デザイン思考の原理を学ぶ
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- デザイン思考を定義する。
- デザイン思考の基本原則を説明する。
- デザイン思考が複雑な問題の解決にどのように役立つかを説明する。
このモジュールは Somersault Innovation の協力の下で作成されています。
デザイン思考とは?
デザイン思考とは、斬新なソリューションを見つけるために使用されるクリエイティブな問題解決プロセスです。過去には、都市計画家や建築家が人々のための都市空間や建物を作成するために使用しました。1980 年代にはビジネスの世界に取り入れられ、Apple などの企業が主に製品デザインに使用しました。今日では、世界をリードする企業が製品ソリューションだけではなく、サービス、エクスペリエンス、ビジネスモデルを作成するためにデザイン思考を使用しています。
IBM や SAP などの企業は何年もの間、大きな投資を行ってデザイナーを雇用し、組織内のデザイン能力を培ってきました。または、デザイン企業を買収した場合もあります。そして、今日の新興企業はデザイン思考を使用して業界をかき乱し、成長を成し遂げています。
問題解決プロセスとしてのデザイン思考には、ビジネスで使用されてきた従来の直線的な手法と異なるいくつかの基本原則があります。従来の手法は、問題を定義し、ソリューションのアイデアを生成し、それらを実装する方法を見つけるという非常にわかりやすい方法です。ほとんどの問題では、この手法でうまくいきます。ただし、新しい革新的なソリューションを必要とする複雑な問題や状況では、直線的な問題解決がうまくいかない場合があります。
新しい観点を見つける
ほとんどのビジネスパーソンは問題を解決しようとするときに次のいずれかの観点から見ています。
- 実現可能性の観点: ニーズや機会に対応するために使用できるテクノロジーやツールに重点を置きます。
- 実行可能性の観点: 財務目標の特定のビジネス戦略に重点を置きます。
これらは重要ですが、望ましさ、つまりユーザーは誰で、何を重視していて、それはなぜかということが考慮されていません。デザイン思考は人間中心デザインと呼ばれることがよくあります。それは、デザイナーが実現可能性と実行可能性の観点を考慮する前に常に人とそのニーズに注目するところから手法を開始するためです。
共感を持つための調査
デザインプロセスはエンドユーザーを理解し、深い共感を持つところから始まります。エンドユーザーとは、最も影響を受ける人々または最終的なソリューションを使用する人々です。たとえば、新しい医療機器を作成する場合、エンドユーザーにはヘルスケア提供者である医師とその患者が含まれます。そこで、営業担当は現場で医師や患者と共に時間を過ごし、体験について聞き、患者ジャーニーでの既存の医療ややり取りを観察します。こうしたことを行うのは、そのジャーニーのさまざまなフェーズで人々が何を達成しようとしていて、それらの目標がなぜ重要かを深く理解するためです。
この調査のメリットは、ユーザーのニーズをより広く深く理解できることです。それが斬新なアイデアのきっかけとなるインサイトにつながります。調査を行うことで、最終的に使用する人々のニーズに根ざしたソリューションになるため、ソリューションが採用される可能性も高くなります。
望ましさに対応することで、ユーザーがソリューションとのエンゲージに前向きでエンゲージが可能になるため、実現可能性と実行可能性の要件を満たせる可能性が高まります。
アイデアの反復
デザインチームが新しいソリューションアイデアに取り組み始めたときの、もう 1 つの基本原則は、ユーザーと緊密に協力しながらソリューションアイデアを迅速に反復するということです。包括的な実装計画を作成することに時間と労力をつぎ込むよりも、ソリューションの大まかなプロトタイプから小規模に始めて、すぐにユーザーに参加してもらって迅速なフィードバックを得ます。協力的な方法でソリューションを進化させます。これらの実験は迅速に行われ、最終的には実現可能性と実行可能性をテストしてパイロットフェーズに至ります。
鼻手術のための道具に取り組んでいるある医療機器チームは、マーカーや洗濯ばさみを粘着テープで固定したプロトタイプから開始し、医師にこのプロトタイプを使用して意見を聞かせてくれるように依頼しました。すぐにフィードバックが得られるため、デザインチームはアイデアをすばやく改良して、医師が気に入り (望ましさ)、鼻手術の満たされていなかったニーズに対応し (実現可能性)、医療機器企業が販売して収益目標を達成できる (実行可能性) 機器を作成することができました。この実装手法では、重要なソリューション機能を見逃すリスクを低減し、利用率を高めることができます。
思い込みを超えるデザイン
問題解決プロセスとしてのデザイン思考は複雑な問題を解決するための非常に価値のある手法です。多くの場合、人々は実際に問題や機会が何であるかをはっきりと把握していません。思い込みが知識を上回っています。
デザイン思考は、現在の状態を理解し、将来の望ましさ、実現可能性、実行可能性の問題に対応する新しいソリューションを提供することに対する自信を高めるために役立ちます。あらかじめ決められたソリューションに固執している人や単純な問題に対しては、デザイン思考は有用でも必要でもありません。
では、デザイン思考は営業にどのように適用されるのでしょうか?
