デモの準備
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- デモでバーンダウンリストを使用する理由を説明する。
- デモの準備タスクを挙げる。
- デモで使用するデバイスをセットアップする。
バーンダウンリストを使って状況を追跡する
これまで学習した内容から、プレゼンテーションの成否があなたの準備に左右されることはおわかりでしょう。成功のためにはどんなに些細なことでも把握しておかなければなりません。ただ、どうすれば適切に準備できたことを確認できるのでしょうか? あらゆる可能性に備えて計画するために、そして自分を含めたすべての人の時間を無駄にしないために、バーンダウンリストを作成します。
バーンダウンリストは「ToDo リスト」と考えてください。お客様へのプレゼンテーションまでに済ませておく必要があることをすべて書き留めて、完了した項目にチェックを入れていきます。バーンダウンリストを使用することで、デモ構築プロセス全体を、手際よく周到にこなすことができます。また、タスクを委任したり、進捗状況を追跡したりすることも可能です。
Quip で作成されたこのバーンダウンリストを使用して、どのように準備を進めていくのか見てみましょう。列ヘッダーには「Task (ToDo)」、「Owner (所有者)」、「Status (状況)」、「Waiting on/Next steps (待機中/次のステップ)」と記されています。7 つの ToDo が所有者に割り当てられ、「Not Begun (未開始)」、「In Progress (処理中)」、「Complete (完了)」の状況が指定されています。最後の列に、役立つメモやコメントを記入できます。
バーンダウンリストには、デモに固有の多くの ToDo が含まれます。前述のバーンダウンリストを使用して、次の 2 つの ToDo の手順を説明します。
- 小道具と役者を準備する。
- 自分のデバイスをセットアップする。
プレゼンテーションを小道具で演出する
Salesforce の経験上、楽しい要素をデモに加えることで、平均的なプレゼンテーションを有意義なプレゼンテーションに変えることができます。これは、バーンダウンリストの主要な項目 (小道具と役者を準備する) に関係します。
小道具と役者はデモを楽しく魅力あるものにして、デモに活気をもたらします。考えてみてください。プレゼンテーション中にあなた自身が楽しんでいないのに、お客様が楽しめると思いますか?
あなたは「役者や小道具を交えると専門的なプレゼンテーションが少し幼稚になるのではないか」と思うかもしれません。答えはノーです。役者や小道具は製品が持つ無形の特性を現実のものにします。次に例を示します。
当社のデモチームは Fortune 50 のある企業のデモで、インスピレーションストーリーを語りました。それは、Service Cloud Lightning を使用して、保守要員を派遣する工場のマネージャーの逸話でした。Service Cloud Lightning の機能について話をするだけでは終わらず、修理技師の姿をしたデモチームのメンバーの 1 人が会議室のドアをノックし、その Fortune 50 企業の CIO 本人に歩み寄り、作業報告書へのサインを求めます。喜んだ CIO は、同社で行われた中で最高のデモだと言いました。役者がエクスペリエンスを現実感の伴った、記憶に残るものとしたのです。
小道具や役者を組み込むのは難しいことではなく、大きなコストもかかりません。安全帽は $15 で購入し、ジャンプスーツはデモチームがレンタルしました。一歩引いてストーリーを眺めることで、デモに創造性を加えます。デモの一部を誰かに実際に演じてもらうことで、活気を吹き込むことができましたか? ストーリーを現実的にする小道具がありますか? これは創造性を発揮する絶好の機会です。ぜひ楽しんでください!
セットアップ
バーンダウンリストの 1 つ目の項目にチェックが入りました。次は何をすべきですか。本番に向けてデバイスをセットアップする時間です。
私たちが言う「デバイス」とはラップトップとスマートフォンを指します。テクノロジー面で誇示するための面白い方法はたくさんあります。まずはそれらをセットアップすることから始めましょう。
- タブを事前に読み込みます。
- デスクトップを切り替えます。
- QuickTime に収録します。
- 通知を無効にします。
決して魔法を解かない
画面の読み込みで待たせて完璧なデモの魔法からお客様が覚めてしまわないようにしてください。そのための操作を次に示します。
- コンテンツを複数のタブに事前に読み込みます。
- タブを左から右に並べます。
- ブラウザーを最大化して全画面にします。
- Mac で Chrome のタブを切り替えるには、Command + Option + 右矢印を押します。
全体として素晴らしいデモを提供するには、本当に素晴らしい印象を与える小さな要素をすべて洗い出してください。デモ中、一度表示した画面に戻る場合は、その画面をもう一度新しいタブとして読み込んでおきます。こうすれば、前に進む操作だけで進行できます。次に、タブを切り替える前に、マウスポインターを該当の場所に移動してクリックするふりをします。シームレス!
成功へのスワイプ
デモが複数の製品やサービスにまたがる場合は (たとえば Salesforce で、Sales Cloud、Service Cloud、Marketing Cloud Engagement を示す場合など)、MacOS のデスクトップを活用して画面を明確に切り替えるようにします(Windows ユーザーには申し訳ありませんが、これは Mac 限定のヒントです)。ここでいうデスクトップとは、机の下に置かれているタワー型のデスクトップ PC のことではありません。ファイル、フォルダー、ごみ箱などのアイコンを示すコンピューター画面の作業領域のことです。
デモのセクションごとに別々のデスクトップを設定します。次に、4 本の指で左または右にスワイプして、デスクトップ間を移動したり、上にスワイプしてデスクトップを並び替えたりします。このプロセスにより、デモの見た目が洗練され、デモをスムーズかつ体系的に進めることができます。
Mac でマルチタッチジェスチャーを有効にする方法を次に示します。
- [システム環境設定] を開きます。
- [トラックパッド] をクリックします。
- [その他のジェスチャー] タブをクリックします。
- [フルスクリーンアプリケーション間をスワイプ] を選択します。
- [Mission Control] を選択します。
デスクトップを切り替えるもう 1 つの方法は A/V スイッチャーを使用することです。Roland V-1HD ポータブル 4X HDMI 入力スイッチャーか、Gino PC モニター 4-in-1 出力 VGA ポートオーディオスイッチャーを使用することをお勧めします。
VGA 出力でオーディオもエクスポートする場合は、オーディオケーブルを使用します (通常は 3.5 mm ヘッドフォンジャックケーブル)。
ライト、スクリーンキャスト、アクション!
次に、QuickTime をプライマリの iPhone スクリーンキャスティングソフトウェアとして設定し、AirDroid をプライマリの Android スクリーンキャスティングソフトウェアとして設定します。これらを使用すると、AirServer (画面ミラーリングプログラム) よりもクラッシュする確率がはるかに低くなります。使い方も簡単です。
QuickTime |
AirDroid |
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注意: AirDroid の場合は、両方のデバイスを同じネットワーク上に配置することをお勧めします。これにより、接続の問題に関するリスクを軽減できます。
デモにおけるマーフィーの法則の回避
想像してみてください。あなたは画面を映写し、お客様に重要なスライドを説明しています。その時、思いがけず iMessage がポップアップ表示されました。こうした気まずい状況を回避するために、すべてのモバイル通知を無効にしておきます。
- [設定] をクリックします。
- [通知] をクリックします。
- [通知センター] でアプリケーションを選択します。
- アプリケーションごとに [通知を許可] をオフにします。
準備を怠ったことがデモに現れてはいけません。また、素晴らしいデモの発表が何かで中断されないようにしてください。