データ品質の向上
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 一般的な管理計画に定義されるデータ標準を挙げる。
- Salesforce を使用してデータ管理計画を実装する方法を挙げる。
データ管理計画の作成
あなたはビジネスの成長にとってデータ品質がいかに重要であるかを知っています。データが不正な場合、収益の低下、洞察の欠如、評判の低下など、さまざまな悪影響があります。一方、適切なデータは最高の立役者です。適切なデータがあれば、会社は、見込み客の探査と新規顧客のターゲティング、クロスセル商談の識別、テリトリーの計画などをすばやく正確に行うことができます。
営業部長は、あなたに Gelato でのデータ品質向上への取り組みを指揮するようにと依頼しました。あなたの知識を行動に移すときが来ました。
調べた結果、データ品質向上の最初のステップはデータ管理計画を作成することだとわかりました。
幸い、Gelato のビジネス目標を支援するために必要な顧客データはすでにわかっています。また、誰がそのデータを使用し、どのように使用するかもわかっています。残りは計画の作成のみです。
一般的なデータ管理計画には、データ作成、処理、保守のための標準が含まれています。次の有用な参照表を見てみましょう。
データ標準 |
説明 |
例 |
---|---|---|
命名 |
レコードの命名規則を設定します。常にサフィックス (Inc.、Corp.) を含めますか? 省略名ですか? |
会社名は、省略名が標準の名前である場合を除き、省略しないようにする。 |
書式設定 |
日付と金額の表記方法を設定します。 |
すべての日付形式に dd/mm/yyyy を使用する。 |
ワークフロー |
レコードの作成、レビュー、更新、アーカイブのプロセスを決定します。レコードがライフサイクル中に通過するすべてのフェーズを決定します。 |
カリフォルニアの企業に関連するサービス要求をカリフォルニアの担当者に転送する。 |
品質 |
データ品質に関して適切な標準を設定します。この標準によってレコードを測定または評価できるようにします。経過時間、完全性、使用率、正確性、一貫性、重複、およびビジネス固有のその他の品質やメトリクスに値を設定します。 |
有効なリードは、1 か月に 1 回以上更新する。 |
ロールと所有権 |
誰がレコードを所有するか、誰がデータ変更に責任を持つか、データに変更があった場合に誰が通知を受けるかを決定します。 |
カリフォルニアの企業に関連するリードをカリフォルニアの営業担当者に割り当てる。 |
セキュリティと権限 |
データの適切なプライバシーレベルを決定します。規制義務、法的義務、および契約義務に準拠していることを確認します。 |
リードに関する機密情報を参照できるのは地域のチームメンバーだけとする。 |
監視 |
データの品質管理を保証するプロセスの概要を決定します。頻度、範囲、所有者、検査を決定します。データの更新、重複の防止、レコードのマージ、レコードの追加、レコードのアーカイブの方法を含めるようにします。ダッシュボードで簡単に監視できるメトリクスを決定します。 |
毎月初日に業界情報がないリードを確認する。 |
あなたは、この計画を営業部長に見せました。営業部長は計画を気に入ったようですが、1 つの質問をしてきました。「これで、どうやってデータを改善できるの?」
Salesforce でデータ管理計画を実装する
いよいよ最後の大詰めです。ビジネスにとってデータ品質がいかに重要かを学習しました。会社のデータ品質を評価しました。さらに、素晴らしいデータ管理計画をまとめました。実に見事ですが、その知識と計画も実践しなければ宝の持ち腐れです。
どうすればよいでしょうか?
