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データ処理エンジン入門

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • データ処理エンジンのしくみを説明する。
  • ユーザー権限とデータパイプラインを有効にする。

始める前に

このモジュールの手順を実行する前に、「Salesforce Loyalty Management の基本」を修了しておく必要があります。ここでの作業は、同モジュールでの概念や作業に基づいて行います。

Cloud Kicks の信頼できる相棒の紹介

スタイリッシュで履き心地の良いカスタムスニーカーメーカーである Cloud Kicks は、Cloud Kicks Inner Circle と呼ばれる効果的なロイヤルティプログラムを運用しています。ロイヤルティマネージャーの Mary Levy はプログラムの改善につながるインサイトに常に目を光らせており、プログラムとビジネスのどちらもデータを基に判断することが多いことから、Cloud Kicks のシステム管理者である Linda Rosenberg と協力してデータを最大限に活用できるようにしています。

ビジネスの成長やイノベーションにはデータの分析が不可欠です。けれども、データを収集して解明することは必ずしも容易なことではありません。そこで Linda は、データを抽出して変換するツールを見つけるという自身の責務に取り組みます。データ処理エンジン (DPE) は、Salesforce 組織で使用可能なデータを変換し、その結果を新規レコードまたは更新レコードとして書き戻すことができるツールです。

DPE はまさに探していたもののように思われるため、Linda は嬉しくなり、DPE についてさらに調べてみることにします。

データの重要性

企業にとってのデータは、人間の細胞のようなものです。生存し、成長するために不可欠です。マーケティング部門はデータを使用して顧客セグメントを絞り込み、営業部門はデータを頼りに顧客ニーズを把握します。業務担当役員は市場動向を調査して戦略を調整しています。データは、企業のあらゆる面の原動力なのです。

一方、利用可能なデータはさまざまなソースから膨大に発生しているため、アクション可能なビジネスインテリジェンスに変換されるまでは役に立ちません。ここで DPE の出番となります。DPE は、さまざまな内部ソースからデータを抽出し、抽出したデータを変換して、最後には新たに変換したデータを目的の場所に読み込みます。それでは 1 ステップずつ見てみましょう。

取り込むデータを特定する: たとえば、さまざまなオブジェクトのデータを統合する必要があるとします。まず、どのオブジェクトから、どのデータを抽出するかを決めます。この時点では、データが目的に適したものではないかもしれません。作業できる形にデータを変換する必要があります。

必要となるデータ変換の種別を判断する: データからどのようなことを知りたいのかに基づいて、データを変換する手順を定義します。DPE 定義では、さまざまな項目やオブジェクトに対して結合、絞り込み、グループ化、集計を実施できます。目的に合わせて定義したら、その定義を実行します。

DPE 定義を実行する: ここで登場するのが Salesforce データパイプラインです。Salesforce データパイプラインは、大量のデータをまとめてクリーンアップ、変換、強化できる高パフォーマンスのデータプラットフォームです。取得元オブジェクトのデータが定義に基づいて同期され変換されます。

変換されたデータはどうなるでしょうか。変換されたデータは、新規データまたは更新データとして、目的の場所や対象オブジェクトに読み込まれたり書き戻されたりします。書き戻しは、特定のスケジュールで行われるか、定義が別のビジネスプロセスの一部である場合に行われます。

DPE では、手作業で行うコード主導のデータインテグレーションプロセスが自動化されるため、効率性と生産性が高まり、エラー確率が低下します。

Linda は早速 DPE を使ってデータを変換してみるために、組織に DPE を設定します。では、Linda が実行する手順を一緒に見ていきましょう。

組織の準備を整える

定義を作成、実行するために、Linda はデータパイプラインなど、いくつかの設定を行う必要があります。Linda はデータパイプラインで、Salesforce 組織で使用可能なデータを照会して計算することができます。

設定でデータパイプラインを検索するには、「データパイプラインベースユーザー」権限セットを自身に割り当てる必要があります。その手順は次のとおりです。

  1. 設定 をクリックし、[設定] を選択します。
  2. [クイック検索] ボックスにユーザーと入力し、[ユーザー] を選択します。
  3. ユーザーの名前をクリックします。
  4. [権限セットの割り当て] の下の [割り当ての編集] をクリックします。
  5. [データパイプラインベースユーザー] 権限セットと [データパイプラインアドオンユーザー] 権限セットを選択します。
  6. [追加] をクリックし、さらに [保存] をクリックします。
メモ

定義の取得元オブジェクトからのデータが同期されると、レコードを処理するためのレシピが作成されます。生成されたレシピを表示して編集するには、ユーザーに「データパイプラインアドオンユーザー」権限セットが必要です。ただし、CRM Analytics が組織ですでに有効になっている場合、CRM Analytics 権限セットのあるユーザーは生成されたレシピを表示できます。レシピについての詳細は、Trailhead の「データ処理エンジン定義モデリング」モジュールを参照してください。

ユーザーに割り当てることができる必須権限セットのリストを示す [設定] の [権限セット] ページ。

これで、データパイプラインを有効にできるようになりました。

  1. 設定 をクリックし、[設定] を選択します。
  2. [クイック検索] ボックスにデータパイプラインと入力し、[Get Started (使用開始)] を選択します。
  3. [データパイプライン] を有効にします。

[データパイプライン] を有効にできる [設定] の [使用開始] ページ。

「データパイプラインベースユーザー」権限セットとデータパイプラインが有効になりました。Linda が DPE 定義を作成して有効にし、実行するためには、さらに数種の権限やアクセス権が必要です。

その他の必須権限

DPE 定義によってさまざまなオブジェクトや項目からデータが取得されます。このデータは、ノードを使用してさまざまな方法で変換されます。たとえば、結合ノードを使用すれば、2 つのデータセットを結合できます。Linda はオブジェクトや項目にアクセスして、データをさまざまなノードで使用できるようにする必要があります。下表は、必要なアクセス権の種別と、そのアクセス権で実行できるアクションを示しています。

実行可能なタスク 権限

DPE 定義を作成して保存できます。

「すべてのデータの編集」権限と「アプリケーションのカスタマイズ」権限

データ取得元ノードのオブジェクトやその項目、関連オブジェクトとその項目を表示して選択できます。

オブジェクトとその項目、関連オブジェクトとその項目に対する「参照」アクセス権

書き戻しオブジェクトノードのオブジェクトまたはその項目を表示して選択できます。

オブジェクトとその項目に対する「作成」アクセス権

書き戻しノードの取得先のオブジェクトと項目を定義し、関連項目の対応付けを定義できます。

ユーザーを書き戻しノードで書き戻しユーザーに指定し、すべての取得先オブジェクト、項目、関連オブジェクトに対する「作成」アクセス権を付与する必要がある。

定義の有効化を行えます。

Analytics Cloud インテグレーションユーザープロファイルを持つユーザーに、データ取得元ノードで選択されたすべてのオブジェクトと項目に対する「参照」アクセス権を付与する。

次の単元では、DPE 定義の作成で Linda が使用できるさまざまなノードについて見ていきます。

リソース

Salesforce ヘルプ: データ処理エンジン

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