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データ処理エンジン定義を設計する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • DPE 定義の要件を定める。
  • DPE 定義のノードのフローを設計する。

Cloud Kicks のパートナー債務の評価

Cloud Kicks Inner Circle ロイヤルティプログラムによってメンバーベースが着実に拡大しており、Mary はメンバーエンゲージメントを向上させる機会を模索しています。こうした機会の 1 つが、太陽光発電関連の商品やシステムのサプライヤーである Ursa Major Solar との戦略的パートナーシップです。Ursa Major Solar の商品は、Cloud Kicks の顧客ベースの中でも環境問題に関心が高い若年層の注目を集めています。Ursa Major Solar は以前からこのプログラムのパートナーで、Mary はこれまでにも度々このパートナーシップが財務的に妥当かどうかを評価していました。

メンバーがパートナーの商品を購入すると、ロイヤルティプログラムのポイントが付与され、パートナーに収益がもたらされます。このポイントには金銭的価値があるため、パートナーに債務が発生します。プログラムからパートナーにこの債務分の請求が行われ、パートナーがプログラムに請求額を支払います。

メンバーがポイントを利用する場合は、反対のことが起こります。ポイントが償還されるとプログラムに債務が発生し、プログラムがポイント分の金銭的価値をパートナーに支払わなければなりません。

Ursa Major Solar に発生する債務を知るために、Mary は発生したコストを毎週末に確認したいと考えています。この情報は、適宜、パートナーシップを再評価するのに役立ちます。

Mary がこの要件について Linda と話し合うと、Linda は週次で債務を計算する DPE 定義を設定することを提案しました。

DPE 定義の設定で Linda が考えたプロセスを一緒に見てみましょう。

定義の説明

Linda は定義の設計を始める前に基本的な要件を分析します。週の終わりに Ursa Major の債務総額を計算して、その金額をロイヤルティプログラムパートナーレコードで取得する必要があります。

Linda はどのようなデータが必要なのか把握するために、この金額の内訳を調べます。分かりやすくするために、定義を視覚的に示す図も作成することにしました。

まず Linda に必要なのは、日付、金額、取引の性質など、取引の詳細です。このデータは、取引記録オブジェクトから取得できます。こうした取引に関連付けられているプログラム名も必要です。そこで、取引記録オブジェクトとロイヤルティプログラムオブジェクトがデータ取得元になります。この 2 つのデータ取得元を結合し、Cloud Kicks Inner Circle プログラムの取引の詳細を統合します。

定義で使用されるデータ取得元や結合ノードと、そのつながりを示すフローチャート。

週の終わりに債務を計算する必要があるということは、定義で 1 週間分の取引をまとめて処理する必要があるということです。そこで、Linda は特定の週に実施された取引を取得するために、プログラム名と活動日に基づいてデータを絞り込みます。

定義で使用される検索条件ノードや他のノードと、そのつながりを示すフローチャート。

取引記録には、金額に関連する詳細のみが含まれています。債務を計算するためには、こうした金額に関連付けられているポイントの詳細も必要です。このデータは、ロイヤルティ元帳オブジェクトで確認できます。元帳のエントリを見れば、イベント種別、クレジット処理またはデビット処理されたポイント数、関連付けられている取引記録を知ることができます。そこで、Linda は取引記録情報に元帳の詳細を追加します。この詳細を追加することにより、すべてのポイントの詳細を入手できます。

定義で使用される追加のデータ取得元や結合ノードと、そのつながりを示すフローチャート。

次に、Linda はすべての獲得取引と償還取引を合計します。この処理を行うためには、まず取引記録種別 (獲得と償還) に基づいて取引をグループ化してから、ポイントを合計します。

定義で使用されるグループと集計ノードと、他のノードとのつながりを示すフローチャート。

これまでに追加されたデータ取得元から Linda はポイントに関連する情報を得ることができますが、ポイントに関連付けられたコストがわかりません。ロイヤルティプログラムでは、プログラムパートナーに単位あたりの獲得コストと単位当たりの償還コストが関連付けられています。Linda は、これらの詳細をロイヤルティプログラムパートナーオブジェクトから取得します。

定義で使用される追加のデータ取得元を示すフローチャート。

次に、獲得と償還で絞り込みを行い、集計された情報をパートナー情報に追加します。これにより、パートナーである Ursa Major Solar の獲得と償還に関するすべての詳細を入手できます。

定義で使用される追加の検索条件ノードや結合ノードと、そのつながりを示すフローチャート。

最後に、Linda は債務を計算する数式を作成し、この金額をパートナーオブジェクトのカスタム項目に反映して更新します。

定義で使用されるすべてのノードとそのつながりを示すフローチャート。

リンダは自身が設計した定義を確認します。週の終わりにパートナーの債務を計算するために必要なデータ取得元とノードを特定できたようです。続いて、ビルダーでこの定義を作成できます。Trailhead の「データ処理エンジン定義モデリング」モジュールで、Linda がこの定義を作成する手順を一緒に見ていきます。

最後に

どの企業もデータの力を借りています。こうしたデータは有益で、企業がインサイトやトレンドを理解するうえで役立ちます。一方、大量のデータの管理には、多大な時間とコストを要する場合があります。DPE は、費用対効果と時間効率が高い方法で、ビジネスインテリジェンスに必要なデータを変換できます。企業は DPE を活用して、自社が保有するデータを変換、カスタマイズ、分析することが可能です。

リソース

API ドキュメント: Data Processing Engine Metadata API (データ処理エンジンのメタデータ API)

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