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Data 360 Governance について知る

Note

2025 年 10 月 14 日付で、Data Cloud は Data 360 に名称が変更されました。移行期間中は、アプリケーションやドキュメント内で Data Cloud という名称が引き続き使用される場合があります。名称は新しくなりましたが、機能や内容に変更はありません。

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。

  • Data 360 Governance を定義する。
  • デジタルレイバープラットフォームにおけるデータガバナンスの重要性を説明する。
  • Data 360 と Agentforce が連携して信頼できるガバナンスをどのように実現しているかを学ぶ。

データガバナンスが重要な理由

Data 360 を使用すると、外部システムに閉じ込められていたデータを活用して、Customer 360 全体でよりパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供し、Agentforce を利用したエンタープライズ AI を実現できます。では、Data 360 を安全かつコンプライアンスに準拠し、適切に統制された状態に保つにはどうすればよいのでしょうか?

AI ドリブンの未来に向かって進んでいる今、職場は進化を続け、従業員が他の従業員や AI エージェントを管理するようになります。この進化に伴って、データの量と複雑さが急増しています。AI が効果的に機能するには、文書や画像などの非構造化データや、チャットログや音声録音などの会話データなど、多様で膨大な量のデータが必要です。企業は、AI システムが信頼性と責任を持って動作できるよう、統一され、適切に統制されたデータを必要としています。

この変化に伴い、デジタルレイバーワークフォースへの信頼がこれまで以上に重要になっています。企業は今、ガバナンス、データプライバシー、セキュリティ、そして責任ある AI 利用が最も重要視される時代にあります。顧客、従業員、その他の関係者は、企業がデータを保護し、透明性を持って行動し、倫理的かつ説明責任のある形で AI に関する意思決定を行うことを期待しています。

急速に進化するデータ環境の中で、データ、ガバナンス、AI の間にはギャップがあります。いくつかの例を紹介します。

  • データのサイロ化: データが複数のシステムに分散されている場合、特にその多くが非構造化形式で保存されていると、シームレスなカスタマーエクスペリエンスの提供が大きな課題となります。
  • データガバナンスの不整合: 現在の AI ドリブンの環境では、構造化データと非構造化データの多様な組み合わせを管理する必要があり、データガバナンスがより複雑になります。
  • データ統合の複雑さ: プラットフォームが深く統合されていない場合、データへのアクセスやその活用が常に困難になります。チームは分断されたプラットフォームに依存せざるを得なくなり、ボトルネックや不要な依存関係が生まれます。

それでは、Data 360 Governance がどのようにして Data 360 を適切に統制するのかを見ていきましょう。

Data 360 Governance とは

Data 360 Governance は、Salesforce が提供する Data 360 のガバナンスおよび AI 向けのソリューションです。これにより、企業はデータガバナンスのサイロを解消し、信頼性が高くスケーラブルで適切に統制された Customer 360 を確立できます。Data 360 Governance は、カスタマーサクセスを加速し、Agentforce への信頼を築くことで、AI ドリブンの未来を実現します。

Agentforce は、自動化、分析、予測および生成型の自律エージェントの基盤を提供し、それらが正確で安全かつ信頼できるデータで機能することを保証します。これらすべては、オープンで拡張可能、相互運用可能、かつ深く統合された Salesforce Platform によって支えられており、適切に統制されたデータを中核に据えることで、次世代の AI を推進します。

Data 360 Governance を実装することで、以下が可能になります。

  • ゼロコピー連携など、複数のソースから構造化データおよび非構造化データを取り込むことで、データガバナンスのサイロを排除し、動的で適切に統制された Customer 360 を構築する
  • 高品質で信頼性が高く適切に統制されたデータによって、カスタマーサクセスを促進し、Agentforce への信頼を構築する
  • 自動化、分析、予測および生成型の自律エージェントを通じて、より良いカスタマーエクスペリエンスを実現できるように Data 360 のデータを統制する

Data 360 Governance は、AI タギングと分類、ポリシーベースのガバナンス、データセキュリティという 3 つの主要な概念で構成されています。

AI タギングと分類

それぞれに異なるコンテキスト、ポリシー、プロセスを持つ多様なデータに一貫したガバナンスを適用するには、スケーラブルなソリューションが必要です。タギングを使用すると、非構造化データと構造化データの両方に体系的にラベルが付けられ、Data 360 内のあらゆるデータ使用パターンに対してポリシーを一律に適用できるようになります。

