お客様を中心にデータ戦略を立てる
学習の目的
この単元を完了すると、次のことができるようになります。
- お客様を第一に考えることがデータ戦略やアーキテクチャの進展につながることを説明する。
- カスタマージャーニーとは何かを説明する。
- カスタマージャーニーのタッチポイントとは何かを定義する。
Trailcast
このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。
配慮の行き届いたデータ戦略でお客様にエンゲージする
お客様にエンゲージし、お客様が望むエクスペリエンスを実現するためには、共感と、データ戦略への配慮の行き届いたアプローチが欠かせません。よく練られたデータ戦略があれば、特定の目標を達成しやすくなります。たとえば、次のような目標です。
- お客様の全体像をとらえる。
- お客様のニーズに合わせて商品ラインやサービスを調整する。
- カスタマーサービスエクスペリエンスを向上させる。
お客様を第一に考えてデータ戦略を立てれば、あなたの会社とのカスタマーエクスペリエンスが向上し、お客様がリピーターとしてさらなる商品やサービスを購入する可能性が高くなります。データ戦略の向上が、最終的にデータアーキテクチャの進展につながります。ところで、データアーキテクチャとは何なのでしょうか? 次のように定義されます。
- あなたの会社がどのような種類のデータを処理または収集するか。
- あなたの会社がそのデータをどのように保存するか。
- あなたの組織内でデータをどのように移行するか。
効率的なデータアーキテクチャがあれば、顧客データのフローを管理する会社のアプローチが一貫したものになります。ここでいうフローとは、部門間 (IT 部門と営業部門間など) や、組織が利用するアプリケーション間 (CRM システムと自動マーケティングプログラム間など) のフローです。
データアーキテクチャは、会社のビジネス戦略を IT 処理に結び付ける接着剤のようなものと考えることができます。
Salesforce で道を切り開く
データアーキテクチャの取り組みには時間と費用と労力を要します。そして、この取り組みを成し遂げても、最終結果が目標を満たさないことがあります。けれども、Salesforce にはユーザーにメリットをもたらしてきた実績があります。このモジュールでは、データアーキテクチャの計画と優先順位付けに関するベストプラクティスをご紹介します。Salesforce ではお客様のビジネスの成功を切望しているため、ベストプラクティスを積極的に紹介しています!
今日の組織の大半は、まず利用可能なツールやテクノロジーに目を向けます。Salesforce のデータアーキテクトは、データアーキテクチャの計画を試みるユーザーに異なるアプローチを推奨します。「どのような場合もお客様を中心に考える」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。データアーキテクチャを計画するときも、このアプローチが功を奏します。
Salesforce では、お客様中心のアプローチが次の点で役立つことを学んでいます。
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ビジネス価値を高める。大きな計画プロジェクトの範囲が維持されるため、目標に向けて集中的に取り組み、不毛な努力に費やす時間が減少します。
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欠落を生まない。お客様が会社やブランドとどのようにやりとりしているかを把握すれば、カスタマーエクスペリエンスで引き継ぎが途切れたり、機会を逃したりすることがありません。
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データアーキテクチャに優先順位を付ける。私たちは、ブランドや商品に関するシームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現し、満足のいくやりとりが可能かどうかに基づいて最善の判断を下します。Salesforce のデータアーキテクチャから、お客様に効率的かつ継続的に満足を届けるにはどうすればよいかの選択が促されます。
データアーキテクチャについてもお客様を中心に考えれば、常に戦略的な IT デリバリーに集中的に取り組むことができます。また、測定可能な結果や影響も把握できます。このアプローチの優れた点は、各自のアーキテクチャを統合的かつ反復的なやり方で計画して実装できることです。
