Skip to main content
Register now for TDX! Join the must-attend event to experience what’s next and learn how to build it.

Data 360 を使用して信頼できるエージェントを実現する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • 検索拡張生成における Data 360 の役割について説明する。
  • Data 360 がエージェントのテスト、監視、ガードレールをどのようにサポートするか説明する。
  • Data 360 で Agentforce Analytics を有効活用する方法を説明する。

信頼できるエージェントの重要性を検討する

お客様にとってはエージェントが会社との最初の接点になるため、エージェントがグラウンディングされ、コンプライアンスを維持し、責任をもって応答することが極めて重要です。Data 360 があれば、検索拡張生成 (RAG) を使用してプロンプトをエンタープライズデータでグラウンディングし、AI ガードレールと分析を駆使してエージェントを監視することができます。このため、エージェントの正確性と倫理性が向上します。この単元では、Data 360 によって RAG、AI ガードレール、分析がどのように強化されるか学習します。

検索拡張生成について学ぶ

RAG は、大規模言語モデル (LLM) に対するプロンプトリクエストをグラウンディングする手段です。グラウンディングとは、コンテキストに基づく具体的な情報をプロンプトに追加して、LLM で生成される出力の質、正確性、関連性を高めることです。RAG では、知識ベースから (レトリーバーを使用して) 関連情報を検索し、その情報を元のプロンプトと組み合わせてプロンプトを拡張して、応答を生成します。この検索・拡張・生成の頭文字が RAG です。

以下に、RAG を理解するための主な用語をご紹介します。詳細は、「検索拡張生成: クイックルック」を参照してください。

  • 非構造化データ: 一貫した特定の形式がなく、一般的なリレーショナルデータベースに簡単に保存できないデータです。非構造化データを取り込んだら、チャンク化してベクトルエンベディングを作成します。
  • ベクトルエンベディング: 非構造化データの数値表現で、マシンで読み取れるようになります。ベクトルエンベディングは、テキストの異なる部分の意味的類似性を測定して、生成 AI のプロンプトや検索で正確で関連性の高い結果を示せるようにします。
  • ベクトルデータストア: ベクトルエンベディングの保存を目的に設計された一種のデータベースです。
  • 検索インデックス: チャンク化されてベクトル化されたデータを保存するデータ構造で、このデータをほかのアプリケーションから検索して取得できます。
  • レトリーバー: プロンプトと検索インデックス間のリンクです。レトリーバーは、データソースで関連情報を検索してプロンプトを拡張します。アンサンブルレトリーバーは、複数のソースに並行して検索を実行する個々のレトリーバーの集合体です。

エージェントに RAG を実装する場合、2 つのオプションがあります。

  • Agentforce データライブラリを使用したクイックスタート
  • Data 360 の高度な設定

それぞれのオプションを詳しく見ていきましょう。

Data 360 が有効である場合: Agentforce データライブラリを検討する

Agentforce データライブラリ (ADL) は、事前構成された RAG のクイックスタートソリューションで、 エージェントが個人的に使用する整理されたデータソースです。

エージェントビルダーまたは [Setup (設定)] のいずれかでデータライブラリを追加すると、すべてのコンポーネント (ベクトルデータストア、検索インデックス、レトリーバー) にデフォルト設定が適用され、Data 360 を使用した RAG 対応のソリューションが自動的に作成されます。コンポーネントは個別に設定してカスタマイズできます。

ADL は非構造化データのみをサポートします。たとえば、次のような例があります。

  • ナレッジ記事
  • ファイル
  • Web 検索

詳細は、「Agentforce データライブラリの基礎」を参照してください。

Data 360 が実装されている場合: Data 360 設定で RAG をフルカスタマイズする

Data 360 に RAG を直接実装する場合、時間はかかりますが、データの取り込みや処理を細かく管理でき、データソースの種類が増え、基本的な検索以外に的確な検索メカニズム (ハイブリッド検索など) を利用できるようになります。

高度な設定を行うと、Data 360 に取り込まれた任意のデータでプロンプ​​トをグラウンディングできます。たとえば、構造化されていないロングテキスト項目が設定された CRM レコードを取り込んで、データをチャンク化します。続いて、ベクトルデータストアと検索インデックスを作成します。検索インデックスのレトリーバーを使用して、プロンプトをグラウンディングします。このプロンプトをエージェントに使用すれば、エージェントがお客様や組織を包括的に理解できるようになります。エージェントに、ハーモナイズされたデータ、ゼロコピーデータ、構造化と非構造化の両方のリアルタイムデータへのアクセス権を付与できます。

データグラフを使用した RAG

データグラフレコードには、JSON 文字列形式の関連データをフラット化したビューがあり、そこからデータをすぐに取得できます。たとえば、顧客プロファイルと販売注文の詳細のリレーションをモデル化するデータグラフを作成します。次に、そのデータグラフを使用して、エージェントのプロンプトをグラウンディングします。

RAG にデータグラフを使用する主なメリットは次のとおりです。

  • CRM データをはじめとする複数のソースからのデータと、ゼロコピーを使用した外部レイクからのデータを統合します。アンサンブルレトリーバーを作成する必要はありません。
  • データを JSON 形式に変換します。リレーショナルデータが保持され、エージェントが理解しやすくなります。

