Data Cloud One を開始する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- 考えられるいろいろな Data Cloud One の組織アーキテクチャを特定する。
- Data Cloud One を設定する最初のステップを理解する。
Data 360 アーキテクチャ戦略を立てる
Data Cloud One について検討する際は、まず考慮すべき点と想定されるシナリオを確認します。現在の組織アーキテクチャによって設定手順が異なる場合があります。後の工程で問題が発生しないように、Data Cloud One を設定する前に、まずホーム組織とコンパニオン組織を特定します。
会社が直面する可能性のあるシナリオを 3 つ紹介します。3 つのケースはいずれも、データレジデンシーについて特別な対応が不要であるか、すべての組織がすでに同じ地域でプロビジョニングされていることを前提としています。
シナリオ 1: Data 360 がない複数の組織
会社のどの組織にもまだ Data 360 がない場合は、Data 360 ホーム組織にする組織を自由に選ぶことができます。そのほかの組織はコンパニオン組織となります。
シナリオ 2: 複数の組織があり、1 つの組織にだけ Data 360 がある
1 つの組織で Data 360 がプロビジョニングされている場合、その組織をホーム組織として使用できます。Data 360 がない組織は、コンパニオン組織として接続できます。
たとえば、Northern Trail Outfitters のセールス組織には Data 360 がありますが、マーケティング組織とカスタマーサービス組織には Data 360 がありません。NTO は、Data 360 があるセールス組織をホーム組織に指定し、Data 360 がない組織をコンパニオン組織に指定します。
シナリオ 3: 複数の組織に Data 360 がある
複数の組織に Data 360 がある場合は、1 つの組織をホーム組織として選択し、残りをコンパニオン組織に指定できます。指定したホーム組織では Data 360 を維持し、ほかの組織では Data 360 のプロビジョニングを解除してコンパニオン組織に変換できます。
たとえば、NTO のオペレーション、素材研究、スポーツ用品小売の各組織にはすべて Data 360 がありますが、NTO は Data 360 ホーム組織を 1 つだけにしたいと考えています。NTO は、オペレーション組織を Data 360 ホーム組織として選択します。オペレーション組織では Data 360 ライセンスが維持されます。残りの組織では、Data 360 のプロビジョニングを解除して、それらの組織をコンパニオン組織にします。
プロビジョニングを解除するには組織のデータとメタデータを削除する必要があるため、NTO はデータを Data 360 ホーム組織に移動し、データキットを使用してメタデータも移動します。また、プロビジョニングを解除する Data 360 インスタンスに依存している機能を慎重に調べて、それらの機能を新しいホーム組織の Data 360 インスタンスに接続できるようにします。
ベストプラクティスと考慮事項
Data Cloud One を検討する際は、次のベストプラクティスを念頭に置いてください。
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データレジデンシー: 異なる地域の組織を接続する場合は、事前に法務部門に相談します。コンパニオン組織のすべてのデータはホーム組織の地域に存在することになるため、データレジデンシーの問題が生じる可能性があります。
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成長: 単一の Data 360 インスタンスのみを実装するという判断が、長期的な成長目標に沿っていることを確認します。
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アーキテクチャ: すべての組織で、それぞれのデータと Data 360 設定を完全に制御する必要があるかどうかを評価します。その必要がある場合は、Data 360 組織を複数作成することをお勧めします。一方、組織間で制御を一元化し、データサイロを最小限に抑えたい場合は、複数の組織を単一の Data 360 に接続することをお勧めします。
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コンパニオン接続: ホーム組織ごとに、無料でコンパニオン接続できる組織の最大数が決まっています。 最大数に達した場合は、ホーム組織に接続ライセンスを追加して、上限を引き上げることを検討してください。
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プロビジョニング解除: Data 360 ホーム組織を Data Cloud One コンパニオン組織に変換する際は、Data 360 のプロビジョニングの解除に数か月かかる場合があり、データ損失やサービス中断につながる可能性があります。必要な期間については、Salesforce カスタマーサポートにお問い合わせください。詳細は、Salesforce ヘルプの「Data Cloud ホーム組織から Data Cloud One コンパニオン組織への変換」を参照してください。
Data Cloud One を設定する
Data 360 アーキテクチャ戦略を立てて、ホーム組織とコンパニオン組織を決めれば、Data Cloud One を設定する準備は完了です。

Data Cloud One の設定に必要な手順は次のとおりです。
- 無料の Data Cloud One Companion Org SKU を各コンパニオン組織に追加します。
- コンパニオン組織をホーム組織に接続します。
- ホーム組織から、データスペースをコンパニオン組織と共有します。
- コンパニオン組織で、データコンプライアンスとガバナンスのニーズに基づいて、各ユーザーに Data Cloud One へのアクセス権を付与します。
コンパニオン接続が有効になり、最初のメタデータ同期が完了すると、NTO のコンパニオン組織に Data Cloud One アプリケーションが表示されます。これで、コンパニオン組織のユーザーは Data 360 ホーム組織のデータにアクセスし、インサイト、セグメント、プロンプトを簡単に作成できるようになります。
全体の連携
では、NTO でこれらがどのように連携するかを見てみましょう。
Data Cloud One を使用する前から、NTO では Data 360 を 1 つの組織で実装しており、信頼できる唯一の情報源として活用しています。NTO は、標準 Salesforce CRM 接続を通して、Data 360 組織とほかのすべての Salesforce 組織 (カスタマーサービス組織やスポーツ用品小売組織など) を接続しています。
NTO は Data Cloud One の採用を決め、Data 360 ホーム組織とほかの Salesforce 組織との間にコンパニオン接続を設定して、それらの組織をコンパニオン組織にすることにしました。ホーム組織では、システム管理者または Data 360 アーキテクト権限セットを持つユーザーが、データをデータスペースに分割して、各コンパニオン組織と共有するデータスペースを選択します。これで、コンパニオン組織のユーザーは Data Cloud One アプリケーションを使用して各自のデータスペースで作業し、独自のセグメントやインサイトを作成したり、アクティベーションを管理したりしながら、組織をまたいだインサイトにもアクセスできます。しかも、必要な Data 360 は 1 つだけです。
NTO のユーザーは共通の信頼できる情報源のデータにアクセスできるようになり、さまざまな組織の管理が大幅に簡単になりました。NTO の営業担当は、カスタマーサービスのデータに影響を与えることなく、リードに関するインサイトとセグメントを作成できます。また、マーケティング部門とスポーツ用品小売部門は、同じ統合顧客プロファイルに関する組織横断的な分析にアクセスしながら、独自のデータアクションやエージェントプロンプトを作成できます。NTO は、監査履歴やフィードバックログなどの Agentforce 機能をコンパニオン組織で使用することもできます。
NTO と同じように、Data Cloud One を使用すると、組織全体でパフォーマンスとデータ利用を最適化し、時間、コスト、負担を減らすことができます。