Winter '25 のセグメンテーション、インサイト、データアクションの新機能について学習する
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- Einstein Data Prism を使用して最適化されたセグメントの結果を取得する。
- ワンクリックで Data Cloud レポートを作成する。
- 必要なレポートのみにスマート合計を追加する。
- Data Cloud を使用して Einstein for Service のナレッジ管理を向上させる。
Einstein Data Prism を使用して最適化されたセグメントの結果を取得する
Einstein Data Prism はバックグラウンドで Data Cloud と連携して、正確で関連性が高いセグメントの結果を生成します。Einstein セグメント作成で Data Prism が自動的に有効になります。
Einstein Data Prism は、Salesforce 内の生成 AI アプリケーションのグラウンディングソリューションです。グラウンディングとは、AI システムを特定のデータソースに接続して、出力の質を向上させ、生成されるコンテンツのインスタンスを減少させるプロセスのことです。Einstein Data Prism では、セマンティックな記述を使用して Data Cloud スキーマを拡充します。具体的には、セグメントの作成で使用する自然言語のフレーズを Data Cloud データと関連付けて、発話に対して正確で関連性の高い応答を生成します。
この変更は、Developer Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition の Data Cloud に適用されます。Einstein 生成 AI は Lightning Experience で使用できます。
Einstein Data Prism のしくみ
Data Prism が組織にプロビジョニングされると、すべてのメタデータ (スキーマ、リレーション、サンプル値、記述) がスキャンされます。記述が不足している場合はすべて自動的に生成され、ベクトルデータベースに保存されます。実行時に、ユーザーが Einstein セグメント作成などの Salesforce アプリケーションで自然言語の質問をすると、アプリケーションが Data Prism API をコールし、要求された自然言語の発話を送信します。続いて Data Prism が、自然言語の発話と一致するテーブルや項目を、的を絞ったグラウンディングデータとしてアプリケーションに送り返します。このため、アプリケーションが的を絞ったグラウンディングデータを使用して、大規模言語モデル (LLM) から正確性の高い結果を得ることができます。
ワンクリックで Data Cloud レポートを作成する
作業の流れの中で直接、計算済みインサイトとデータモデルオブジェクト (DMO) の標準レポートを分析または作成します。こうしたレポートを、計算済みインサイトや DMO リストビュー、あるいはオブジェクトのレコードページから作成できるようになりました。以前は、[Reports (レポート)] タブのみでこのレポートを作成可能でした。[Calculated Insight (計算済みインサイト)] または [Data Model (データモデル)] タブで、オブジェクトの [Actions (アクション)] メニューから [Create Report (レポートを作成)] を選択します。または、計算済みインサイトや DMO を開いて、[Create Report (レポートを作成)] をクリックします。
この変更は、Developer Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition の Data Cloud に適用されます。
必要なレポートのみにスマート合計を追加する
データモデルオブジェクトのどのレポートやグラフにスマート合計を使用するか選択できるようになりました。以前は、すべての Data Cloud レポートでスマート合計が有効になっていました。今後は、レポートフッターの切り替えでスマート合計をオフにします。たとえば、販売注文 DMO レポートでスマート合計を有効にすると、販売注文の各品目が小計と総計に一度だけ含まれます。または、Web サイトの総訪問期間を個人別に表示するレポートでスマート合計を無効にすると、レポートに個人別のすべての訪問が追加されます。
この変更は、Developer Edition、Enterprise Edition、Performance Edition、および Unlimited Edition の Data Cloud に適用されます。
Data Cloud を使用して Einstein for Service のナレッジを向上させる
Data Cloud でファーストパーティとサードパーティのナレッジを組み合わせて、Einstein for Service の生成 AI 機能を向上させます。ナレッジデータを統合して、Data Cloud の強化された生成 AI 機能と、引き上げられたデータ制限を活用します。
Data Cloud では、RAG (検索拡張生成) の最新機能を使用して、Einstein for Service の返信や回答の質を高めることができます。取得した情報を使用してプロンプトを強化し、追加のコンテキストで生成された応答を正確かつ関連性が高いものにします。Data Cloud に RAG が統合されたため、Data Cloud で情報取得をカスタマイズする機会が増大します。たとえば、小売店のお客様が返品ポリシーについて質問した場合、RAG がこのユーザーの質問とコンテキストを基に的確なクエリを作成し、Data Cloud から関連する構造化データと非構造化データを取得して、Einstein Copilot にまとまりのある応答を生成するように指示できます。