詳細は、「Data 360 のデータグラフ」を参照してください。

ここで、ADL とカスタマイズ可能な Data 360 設定の違いをまとめましょう。

Agentforce データライブラリ

カスタマイズ可能な Data 360 設定

  • Data 360 を有効にする必要がある
  • 複雑なデータパイプラインを迅速かつ簡単に設定できる
  • ナレッジ記事、アップロードされたファイル、オープン Web 検索、カスタムレトリーバーに限定される
  • 複数のソースからのデータが統合されない。各ライブラリに 1 つのデータソースしか含めることができない
  • リアルタイム機能がない
  • ゼロコピー機能がない。CRM 以外のデータはファイル形式で物理的にダウンロードし、データライブラリに追加する必要がある
  • Data 360 を実装する必要がある
  • 取り込み、モデリング、ID 解決など、複雑な設定を伴う
  • アンサンブルレトリーバーまたはデータグラフを使用して、複数のソースからのインテグレーションをサポートする
  • Data Cloud One 接続を使用すると、レトリーバーが Data 360 ホーム組織からコンパニオン組織に同期されるため、コンパニオン組織のプロンプトやフローでレトリーバーを使用できる
  • データ変換、マッピング、ハーモナイゼーションをサポートし、クリーンなデータや一元化された顧客プロファイルを利用できる
  • エージェントが、ハーモナイズされたリアルタイムのゼロコピーデータ (非構造化と構造化の両方) を含む Data 360 データでグラウンディングされる

Data 360 が有効である場合: AI ガードレールでセキュリティを確保する

データセキュリティを保護し、人間の関与を維持するためには、AI にガードレールが必要です。ガードレールが定められていれば、AI の使用を各自の組織のセキュリティ、プライバシー、規制、AI ガバナンスのポリシーに準拠させることができます。

Agentforce のガードレールには、Einstein Trust Layer のほか、生成 AI 監査やフィードバック履歴が含まれます。これらの機能は Data 360 を活用します。Agentforce には独自のガードレールもあります。詳細は、「信頼できるエージェンティック AI」を参照してください。

Einstein Trust Layer を検討する

Einstein Trust Layer は、データ保持ゼロ、有害検出、セキュアなデータ取得、動的グラウンディングなどの堅牢なセキュリティ機能やガードレールで顧客データを保護します。Salesforce エコシステム全体で AI エージェントの責任ある使用を確保しながら、出力の安全性と正確性を向上させます。

Einstein Trust Layer の図

生成 AI 監査とフィードバック履歴

監査履歴には、AI エージェントのアクションや出力の追跡に必要なデータが示されます。このデータは Data 360 に保存されて分析されます。

  • プロンプト ID とユーザーデータ
  • プロンプトテキストと PII マスク済みプロンプト
  • 安全性と有害性スコア

フィードバック API を使用して、エージェントの応答に関するフィードバックをログに記録できます。

  • 上向き親指と下向き親指の反応と理由テキスト
  • 承認、再生成、変更、却下または無視のアクション
  • 変更後に使用された​​最終応答

Data 360 が有効である場合: Agentforce Analytics を確認する

エージェントが導入されたら、Agentforce Analytics でそのパフォーマンスを監視します。データは Data 360 に保存されて処理されます。Data 360 のダッシュボードとレポートを使用して結果を表示します。

事前構築されたインサイトダッシュボードに以下のデータが示されます。

  • データマスキング
  • 応答の有害性
  • ユーザートレンド
  • 受け入れ率

独自のカスタムダッシュボードを作成することも可能です。

デフォルトの Agentforce Analytics ダッシュボードの例

Data 360 が有効である場合と実装されている場合

では、Data 360 を有効にした場合と実装した場合の特徴をまとめてみましょう。

Data 360 が有効である場合

Data 360 が有効で実装されている場合

  • お客様のビューが限定的
  • 各データソースが断片的
  • Agentforce データライブラリを使用してプロンプトが RAG でグラウンディングされる
  • Einstein Trust Layer を使用した信頼できるセキュアな AI
  • 生成 AI 監査とフィードバック履歴を使用した信頼できる人間監視型 AI
  • Agentforce Analytics で示されたインサイト
  • Data 360 の有効化によるすべてのメリット
  • エージェントが次のデータにアクセスできる
    • あらゆるデータソースの変換済みの一元的なデータ
    • リアルタイムデータ
    • データレイクなどの外部システムに保存されているゼロコピーデータ
    • Einstein Studio の計算済みインサイトと予測 AI を使用した拡張データ
  • 高度な Data 360 設定の広範な機能を使用して RAG でグラウンディングしたプロンプト

次の単元

これで、Agentforce で Data 360 が有効である場合と実装されている場合のさまざまなメリットを理解できました。また、Data 360 を利用すれば、一元的なデータ、RAG、AI ガードレール、分析によって Agentforce の機能がどのように強化されるかもわかりました。次は、Agentforce に Data 360 を実装する方法を学習します。

リソース

Salesforce ヘルプで Trailhead のフィードバックを共有してください。

Trailhead についての感想をお聞かせください。[Salesforce ヘルプ] サイトから新しいフィードバックフォームにいつでもアクセスできるようになりました。

詳細はこちら フィードバックの共有に進む