義務を追跡して管理する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Salesforce Contracts の義務管理の役割を明確にする。
- 義務管理の独自の機能について説明する。
- 顧客関係の強化とリスクの最小化における義務管理のメリットについて説明する。
- 契約義務を作成して管理する。
契約上の義務
契約を作成して署名した後の次のステップは、当事者全員が各自の義務を果たしていることを確認することです。契約には、配送スケジュール、支払条件、コンプライアンス要件など主要な義務が定められていますが、こうした義務を手作業で管理するとなると手間がかかります! ビジネスが明確なシステムを整備していなければ、納品の遅延、コンプライアンスの問題、顧客関係の悪化といったリスクがもたらされます。
そこで登場するのが、Salesforce Contracts の義務管理です。この機能を利用すれば、チームが契約上の義務を効率的に追跡、履行、管理できるため、コミットメントを常に視覚化し、遅滞なく実行することができます。
義務管理が定義された状態にする
Cloud Kicks では Candace のような営業担当が、スニーカーの各注文が遅滞なく納品され、請求書の金額が支払われ、すべての契約条件が満たされていることを確認する責任を担っています。会社が成長し、契約件数が増えるにつれ、各義務を手作業で追跡することが困難になっています。納期を逃せばお客様の不満が募り、収益の損失につながるおそれがあります。
Cloud Kicks のような組織が義務管理を使用すれば、コミットメントを簡単に管理して、確固たる顧客関係を維持し、うっかりミスを防ぐことができます。この機能は、署名済みの契約に定められたコミットメントの追跡、履行、管理を目的に設計されています。Candace のような営業担当が、配送スケジュールから支払条件、コンプライアンス要件まで、契約のあらゆる面を監視できます。
ビジネスが常にコミットメントを把握できるように、Salesforce Contracts では義務がその状況に基づいて分類されます。
状況 |
説明 |
例 |
|---|---|---|
準拠 |
契約上のコミットメントに従って義務が履行されている。 |
30 日以内に支払を受領した。 |
非準拠 |
契約条件のとおりに義務が履行されていない。 |
納期を過ぎている。 |
At Risk (要注意) |
義務が履行されないおそれがある。 |
明日が支払期限なのに、クライアントからまだ支払がない。 |
次の画像には、契約に関連付けられている数種の義務が示されています。
![数種の義務と対応する状況が示されている [Obligations (義務)] ページ。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/deep-dive-into-salesforce-contracts/track-and-manage-obligations/images/ja-JP/720cef4205c4ec95979d1fdb9872c887_kix.nr2feg8385wb.png)
この例では、支払義務の非準拠にフォローアップのフラグが付けられている一方で、サービス保証の準拠義務は契約条件を満たしています。チームが状況からコミットメントを明確に把握できるため、早期に対処して問題を未然に防ぐことができます。
義務管理の主な機能
ビジネスが義務管理を活用すれば、説明責任を果たし、契約上のリスクを軽減して、納期を守ることができます。その方法を紹介していきましょう。
-
義務の追跡: 商品の納品から支払期限まで、契約上の各コミットメントを明確に把握することができます。
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義務の割り当て: 特定のチームメンバーを義務の担当者に定め、説明責任を明確にします。
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状況の監視: どの義務が完了済み、保留中、要注意かを確認し、問題になる前に対処します。
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アラートや通知の受信: 期限が近づいた時点で自動リマインダーを受信して、プロアクティブに対応します。
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ワークフローとの統合: 義務を既存の Salesforce プロセスに結び付けて、簡便に実行できるようにします。
Candace がこうしたツールを活用すれば、コミットメントをログに記録したうえでタスクを割り当て、最新情報を受信して、Cloud Kicks の業務を円滑に進めることができます。
義務管理で成功を促進する
Cloud Kicks のような組織が追跡、通知、リアルタイム更新などの機能を活用すれば、契約を効率的に管理して期限を守り、お客様の満足度を維持することができます。
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スマートに業務を遂行する: スプレッドシートをあちこち調べる必要がなくなります。一元化されたシステムでは判断が加速します。
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コンプライアンスの問題を回避する: 状況が更新されるため、問題が悪化する前にチームがリスクを察知して対処できます。
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顧客関係が強化される: 契約上の主要なマイルストーンが随時更新されるため、信頼が構築され、透明性が高まります。
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説明責任が向上する: 義務の所在が明確になり、各人が契約上のコミットメントの履行における自らの役割を認識します。
義務管理を駆使する Candace は、スニーカーの注文の追跡や支払の催促に追われることがなくなりました。代わりに、各契約が順調に進行していることを認識したうえで、スニーカーの販売と顧客関係の構築に注力できます。
義務管理の機能とメリットを確認したところで、実際に操作してみましょう。Salesforce で 1 つ目の契約義務を作成し、この機能でコミットメントを確実に履行する方法を実践します。
義務を作成する
Developer Edition 組織で、非準拠の義務を作成する手順を一緒に実行しましょう。
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アプリケーションランチャー
で、[Salesforce Contracts] を見つけて選択します。
- Lightning ナビゲーションバーで、[Contracts (契約)] をクリックします。リストビュードロップダウンから、[All Contracts (すべての契約)] を選択します。
- 前の単元で [Acme Sneakers Quote (Acme スニーカー見積)] に作成した契約をクリックします。
- 契約レコード詳細ページで、[Obligations (義務)] タブを表示し、[New Obligation (新規義務)] をクリックします。
![新しい義務を作成する [Contract Document (契約ドキュメント)] ページ。](https://res.cloudinary.com/hy4kyit2a/f_auto,fl_lossy,q_70/learn/modules/deep-dive-into-salesforce-contracts/track-and-manage-obligations/images/ja-JP/bc8661570aa5a34ac63f5cfecc0a6ad5_kix.m2dxrmhxc3i1.jpg)
- 次の詳細を追加します。
- Name (名前): Payment in 30 days (30 日以内に支払)
- Assignee (割り当て先): あなたの名前 (この演習用)
- Party (当事者): First Party (第一当事者)
- Status (状況): Non-Compliant (非準拠)
- Start Date (開始日): 今日
- Description (説明): Payment needs to be made in 30 days. (30 日以内に支払う必要があります。)
- Name (名前): Payment in 30 days (30 日以内に支払)
- 作業内容を保存します。

お疲れさまでした。契約に新しい義務を作成することができました。
義務管理を使用すれば、関係の強化、価値の提供、ビジネスの成長といった本来の業務に専念できます。Salesforce Contracts で 1 つ目の義務を作成して、この機能によってコミットメントの管理がどのように向上するか実感してください!
