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カスタマージャーニーを作成する

学習の目的

この単元を完了すると、次のことができるようになります。
  • カスタマージャーニーをマッピングする利点を説明する。
  • カスタマージャーニーを作成する。
  • カスタマーエクスペリエンスを向上させる機会を見極める。

Trailcast

このモジュールの音声録音をお聞きになりたい場合は、下記のプレーヤーを使用してください。この録音を聞き終わったら、必ず各単元に戻り、リソースを確認して関連付けられている評価を完了してください。これはプロトタイプであるため、ご使用に関するフィードバックをお待ちしております。ぜひ、こちらの簡単なアンケートにご参加ください。

カスタマージャーニーを作成する

データアーキテクチャを計画するというと、気が遠くなる作業のように思えるかもしれませんが、特に Salesforce のエキスパートの助言があればそれほど大変なことではありません。最初の単元で、お客様を中心に考えることが最適な出発点であることを学習しました。また、カスタマージャーニー (あなたの会社の一般的なカスタマーエクスペリエンスの視覚表現) のマッピングについても学習しました。

では、Northern Trail Outfitters (NTO) のエンタープライズアーキテクトである Pia Larson に戻りましょう。Pia は既存のお客様を維持し、新しいお客様を引き付けることを目的に NTO の態勢を整えるプロジェクトに取り組んでいます。

カスタマージャーニーの利点を認識する

Pia はデータアーキテクチャ計画の第一歩としてカスタマージャーニーを作成し、そこからテクノロジーロードマップの全体像を把握したいと考えています。全体像が明らかになれば、関係者を説得しやすくなります。カスタマージャーニーを使用して、次のことが可能になることを Pia は認識しています。

  • 関係者との話し合いのたたき台とし、具体的なジャーニーについて各自の意見を聞く。そうすれば、会社が目指すカスタマーエクスペリエンスがどのようなものか把握し、その計画に向けて自身のジャーニーを調整することができます。
  • 会社が目指すエクスペリエンスのビジョンについてお客様を中心に考える。
  • 顧客エンゲージメントのタッチポイント、そして従業員やパートナーのロールとそのニーズに対する理解を深める。
  • 最も大切なのはお客様であることをチームに再認識させる。企業がモバイルアプリケーションの開発や検索機能など、他のイニシアチブに気を取られていることが少なくありません。ベストプラクティスは、まずカスタマージャーニーを作成して評価することです。カスタマージャーニーがあれば、商品やサービスの欠落を特定して対処できるため、後々のイニシアチブにもプラスの作用があるものと思われます。
  • お客様の購入パターンの変化を明らかにする。

カスタマージャーニーをマッピングする

Pia はこのプロジェクトに張り切って取りかかります。その反面、いきなり大がかりなことをやってのけようと思わないほうがよいことも心得ています。自身が管理や実装している他のプロジェクトと同様に、小さなことから始め、多忙なスケジュールの許す範囲で段階的に向上させていきたいと考えています。

そこで、ジャーニーの作成に関する Salesforce の推奨事項に従うことにします。

  1. カスタマージャーニーを現実的なものにします。特に次の点に注意します。
    • シンプルなものにする。消費者、パートナー、企業購入者など、1 種類のお客様に焦点を当てます。
    • 包括的なものにする。マーケティング、カスタマーサービス、営業などの複数の職域の視点を取り入れます。
    • 実際的なものにする。ソーシャルメディア、メール、E コマースポータルなど、定義したエンゲージメントチャネルに的を絞ります。
  2. 関係者や専門分野のエキスパートを特定します。エンゲージメントのタッチポイントの担当役員や利害関係者から話を聞き、各人の体験や意見を確認します。ワークショップ、面談、ユーザー調査を実施します。

  3. 顧客エンゲージメントのタッチポイントをリストアップします。特に次の点を確認します。
    • お客様が会社とどのようにエンゲージしているか見極める。たとえば、お客様が会社の Web サイトのライブチャット機能を使用して、サービスエージェントや営業担当とやりとりしていることがあります。
    • お客様がプロモーションメールにサインアップした場合など、重要なトランザクションが行われたかどうかを確認します。
  4. お客様が会社のロイヤルカスタマーになることを妨げている課題や障害を明らかにします。例として、返品時の手数料や高額な配送料などが挙げられます。

