データモデルのメリットを理解する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Marketing Cloud Intelligence データモデルを使用して、データがどのようにして自動的にハーモナイズされるのか説明する。
- Marketing Cloud Intelligence の overarching エンティティがどのようなものか理解する。
これまでに、データモデルの概要、Marketing Cloud Intelligence におけるデータモデルのしくみ、データストリームでシステムへのデータの取り込みを促進する方法について学習しました。この単元では、Marketing Cloud Intelligence データモデルによってもたらされるメリットを見ていきます。
ディメンションの相互マッピングによるデータハーモナイゼーション
デジタル広告では通常、同一のキャンペーンが複数のプラットフォームで有効になり、複数のデータタイプに関連付けられます。そのため、キャンペーンエンティティが (サイトや広告グループなどの他の広告エンティティとともに) 各種のデータストリームタイプで使用できるようになります。データストリームタイプ、ソース、ソースの数に関係なく、各種のソースのキャンペーン名の値を Marketing Cloud Intelligence の同じキャンペーン名ディメンションにマッピングすれば、各種のソースで値が一致するデータがキャンペーン名レベルで自動的にハーモナイズされます。
たとえば、Google 広告、Marketing Cloud、Google アナリティクスで同じキャンペーンが有効の場合、このデータを視覚化するときに、キャンペーン名の値を一致させて、すべてのソースからのメジャメントを確認できます。
Marketing Cloud Intelligence でのこうしたデータの自動ハーモナイゼーションには、次のようなメリットがあります。
- データが構造化されて整理され、データ内に明確なリレーションが確立される。
- 各種のソースからのビジネスインサイトがまとめられる。
- 複数のデータソースや形式がマージされるため、統一された条件を使用してソースをシームレスに比較検討できる。
overarching エンティティ
高度な分析や分類を可能にする目的で、Marketing Cloud Intelligence データモデルにはすべてのデータストリームタイプに存在する一連の overarching エンティティがあります。overarching エンティティは、ワークスペースレベルのエンティティで、データストリームレベルではありません。つまり、特定のデータストリームからのデータのみに適用されるのではなく、ワークスペースのすべてのデータに適用されます。そのため、複数のソースからのデータを共通の値で分類またはグループ化することができます。次の画像は、overarching エンティティと、各データストリームタイプのメインエンティティとのリレーションを示しています。
overarching エンティティの一例が商品エンティティで、商品の値を一致させるためにすべてのデータストリームのデータをハーモナイズします。次の画像には、2 つの同じ商品の Facebook 広告、Marketing Cloud、Google アナリティクスから統合されたデータが表示されています。
階層内で overarching エンティティは、キャンペーンエンティティなどの特定のエンティティよりも高位になります。1 つの商品が複数のキャンペーン値に関連付けられていることがありますが、その商品の値自体が一致していれば、それぞれのソースプラットフォーム内で同一である必要はありません。たとえば、Facebook 広告と Google 広告でキャンペーンを実施する場合に、どちらも同じ商品を宣伝しながら、この 2 つのソースのキャンペーン名の値が異なっていることがあります。この値が異なっているため、キャンペーン名レベルでは自動的にハーモナイズされません。ただし、同じ商品のため、どちらのケースでもその値が商品 overarching エンティティにマッピングされていれば、いずれかのソースのその商品のデータがハーモナイズされます。
Marketing Cloud Intelligence データモデルの素晴らしい点は、マーケティング向けのデータの場合、一致するディメンション値が自動的にハーモナイズされ、複数のデータソース間の一致するメジャメントが自動的に集計されることです。
このモジュールでは、データモデルの概要、データをディメンションとメジャメントに分類する方法、データのリレーションの定義方法、データストリームの構造、データモデルのメリットについて学習しました。今後は必要に応じて、データモデルを基にデータを手動で適切にマッピングできます。また、各種のソースからのデータがどのようにして自動的にハーモナイズされるのかも認識していることになります。