうした考え方を取り上げ、それを用いて新規顧客を獲得する方法を見ていきます。

リソース

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