Data Cloud でナレッジと統合ナレッジを結合する
Service Cloud のユーザーは、Salesforce ナレッジを使用して社内のナレッジデータを管理しています。ユーザーが Data Cloud でナレッジと統合ナレッジを結合できるようになりました。Zoomin との提携によって実現した統合ナレッジは、組織が会社の Web サイトや、SharePoint、Confluence、Google Drive など各種のサードパーティシステムのナレッジデータを管理するためのプラットフォームです。Salesforce は Zoomin と提携して、統合ナレッジを 90 日間の無料トライアルとして利用できるようにし、サードパーティのナレッジソースへの 3 種類のコネクタインスタンスも用意しています。無料トライアルからのアップグレードは、Salesforce の [Setup (設定)] の Zoomin で直接購入できます。
このインテグレーションにより、今後の機能強化に備えてナレッジと Zoomin コネクタを準備できます。ナレッジ記事 DMO を使用して、Data Cloud の知識ベースにアクセスできます。Data Cloud のインフラストラクチャでは、将来 Slack 投稿などのトランザクションナレッジが選定された記事とともに統合される場合など、エンタープライズユーザーに必要となるサイズや拡張性がサポートされています。
この更新は、Data Cloud 消費クレジットを購入したすべてのナレッジおよび統合ナレッジユーザーに適用されます。
サービスデータキットの最新バージョンがインストールされている、または最新バージョンに更新されていることを確認します。[Data Cloud Setup (Data Cloud 設定)] で、[Salesforce CRM] をクリックして、[Standard Data Bundles (標準データバンドル)] を選択します。[Service Cloud] を選択し、[Install (インストール)] または [Update (更新)] のいずれかを選択して、サービスデータキットの最新バージョンを取得します。
ナレッジ記事 DMO を使用して Data Cloud の知識ベースにアクセスする手順は、次のとおりです。
- 最初に、Salesforce 組織で Data Cloud を設定します。
- [Knowledge (ナレッジ)] カスタム項目のデータを Data Cloud と同期して、「Data Cloud Salesforce コネクタ」権限セットにオブジェクトに対する「参照」権限を追加します。
- Data Cloud の [Data Streams (データストリーム)] タブに移動して、[New (新規)] をクリックします。
- [New Data Stream (新規データストリーム)] ページで [Salesforce CRM] を選択します。
-
[All Objects (すべてのオブジェクト)] をクリックして、[Knowledge__kav] オブジェクトを選択します (変更した場合を除き、これがデフォルト名です)。
- 必要なデータストリーム項目を選択し、項目をマッピングして、[Deploy (リリース)] をクリックします。
まとめ
過去 1 年間にリリースされた Salesforce の機能の中で特に重要なものを学習しました。ここで、上記のトピックの理解度を確認し、認定 Data Cloud コンサルタント資格を更新するために試験を受けていただきます。
リソース
- Salesforce ヘルプ: Einstein Data Prism を使用した最適化されたセグメントの結果の取得
- Salesforce ヘルプ: Einstein Data Prism
- Salesforce ヘルプ: Web ページのリアルタイムのカスタマイズ
- Salesforce ヘルプ: Data Cloud のクロスクラウド更新
- Salesforce ヘルプ: ワンクリックでの Data Cloud レポートの作成
- Salesforce ヘルプ: 必要なレポートのみへのスマート合計の設定
- Salesforce ヘルプ: Data Cloud によるナレッジと統合ナレッジの統合
- Salesforce.com: Salesforce Announces Unified Knowledge (Salesforce が統合ナレッジを発表)
- Trailhead: RAG (検索拡張生成): クイックルック
- 開発者ブログ: A Visual Guide to Salesforce Data Cloud Capabilities (Salesforce Data Cloud 機能のビジュアルガイド)
- Unified Knowledge Documentation (統合ナレッジドキュメント): Salesforce Knowledge as a Unified Knowledge Source (統合ナレッジのソースとなる Salesforce ナレッジ)
- Salesforce.com: How Einstein Copilot Search Uses Retrieval Augmented Generation to Make AI More Trusted and Relevant (Einstein Copilot の検索に RAG (検索拡張生成) を使用して AI の信頼性と関連性を高める方法)