答えは、Salesforce にあります。
Salesforce の実力はその柔軟性にあります。Salesforce を簡単にカスタマイズして会社のデータ管理計画をサポートすることができます。
Salesforce を活用しましょう。特に、Salesforce のいくつかの主要な機能を使用すると、顧客データの作成、更新、および維持が容易になります。(これらの機能の設定方法についての詳細は、「リソース」セクションを参照してください)。
必須項目
Gelato のビジネス目標をサポートするのに必要な項目はもうわかっています。それはデータ管理計画に反映されています。それらの項目を必須にしましょう。Gelato のリードの場合、重要な日付や業界情報に関する項目をはじめ、いくつかのカスタム項目を必須にします。そうすることで、リードを適切にスコア付けし、割り当て、取引を開始できます。
入力規則
電話番号を特定の形式にする必要がある場合は、なんらかの項目に入力規則を設定します。そうすることで、レコードの保存時にデータがチェックされ、特定の形式に従っていることが確認されます。入力規則はさまざまな用途に使用できます。たとえば、標準項目を必須にするには、入力規則を使用して項目が空白かどうかをチェックできます。電話番号、クレジットカード、および顧客 ID 項目に入力規則を設定します。標準のリード取引先責任者情報項目を必須にするためにも入力規則を設定します。
フロー
オートメーションは、Salesforce の実装における魔法の杖です。Flow Builder を使用して標準的な社内手続きやプロセスを自動化し、会社全体で時間を節約できます。最寄りの営業担当にリードを転送するフローを作成できます。サービス要求も割り当てることができます。これで Gelato の営業担当は、レコードの割り当てではなく、ビジネスの成長に専念できます。
ページレイアウト
レコードによっては膨大な項目がありますが、それを営業担当が使っていないことを知っています。使っていない項目を外してしまいましょう。営業担当のページレイアウトからそれらの項目を削除します。実際には、Gelato 社内のさまざまな営業担当とマネージャー向けにカスタマイズしたページレイアウトを作成し、必要な項目を必要なときに提供するようにします。そのとき、最も重要な必須項目を一番上に配置します。
ダッシュボード
営業担当やマネージャーが大量のレポートとレコードに目を通さなくてはいけない事態は避けて、代わりに、ビジネス目標をサポートするシンプルなダッシュボードを作成しましょう。Gelato の場合、全社のマネージャー向けに一連のダッシュボードを作成して、リードの割り当てや欠けているキャンペーンデータなどを表示します。
データ強化ツール
データは入力したそばから古くなります。そのため、データを信頼できるソースと定期的に照合することが重要です。AppExchange の [Data Apps (データアプリケーション)] にある多くの製品がこの作業に役立ちます。
重複管理
重複レコードは営業担当の悩みの種です。どれが適切なレコードなのでしょう。Gelato の顧客ごとに取引先レコードは 1 件であることを確認します。その後は、Salesforce の組み込みツールである重複管理を使用して将来重複が発生するのを防止します。
カスタム項目のデータ型
会社では日付と通貨に使用する形式が決まっています。そのため、カスタム項目にデータ型を使用します。すべてのカスタム日付項目を Type = Date に割り当て、すべてのカスタム通貨項目を Type = Currency に割り当てます。標準の値リストを持つ項目には、Type = Picklist を使用します。選択リストといえば、国/テリトリーや都道府県の選択リストも設定します。これにより、営業担当は国と都道府県の標準リストから値を選択して住所を入力できます。
データ管理計画を実装した後に、セールス担当ディレクターとのミーティングがあります。ディレクターは新しいプロセスのすべてに目を通し、ほほえみながら一言だけ言うでしょう「昇進ですか?」。
まとめ
あなたは、達成した成果への満足感に浸った後、Gelato の喧噪を離れて南国で 2 週間の休暇を過ごしています。あなたは、手に触れるものすべてに砂がついていることに驚きます。そして、データも砂によく似ていることに気づきます。データはあらゆるところにあります。ビジネスのあらゆる部分、以前は考えてもいなかった場所に。
だからこそ、データ中心の考え方を促進することが大切なのです。Salesforce は、それをお手伝いできます。おなたは大きな成功を収めました。営業部長があなたの実装を非常に気に入り、Gelato 中の営業担当やマネージャーがあなたを称賛し、あなたは大きく昇進しました。ただし、データ品質を改善する仕事が終わることはありません。実際、あなたは実装したいアイデアをまたいくつか思いついています。
リソース
-
ガイド: Introduction to Data Governance and Stewardship (データガバナンスおよび管理の概要)
-
ガイド: Get Data Strong: How Data-Centric Teams Drive Business Success (データの強化: データ中心チームによるビジネスの成功の促進)
-
ヘルプ: 項目入力の必須化によるデータ品質の確保
-
ヘルプ: 入力規則
-
ヘルプ: 従来のページレイアウトエディターを使用したページレイアウトのカスタマイズ
-
ヘルプ: ダッシュボードの作成
-
ヘルプ: 重複を最小にするまたはマージするためのユーザーのサポート
-
ヘルプ: 選択リストからの州、国、およびテリトリーの選択の許可
-
ヘルプ: Use Custom Field Types (カスタム項目のデータ型の使用)
-
ヘルプ: Flow Builder