タギングは手動でも、AI による自動化でも実行でき、ガバナンスの効率を高めます。AI ベースのタギングと分類ではさらに一歩進んで、構造化データと非構造化データのラベル付けと整理を、ビジネスポリシーに沿って自動化します。タグの伝播によって、Data 360 におけるデータライフサイクル全体でタギングと分類の一貫性が保たれ、ガバナンスの適用方法に一貫性が生まれます。

ポリシーベースのガバナンス

Salesforce Platform はメタデータドリブンであるため、ポリシーを定義して、大規模なガバナンスをより柔軟かつ効率的に管理できます。このポリシーベースのガバナンスフレームワークの中核となるのは、行レベル、項目レベル、オブジェクトレベルのセキュリティ (RLS、FLS、OLS) に基づいた属性ベースのアクセス制御 (ABAC) です。個々のユーザーや特定のオブジェクトにポリシーを適用するのではなく、メタデータ属性 (タグ) によってガバナンスを管理し、ポリシーを動的に適用できます。

たとえば、権限を手動で割り当てる代わりに、必要なセキュリティクリアランスを持たないユーザーに対して、個人を特定できる情報 (PII) を自動的にマスキングする動的なマスキングポリシーを定義できます。同様に、アクセスポリシーを定義することで、機密データへのアクセスを制限および管理できます。このアプローチにより、データやユーザーアクセスが時間とともに変化しても、ガバナンスの一貫性とスケーラビリティが維持されます。また、従業員やエージェントがプラットフォーム全体で許可されたデータにのみアクセスし、操作できることも保証されます。

データセキュリティ

Salesforce が最も重視しているのは信頼であり、そのためにはデータセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスが不可欠です。これにより、顧客の信頼を維持し、規制要件を満たすことができます。Data 360 は、機密情報があらゆる段階で保護されるようにしています。Data 360 のプラットフォーム暗号化により、顧客はデータの暗号化に使用されるキーを完全に制御できるようになりました。

さらに、Data 360 のプライベートコネクトを使用すると、仮想プライベートクラウドへの安全な接続が可能になり、公開インターネットへのデータ流出を防ぐことができます。企業がセルフサービス型のエージェント型 AI の未来を受け入れていく中でも、Agentforce は安全で適切に統制されたデータ上で動作するため、AI ドリブンの意思決定においても、信頼性とコンプライアンスの両方が保証されます。

ユースケース: Bloomington Caregivers

Bloomington Caregivers は、架空の在宅医療機関であり、高齢者に対して包括的で高品質なケアを提供しています。Bloomington Caregivers は、卓越した患者サービスへの深い情熱を持ち、Data 360 を使用して患者データを統合し、ケアの調整を効率化し、患者とのエンゲージメントを強化しています。

オフィスマネージャーであり Salesforce システム管理者でもある Harryette Randall は、Agentforce の導入を成功させ、従業員の支援を実現しました。現在では、AI エージェントの Tina が、患者、医療提供者、支払者と自律的にやり取りを行い、問い合わせに対応したり、要約を提供したり、複数チャネルでアクションを実行したりしています。

たとえば、患者が自身の訪問履歴を求めた場合、Tina は適切な権限の範囲内でその情報を安全に取得して提供できます。一方、患者が自身の症状に基づく治療計画を求めた場合、Data 360 Governance ポリシーによって、Tina は AI エージェントの制限を認識して、要求を医療専門家にエスカレーションします。

舞台裏では、Data 360 が AI を使用して、患者レコード、チャットログ、PDF アップロード、通話記録などの構造化および非構造化データのタギングと分類を行い、重要な情報が適切に分類されるようにしています。その後、Harryette が Tina (AI エージェント) とサービス担当者の両方に対するアクセスポリシーを定義します。これにより、Tina は人間の専門家に引き継ぐべきタイミングを正確に判断し、コンプライアンスとセキュリティを維持しながら、最高水準の患者ケアを実現します。

大規模なポリシー駆動型ガバナンスを組み込むことで、ガバナンスと AI が結び付けられ、エージェントはセキュリティ、透明性、コンプライアンスを保ちながら、効率的でインテリジェントな自動化を提供できるようになります。業界トップの信頼を誇る Salesforce は、将来を見据えたネイティブかつ適切に統制されたプラットフォームにより、より迅速で信頼性が高く、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの実現に向けて道を切り拓いています。

リソース

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