NTO のカスタマージャーニーを確認する

Pia はジャーニーをマッピングするために、NTO の既存のお客様で、来月のキャンプ旅行に必要なバックパックを購入しようとしている Carla に着目します。下図は、Carla が体験するジャーニーを簡潔に示したものです。

Carla の体験を簡潔に示したジャーニー

  1. Carla がバックパックのオンラインレビューを読み、リンクをクリックして NTO の Web サイトに移動します。
  2. 何も買わないままサイトを離れます。あなたにもこういった経験があるのではないでしょうか。他のサイトで価格を比較しようと思ったときや、仕事で急な用事ができたときなどです。
  3. 翌日 Carla は、前日見ていたバックパックのオンライン広告を目にします。何とタイムリーな! Carla はクーポンに惹かれて NTO のバックパックを買うことにします。Carla がアカウントにログインしないまま購入している点に注意します。ゲストでもメールアドレスを入力すれば、領収書と注文状況がすぐに届きます。ここまでは通常のショッピングの流れです。
  4. バックパックが届きましたが、注文した色ではありませんでした。そこで、NTO のカスタマーサポートに電話します。
  5. カスタマーサービスのキューでしばらく待たされます。その後、対応したエージェントの Olaf が Carla の注文を確認し、Carla が報奨プログラムのメンバーであることに気づきます。NTO のエージェントが利用できる人工知能 (AI) ツールから、Olaf は Carla の近所の NTO でバックパッキングのクラスが開催されることを知り、それを Carla に伝えます。Carla は早速予約します!
  6. Carla はサービスコールの最後に、注文とは異なる色のバックパックを返品し、欲しかった色の商品を受け取る方法の詳細が書かれたメールを受け取ります。予約したクラスについてはどうでしょうか? 当日、Carla が近所の店舗を訪れると、店員から「Carla さんですね。ご参加いただきありがとうございます」と挨拶されます。気が利いていますよね。

カスタマーエクスペリエンスのマッピングから学ぶ

ジャーニーのマッピングから改善領域が明らかになり、Pia はこれらの点を基に NTO のデータアーキテクチャを調整することにします。Pia と関係者はマッピングされたジャーニーから次のことを認識しました。

Pia と関係者が指摘した改善領域を示すカスタマージャーニー

  1. お客様をすばやく識別できない。Carla は随分前に NTO の Web サイトでアカウントを作成していましたが、注文をチェックアウトするときにそのアカウントを使用しませんでした。
  2. あるシステムや部門から別のシステムや部門へのプロセスや引き継ぎが非効率的である。会社のカスタマーサービスセンターは、その待ち時間のために常に低い評価を受けています。このことから、サービスエージェントのタスクの多くについて自動化を検討すべきことが示唆されます。
  3. 質の低いデータに起因して問題が生じる。クリーンなデータがなければ、NTO がお客様に他の商品やサービスのパーソナライズされた有益なおすすめを示すことができません。

Pia と関係者は、Carla のジャーニーを向上させる機会を見い出しました。具体的には、次の点を検討します。

  • ゲストとしてチェックアウトしたお客様をサービスエージェントがすばやく識別し、こうしたお客様を既存のアカウントや報奨プログラムに結び付けられるようにする。
  • AI を利用してセールスプロセスを向上させ、スポーツ用品とその教育における確かなリーダーとしての NTO の地位を確立する。
  • NTO が商品、サービス、講座、ワークショップの的確なターゲティングを実施し、お客様を満足させてエンゲージする。

Pia と関係者は一丸となり、会社のプロセスの断絶や商品やサービスの不十分な点を特定するための大きな一歩を踏み出しました。NTO のデータアーキテクチャに必要な変更点を判断するためには、こうした取り組みが不可欠です。

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