ロール階層の作成
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- ロール階層と組織図の違いを説明する。
- ロール階層を表示して変更する。
- ロールを作成して割り当てて、レコードに簡単にアクセスできるようにする。
ロール階層とレコードアクセス
ロール階層を組織の共有設定と連携させれば、Salesforce データに対するユーザーのアクセスレベルを決定できます。ユーザーは、自分の直下の階層に属する全ユーザーのデータにアクセスできます。
多くのデータを参照する必要があるユーザー (CEO、役員、その他の管理職など) は通常、階層の最上位付近に配置されます。ただし、ロール階層を組織図と一致させる必要はありません。階層の各ロールは、ユーザーまたはユーザーグループが必要とするデータアクセスのレベルを表します。
特定のロールレベルのユーザーは、ロール階層で自分より下位のユーザーが所有または共有するすべてのデータを参照して編集し、レポートを作成できます。唯一の例外はカスタムオブジェクトの場合であり、階層を使用してアクセスを無効にできます。特に、[Organization-Wide Defaults (組織の共有設定)] 関連リストで、[Grant Access Using Hierarchies (階層を使用したアクセス許可)] オプションが無効になっている場合は、レコード所有者と共有機能によってアクセスを許可されたユーザーのみが、そのオブジェクトのレコードにアクセスできます。
ロール階層がどのようになるかを把握すれば、プラットフォームに簡単に実装できます。実装のベストな方法は、最初に会社の組織図を確認し、可能な場合は、レコードアクセスに基づいてさまざまな役職を各ロールにまとめることです。ロール階層は、団体の組織図に完全に一致している必要はありません。その代わり、階層の各ロールはユーザーまたはユーザーグループが必要とするデータアクセスのレベルを示している必要があります。
たとえば、ソフトウェア開発課に正社員のソフトウェアエンジニアと準社員のソフトウェアエンジニアがいる場合、階層ではこの 2 つの職種をソフトウェアエンジニアというロールにまとめることができます。こうした処理が済んだら、次にロール階層そのものを定義していきます。
社員募集アプリケーションのロール階層
では、サンプルの社員募集アプリケーションのロール階層のブランチを見てみましょう。定義した組織の共有設定で採用担当マネージャーは、すべての職種、求人掲載、求人サイトレコードを参照すること (作成、更新は不可) と、自分が所有している他の採用レコードを参照して更新することしかできません。これではさほど便利なアプリケーションとはいえません。そこで、人事ロールを設定して、ユーザーが必要なデータにアクセスできるようにする計画を立てます。
このロール階層では、次の種類のレコードレベルの権限が自動的に付与されます。
- CEO の Cynthia は、組織の誰かが参照・更新可能なレコードすべてを参照および更新できます。
- 開発 VP の Andrew は、部下であるマネージャー、またはそのマネージャーの従業員が参照・更新可能なレコードを参照して更新できます。
- 人事 VP の Megan は、採用担当マネージャーである Phil、または Phil の部下の採用担当者である Mario が参照・更新可能なレコードを参照して更新できます。
- 採用担当マネージャーの Phil は、部下の採用担当者である Mario が所有するレコードを参照・更新できます。
- ソフトウェア開発マネージャーの Ben は、部下のソフトウェアエンジニアである Melissa、Tom、Craig が所有するレコードを参照・更新できます。
- QA 責任者の Clark は、部下の QA エンジニアである Flash または Harry が所有するレコードを参照・更新できます。
ロール階層を定義する
ここで、人事 VP の部下であるオンボーディングマネージャーロールを試しに設定してみましょう。
- [Setup (設定)] の [Quick Find (クイック検索)] ボックスで [Roles (ロール)] を検索して選択します。
- [ロールの理解] という内容紹介のスプラッシュページが表示されたら、下部の [ロールの設定] をクリックしてこのページをスキップし、実際のツールに移動します。
- ロール階層の定義を始める時点で、ツリービューに組織の名前を記したプレースホルダーノードが 1 つ表示されます。この時点で、階層の最上位のロールの名前を追加する必要があります (この例では CEO)。Playground には、数種のロールがあらかじめ定義されています。[Expand All (すべて展開)] をクリックすると、ロール階層全体が表示されます。
- [VP Human Resources (人事 VP)] の下にある [Add Role (ロールの追加)] をクリックします
-
[Label (表示ラベル)] に、
Onboarding Manager
(オンボーディングマネージャー) と入力します。[Role Name (ロール名)] にはOnboarding_Manager
と自動入力されます。
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[This role reports to (このロールの上位ロール)] テキストボックスは、入力された [VP Human Resources (人事 VP)] ロールのままにします。
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[Role Name as displayed on reports (レポートに表示するロール名)] テキストボックスに、値を入力します (省略可能)。レポートのロール名にはこのテキストが使用されます。ロール名が長いとレポートの列のスペースを取りすぎるため、短くてわかりやすい略称を使用することをお勧めします。
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[Contact Access (取引先責任者のアクセス権)] や [Opportunity Access (商談のアクセス権)] などの他のオプションはデフォルト設定のままにして、[Save (保存)] をクリックします。これらのアクセスオプションは、社員募集アプリケーションに影響しません。ただし、通常は、所有する取引先の子レコードに対するロールのアクセス権を設定します。
- ロールを作成したら、そのロールに適切なユーザーを割り当てることができます。[Onboarding Manager (オンボーディングマネージャー)] をクリックして、[Assign Users to Role (ユーザーをロールに割り当て)] をクリックします。
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[Available Users (選択可能なユーザー)] ドロップダウンリストで、[All Unassigned (未選択のユーザー)] を選択します。
- リストからユーザーを選択して [Add (追加)] をクリックし、そのユーザーを [Onboarding Manager (オンボーディングマネージャー)] リストに移動して保存します。
[Setup (設定)] からメインの [Roles (ロール)] ページに戻ると、階層に新しいロールが表示されています。さらに、各自の階層図に従って、採用担当マネージャーや採用担当者など、残りのロールを定義できます。
ご覧のとおり、ロール階層は、多くのデータを参照する必要がある人々にデータを開放する非常に効果的な方法です。
組織の共有設定とロール階層を実装すれば、社員募集アプリケーションに関するレコードレベルのアクセス権限の設定はほぼ完了です。最後に残っている作業は、ロール階層の別々のブランチに表示されているグループ間で採用関連レコードを共有することです。共有ルールを使えば、この要件を達成できます。
リソース