出発点を選ぶ
お客様中心のアプローチに必要なステップを見てみましょう。
Pia Larson をご紹介します。Pia は Northern Trail Outfitters (NTO) という全国規模のスポーツ用品チェーンのエンタープライズアーキテクトです。現在、新しいプロジェクトを引き受ける余裕があり、自分の時間をどのように配分すればよいかも心得ています。Pia はここしばらくの間、会社が既存のお客様を維持し、新しいお客様を引き付けるにはどうすればよいか考えていました。
NTO はお客様第一を標榜していますが、Pia は会社の既存のアーキテクチャにお客様中心のアプローチが反映されていないのではないかと考えています。そこで、今回のプロジェクトでは、できる限りお客様の立場になって考えてみることにします。また、他の関係者にも同じようにしてもらいたいと思っています。そうすれば、全員がお客様の問題を実感できるためです。
プロジェクトの手始めに、Pia は次の関係者とのミーティングをスケジュールします。
関係者 |
役職 |
各人の要望 |
---|---|---|
Felix Ayaso |
カスタマーサービスディレクター |
Felix はサービスエージェントの効率性と生産性を高めることを望んでいます。また、エージェントが商品やサービスをアップセルできるようにしたいと考えています。 |
Ruthanne Chung |
マーケティング部長 |
Ruthanne はオンライン広告を使用して E コマースのトラフィックを増やし、収益を上げたいと考えています。 |
E.J. Deets |
コマースシニアディレクター |
E.J. とそのチームは、人工知能を使用して商品のおすすめを向上させることを強く望んでいます。 |
建設的な話し合いで、Felix、Ruthanne、E.J. から多くの情報を得ることができました。次は、お客様、具体的にはカスタマージャーニーに目を向けます。Pia は「カスタマージャーニーの基本」バッチ (この単元の「リソース」セクションのリンク先) を受講して、このトピックに関する知識を再確認します。ここで、Pia が学んだ要点を確認しておきましょう。
進化する Pia!
Pia はカスタマージャーニーが、お客様が会社とどのようにやりとりしているかの視覚表現であることを復習しました。具体的には、お客様の長期にわたる会社とのエクスペリエンスを示します。
たとえば、ジャーニーではお客様の次の点を把握できます。
- 商品やサービスをどのように認識したか。
- どのような注文を行ったか。
- 会社のブランドやオファーに関する情報をどのように得ているか。
- 品目の返品についてサービスエージェントとどのようなやりとりをしたか。
- 会社の商品やサービスをどのような方法で繰り返し購入しているか。
Pia は上記のポイントをボードに描き出します。
この事象の流れが身近に感じられるのは、ジャーニーが、私たちの多くにとって日常的なカスタマーエクスペリエンスを表すものであるためです。
Pia はジャーニーの途中で出現するエクスペリエンス (あるいは事象) の業界用語を学びました。タッチポイントです。では、一般的なタッチポイントの中に、あなたの会社でも適用できるものがあるか見てみましょう。
- オンライン広告をクリックする
- ターゲットを絞ったメールメッセージを読む
- 会社の Web サイトから品目を購入する
- 品目を店舗に返品する
- サービスエージェントに電話する
- ホワイトペーパーをダウンロードする
- 会社の商品またはサービスのクーポンを利用する
上記の各タッチポイントがお客様のエクスペリエンスを知る機会になります。タッチポイントでは、パーソナライズの最適化やお客様を満足させる方法についてのインサイトが得られます。また、タッチポイントはお客様の一般的な行動や体験を表しますが、そのやりとりはお客様ごとに異なる可能性があります。
お客様は一部またはすべてのタッチポイントで、各自が利用できる任意のチャネルを使用して、任意の時点、任意の順序でやりとりします。利用可能なチャネルとして、実店舗、会社の Web サイト、ソーシャルメディアサイト、ダイレクトメールなどが挙げられます。そして、チャネルの組み合わせは無限です。Pia は、お客様ごとにジャーニーが異なるものと考えています。
カスタマージャーニーを把握すればデータアーキテクチャの取り組みが進展することを認識した Pia は、早速 NTO のジャーニーを作成してみることにします。
リソース